「トレンド転換、見逃してませんか?」——相場が大きく反転する瞬間を、事前に予測できたら…。そんな願望を叶える手法が、バタフライパターンです。ただし、このパターンは見た目の複雑さから、多くのトレーダーが途中で諦めがち。「一体どこでエントリーすればいいの?」と混乱するのも無理はありません。
この記事では、難解に見えるバタフライパターンを初心者にもわかりやすく、かつ実戦的に解説していきます!
バタフライパターンとは?|基本構造と特徴を解説
バタフライパターンとは、相場の転換点を高精度で捉える「ハーモニックパターン」の一種です。価格が特定のフィボナッチ比率で動くことを前提とした、XABCDという5点構成のチャートパターンで、主に反転ポイント(PRZ:ポテンシャル・リバーサル・ゾーン)を見極めるために使用されます。
バタフライパターンの基本構造【XABCDとPRZ】
まずは構造から見ていきましょう。バタフライパターンは、以下のようなポイントで構成されます。
- X→A:基準となる初動の波
- A→B:X→Aの78.6%をリトレース(戻し)
- B→C:A→Bの38.2%〜88.6%でリトレース
- C→D:XAの127%〜161.8%のエクステンションで到達する波
この「D点」が極めて重要で、ここが反転を狙うエントリーポイントとなります。PRZはこのD点付近の価格帯を指し、複数のフィボナッチ比率が重なるゾーンのこと。ここで価格が止まり、反発に転じる可能性が高いとされています。
他のハーモニックパターンとの違いとは?
「え? 他にも似たような名前のパターンがあるよね?」と感じた方も多いでしょう。たとえば、ガートレーやクラブパターンが代表的ですが、決定的な違いは「D点の位置」です。

バタフライではD点が必ずX点を超えて形成されます。これは、クラブやガートレーパターンでは起こらない特徴であり、より深いリトレースメントと強い反転を想定するため、リスクリワードが高くなる傾向があります。
ただし、この深さゆえに「騙し」も起こりやすく、精緻なラインの引き方や、他のテクニカル指標と組み合わせる分析力が求められます。
バタフライパターンの使い方|トレンド転換の見極め方
バタフライパターンを活用する最大の目的は「反転ポイント=トレンドの転換点を先読みする」ことです。チャート上でのD点を正確に見極め、そこから逆方向へ価格が動き出すタイミングでエントリーを狙うという、極めて戦略的な使い方が求められます。
チャートでの具体的なバタフライパターンの形成条件
バタフライパターンの条件には厳格なフィボナッチ比率が存在します。以下が基本的な形成条件です。
- B点:XAの78.6%リトレースメント付近
- C点:ABの38.2%~88.6%リトレースメント
- D点:
- XAの127%~161.8%エクステンション
- BCの161.8%~261.8%エクステンション
この構成比率が成り立っていない場合、パターンとしては未成立と判断されます。特にD点は、トレーダーにとっての「最重要監視ポイント」であり、この位置がPRZに該当します。
「PRZに価格が到達したぞ!…でも入っていいの?」と迷った時は、MACDやRSIといった他のテクニカル指標を併用することで、より確度の高い判断が可能です。
エントリーポイントと損切りラインの設定方法
バタフライパターンでのエントリータイミングはズバリ、D点に価格が接触した瞬間から、その直後。より安全を期すなら、反転の兆候(陽線・陰線の転換、ローソク足パターンなど)を確認してからでも遅くはありません。
損切り(ロスカット)ラインは、D点の少し外側、つまりX点を明確に超えてしまった位置に設定します。これはパターンが崩れた証拠とみなされ、即座に撤退する判断が必要になります。
利益確定ポイントは、以下のように2段階で設定するのが一般的です:
- 第一ターゲット:ADの0.382ライン付近
- 第二ターゲット:ADの0.618ライン付近
