
「FXのロスカットって、一体どういう仕組みなの?」と疑問に思ったことはありませんか?
FX取引では、相場が思わぬ方向へ動いたときに損失を最小限に抑えるために、証拠金維持率が一定の水準を下回ると強制的にポジションが決済される「ロスカット」という制度があります。
しかし、「ロスカットって具体的にどう計算されるの?」「突然ロスカットされたらどうしよう」と不安に感じる方も多いはずです。
特にレバレッジを活用している場合、相場が急変すると一瞬でロスカットが発動し、大きな損失を被ることも…。
そこで今回は、FXのロスカットについて基本的な仕組みから計算方法、さらにはロスカットを回避するためのリスク管理方法まで、詳しく解説します!

これを読めば、ロスカットの恐怖を和らげ、より安全にFX取引を行うための知識が身につくはずです。
ロスカットの基本
ロスカットとは何か
FXにおけるロスカットとは、証拠金維持率が一定の水準を下回った際に、FX会社が強制的にポジションを決済する仕組みです。


簡単に言うと、損失が膨らみすぎて、これ以上の取引が続けられない状態になると、自動的に取引が終了するシステムのことを指します。
この仕組みがある理由は、投資家が証拠金以上の損失を出さないようにするためです。FXはレバレッジをかけて取引を行うため、少額の資金で大きな取引が可能ですが、その分損失のリスクも高まります。ロスカットは、そのリスクを制御するために存在する重要なルールなのです。
例えば、証拠金10万円を預けて取引している場合、証拠金維持率が50%を下回るとロスカットが発動するFX会社では、損失が5万円を超えた時点で強制決済されます。これにより、投資家はそれ以上の損失を防ぐことができます。
ロスカットの水準はFX会社ごとに異なり、一般的に「証拠金維持率○○%以下でロスカット」と定められています。したがって、口座を開設する際には、その会社のロスカット基準を必ず確認しておくことが大切です。
ロスカットと損切りの違い
FX取引では、「ロスカット」と「損切り」という言葉がよく使われますが、この二つには明確な違いがあります。


簡単に言うと、「損切り」はトレーダーが自分の判断で損失を確定させる行為、「ロスカット」はFX会社が強制的にポジションを決済する仕組み です。
例えば、相場が思った方向に動かず、含み損が膨らんでしまった場合に、「これ以上の損失を出したくない」と判断して自分で決済するのが「損切り」です。一方で、「証拠金維持率が一定の水準を下回ったから、強制的にポジションを決済する」というのが「ロスカット」になります。
では、なぜ損切りを適切に行うことが大切なのでしょうか?
ロスカットは損失が大きくなった結果、避けられない状態で発動するものです。
しかし、損切りを適切に行えば、ロスカットに至る前に自分の意思で損失を抑えることができます。つまり、「損切りは自分でコントロールできるが、ロスカットはコントロールできない」 という点が大きな違いなのです。
また、ロスカットが発動すると、相場の急変時にはスプレッド(売値と買値の差)が広がり、予定よりも大きな損失が発生することがあります。そのため、ロスカットに頼らず、あらかじめ「ここまで下がったら損切りする」とルールを決めて取引を行うことが大切です。
ロスカットの計算方法
証拠金維持率の計算
ロスカットが発動するかどうかを判断するためには、「証拠金維持率」という指標を理解することが重要です。
証拠金維持率とは、預けている証拠金に対して、現在の有効証拠金(証拠金+評価損益)がどの程度の割合を占めているかを示す数値です。
計算式は以下の通りです。
証拠金維持率(%)=(有効証拠金 ÷ 必要証拠金)× 100
例えば、以下のような条件で取引を行っているとします。
- 口座に入金した証拠金:10万円
- 必要証拠金:4万円(レバレッジをかけた取引)
- 含み損:3万円
この場合、有効証拠金は 10万円 – 3万円 = 7万円 となります。
よって、証拠金維持率は
(7万円 ÷ 4万円) × 100 = 175%
となります。
FX会社によって異なりますが、多くの業者では証拠金維持率が100%を下回ると「追証(追加証拠金)」が発生し、50%を下回るとロスカットが発動する というルールになっています。
したがって、証拠金維持率を常にチェックし、ロスカットの危険水準に近づいたら早めに損切りや資金追加を行うことが重要 です。
ロスカット水準の設定例
ロスカット水準は、FX会社によって異なりますが、多くの場合 「証拠金維持率○○%以下でロスカット」 というルールが適用されています。ここでは、具体的な設定例を見てみましょう。
ケース1:証拠金維持率50%でロスカット
例えば、証拠金10万円で取引を行っている場合、必要証拠金が4万円だとすると、有効証拠金が2万円(=証拠金維持率50%) になった時点でロスカットが発動します。


- 証拠金:10万円
- 必要証拠金:4万円
- ロスカット水準(50%):有効証拠金2万円
つまり、含み損が8万円(10万円-2万円)に達すると、強制決済されることになります。
ケース2:証拠金維持率100%でロスカット
証拠金維持率が厳しめのFX会社では、100%を下回ると即ロスカットが発動することもあります。


- 証拠金:10万円
- 必要証拠金:4万円
- ロスカット水準(100%):有効証拠金4万円
この場合、含み損が6万円に達するとロスカットとなります。証拠金維持率100%ルールの業者では、より慎重な資金管理が求められます。
ロスカット水準の違いによる影響
証拠金維持率の基準が高いほど、少しの値動きでもロスカットが発動しやすくなります。そのため、資金に余裕を持たせることが、ロスカット回避の重要なポイント となります。
ロスカットを回避する方法
資金管理の重要性
資金管理が甘いと、ちょっとした相場の変動で証拠金維持率が下がり、あっという間にロスカットされてしまいます。
では、具体的にどのような点に気をつければよいのでしょうか?
- 十分な証拠金を用意する
口座に預ける証拠金が少ないと、少しの損失で証拠金維持率が下がってしまいます。最低限の証拠金ではなく、余裕を持たせた資金で取引することが大切です。 - 損失許容額を決めておく
「1回の取引で○○円以上の損失を出さない」と決めておくことで、無理な取引を防ぐことができます。一般的には、1回の取引で資金の2〜3%以上の損失を出さないようにすると安全です。 - 適切なレバレッジを設定する
レバレッジを高く設定すると、少額の資金で大きな取引ができますが、その分リスクも高まります。無理のない範囲でレバレッジを設定することで、ロスカットのリスクを抑えられます。 - ポジションサイズを調整する
取引量(ロット数)が大きすぎると、少しの値動きで証拠金維持率が急激に下がります。リスクを抑えるために、ポジションサイズを適切に調整しましょう。
資金管理を徹底することで、ロスカットのリスクを大幅に軽減できます。「ロスカットにかからないための対策は、取引を始める前から考えておくべき」 という意識を持つことが重要です。
レバレッジの適切な設定
しかし、レバレッジを高く設定しすぎると、証拠金維持率が急激に下がりやすくなり、ロスカットのリスクが高まります。そのため、適切なレバレッジ設定が重要になります。


レバレッジとロスカットの関係
レバレッジが高いほど必要証拠金は少なくなりますが、その分損益の変動幅も大きくなります。例えば、以下の2つのケースを比較してみましょう。
ケース1:レバレッジ10倍
- 証拠金:10万円
- 取引量:10万通貨
- 1円の変動での損益:±10万円
ケース2:レバレッジ25倍
- 証拠金:10万円
- 取引量:25万通貨
- 1円の変動での損益:±25万円
レバレッジ25倍では、1円の値動きで証拠金を超える損失が発生する可能性があるため、ロスカットのリスクが非常に高くなります。
安全なレバレッジ設定の目安
証拠金が多いほど、レバレッジを高くしてもリスクを分散できますが、「余裕を持った資金管理」が何より重要です。
レバレッジを抑えるメリット
- ロスカットのリスクを軽減できる
- 相場が急変しても落ち着いて対応できる
- 長期的に安定した取引が可能になる
「大きく儲けたいから高レバレッジにしよう!」と考えるのではなく、まずはロスカットを回避するための適切なレバレッジ設定を意識しましょう。
ポジションサイズの調整
ポジションサイズが大きすぎると、相場が少し逆方向に動いただけで証拠金維持率が急激に下がり、ロスカットの危険にさらされます。
ポジションサイズとリスクの関係
ポジションサイズが大きいほど、少しの価格変動で証拠金維持率が下がりやすくなります。例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。
ポジションサイズ | 1pipsの損益 | 50pipsの損失時の金額 |
---|---|---|
1万通貨 | ±100円 | ±5,000円 |
5万通貨 | ±500円 | ±25,000円 |
10万通貨 | ±1,000円 | ±50,000円 |
例えば、証拠金10万円で10万通貨のポジションを持った場合、50pips逆行するだけで証拠金の半分が失われます。 これが続けば、あっという間にロスカットされてしまいます。
適切なポジションサイズの目安
一般的に、証拠金の2〜3%以内のリスクに抑えるのが安全 とされています。
計算例(証拠金10万円の場合)
- 1回の取引で許容するリスク:2%(2,000円)
- 50pipsの損失を想定 → 1pipsの損失が40円以下になるように調整
- 1pips=100円となる1万通貨ではなく、4,000通貨程度に抑える
- 証拠金維持率が下がりにくく、ロスカットのリスクが減る
- 相場の変動に冷静に対応できる
- 長期的な取引が可能になり、安定した運用ができる
「もっと利益を狙いたい!」という気持ちから大きなポジションを持ちたくなりますが、まずはリスクをコントロールできるポジションサイズを意識することが、FXで生き残るための鍵 となります。
ロスカットとFX会社のルール
各社のロスカット水準の比較
一般的には、証拠金維持率が50%以下になるとロスカットが発動するケースが多い ですが、中には100%以下でロスカット という厳しめのルールを採用している会社もあります。
例えば、以下のような違いがあります。
FX会社名 | ロスカット水準(証拠金維持率) | 追証の有無 |
---|---|---|
A社 | 50% | あり |
B社 | 100% | なし |
C社 | 80% | あり |
ロスカット水準が低い(50%以下)の場合は、ギリギリまで耐えられますが、その分リスクも高くなります。
一方で、100%でロスカットが発動する場合は、すぐに決済されるため、少しの値動きでもロスカットされる可能性が高まります。
FX会社を選ぶ際には、ロスカット水準だけでなく、「追証(追加証拠金)」の有無も重要なポイントです。追証がある場合、ロスカット後に追加で資金を請求されるリスクがあります。一方、追証なしの会社を選べば、口座資金以上の損失を負うことはありません。
したがって、自分のトレードスタイルに合ったロスカットルールのFX会社を選ぶことが大切 です。