実例で学ぶ!バタフライパターンのトレード戦略
バタフライパターンは理論だけでは語り尽くせません。実際のチャートを用いた「成功例」と「うまくいかなかった例」から学ぶことで、リアルなトレード感覚が養われます。ここでは、バタフライパターンを活用した2つの事例を紹介し、戦略の落とし穴やリスク管理についても掘り下げていきます。
トレード戦略の成功事例と失敗例を分析
まずは成功例から。あるFXトレーダーが米ドル/円の1時間足で観測したバタフライパターンでは、XA→AB→BC→Dと進行し、D点でしっかりと127.2%エクステンションに到達。その直後、RSIが売られすぎのサインを点灯。さらにローソク足で「包み足(エンゴルフィンバー)」が出現したことでエントリー。第一ターゲットの0.382ADでポジションの半分を利確し、第二ターゲットの0.618ADで残りを利確。リスク対リワードは1:3以上の優良トレードでした。
一方で失敗例では、形成途中までは完璧に見えたパターンが、D点付近でフィボナッチ比率をわずかに超えたところで「これは騙しかも?」と躊躇してしまい、反転前にエントリーを見送るというケースも。また、逆にD点を少し超えたにもかかわらず「まだ大丈夫」とポジションを持ち続け、大きく含み損を抱える失敗も多数報告されています。
これらの実例から得られる教訓は、「パターンの完璧な一致を待ちすぎるのも、逆に見切りを遅らせるのもリスク」だということです。
バタフライパターンで安定した収益を得るための心得
バタフライパターンを理解したからといって、即座に利益が出るわけではありません。大切なのは、このパターンを「収益の源泉」として安定的に運用できる戦略と心構えです。ここでは、共起語にも注目しつつ、実践的なテクニックを紹介します。
利益を最大化するための共起語を活かした戦略設計
バタフライパターンの運用で特に意識したいのが、反転ポイント、フィボナッチエクステンション、利益確定ポイントなどの共起語です。これらはトレード設計における中核要素となります。
たとえば、D点がPRZ(ポテンシャル・リバーサル・ゾーン)に差し掛かった時、「フィボナッチエクステンションが127.2%」という条件だけでなく、「MACDのデッドクロス」「ボリンジャーバンドのエクスパンション」など複数の要因が重なっているかを確認すること。こうすることで、価格が本当に反転するかどうかの“根拠”が増し、無駄なエントリーを減らすことができます。
また、利益確定ポイントも“段階的”に設計するのが鉄則です。ADの0.382、0.618といったフィボナッチ・ターゲットを使えば、無理のない利確と心理的な安定感を両立できます。
リスクを抑えてトレード勝率を上げるには?
安定収益の最大の敵は「リスクを軽視すること」です。特に、損切りラインをあいまいにしてしまうと、大きな含み損に悩まされる羽目になります。
損切りは、D点を明確に超えた位置に機械的に設定してください。たとえ自信があっても、「もう少し待てば戻るかも…」と願望でトレードするのは厳禁。バタフライパターンは数学的根拠に基づいた設計だからこそ、ルールを厳守すべきです。
さらに、相場のノイズに惑わされない判断力を養うには、過去チャートでの検証(バックテスト)が効果的です。実際にパターンが形成された場面を何度も観察することで、エントリーポイントの“癖”や反転の兆しに対する嗅覚が鋭くなります。
項目 | 内容 |
---|---|
戦略要素 | 反転ポイント、フィボナッチエクステンション、利益確定ポイント |
反転確認ポイント | D点でのエントリー時にMACD・ボリンジャーバンド・ローソク足を併用して根拠を増やす |
利益確定の方法 | ADの0.382・0.618で段階的に利確 |
損切りの基準 | D点を明確に超えた位置に損切り設定 |
心理的注意点 | 「待てば戻るかも」の願望トレードはNG、ルールに基づく機械的判断が重要 |
精度向上方法 | バックテストでパターンの特徴と価格の癖をつかむ |