追証なし(ゼロカット採用)のおすすめのFX会社はこちら


ロスカットルールの最新情報
FXのロスカットルールは、金融規制の変更や市場環境の変化に伴い、各FX会社によって更新されることがあります。



特に、過去の急激な相場変動を受けて、FX会社がロスカットの仕組みを強化するケースも増えています。
最近の変更点の例
- 証拠金維持率の引き上げ
一部のFX会社では、これまで50%だったロスカット水準を80%や100%に引き上げる動きがあります。これにより、より早い段階でポジションが決済され、投資家が大きな損失を抱えないようにする仕組みが強化されています。 - ゼロカットシステムの導入
近年、海外FX業者を中心に「ゼロカットシステム」を採用する企業が増えています。ゼロカットシステムとは、急激な相場変動により証拠金を超える損失が発生した場合でも、投資家が追加で借金を背負うことなく、口座残高がゼロになるだけで済む仕組み です。日本のFX会社では基本的に追証制度があるため、資金管理にはより慎重な対応が必要です。 - 流動性リスクによるロスカットの遅延対策
相場が急変した際、通常よりもロスカットが遅れてしまうことがあります。特に、大きな経済指標の発表時や地政学的リスクの高まりによる暴落時には、想定よりも不利な価格でロスカットされる可能性があります。そのため、最近ではスリッページ(滑り)が発生しにくいようにロスカットの執行スピードを改善する取り組み を進めるFX会社も増えています。
ロスカットルールの確認方法



また、新たな金融規制が導入される可能性もあるため、金融庁の発表などもチェックすると良いでしょう。
ロスカットの仕組みを正しく理解し、最新のルールを把握しておくことで、より安全なFX取引を行うことができます。
ロスカットとリスク管理
リスク管理の重要性
FX取引では、ロスカットに頼らずに損失をコントロールする「リスク管理」が非常に重要です。リスク管理を怠ると、思わぬ相場の急変で大きな損失を被る可能性があります。
- 「まだ大丈夫」と思って損切りを遅らせる
- 「どうにかなる」と資金ギリギリまで取引する
- 「一発逆転」を狙って無計画にレバレッジを上げる
といった行動を取ってしまいがちです。その結果、ロスカットの危機に直面し、最悪の場合は証拠金を失うことになります。
では、どのようにリスク管理を徹底すればよいのでしょうか?
リスク管理のポイント
- 損切りルールを明確に決める
「○pips逆行したら損切りする」といったルールを決め、感情に左右されずに実行することが重要です。 - レバレッジを低く抑える
ハイレバレッジは利益も大きくなりますが、その分リスクも増します。初心者のうちは3〜5倍程度のレバレッジで取引するのが安全です。 - ポジションサイズを管理する
口座資金に対して過大なポジションを持たないように注意しましょう。1回の取引で証拠金の2〜3%以上の損失を出さない範囲に抑えることが推奨されます。 - 資金に余裕を持たせる
ギリギリの証拠金で取引すると、少しの値動きでロスカットされやすくなります。十分な証拠金を口座に入れておくことで、リスクを減らせます。 - 経済指標やイベントを把握する
重要な経済指標発表時は相場が大きく変動しやすいため、取引を控えるか、リスクを考慮したポジション調整を行いましょう。
FXは「どれだけ利益を出すか」よりも、「どれだけ損失を抑えるか」が重要です。しっかりとリスク管理を行い、ロスカットのリスクを最小限に抑えましょう。
ロスカットを活用した取引戦略
ロスカットは、多くのトレーダーにとって「避けたいもの」と考えられがちですが、実は正しく活用すれば、リスクをコントロールしながら取引を続けるための強力なツール となります。





ここでは、ロスカットを前提とした取引戦略を紹介します。
1. 証拠金維持率を基にした取引計画
ロスカット水準を事前に把握し、それを超えない範囲でポジションを持つことが重要です。
2. 「ロスカットを活かす」分割エントリー戦略
1回で大きなポジションを持つのではなく、複数回に分けてエントリーする ことで、ロスカットのリスクを分散できます。
3. 証拠金を守る「ストップロス(逆指値)」の活用
ロスカットに頼るのではなく、事前にストップロス(逆指値注文)を設定する ことで、ロスカットよりも有利な価格で決済できます。
4. 低レバレッジ・小ロット取引でロスカットのリスクを軽減
ロスカットのリスクを最小限に抑えるには、低レバレッジでの取引と、小ロットでのエントリー が基本です。
5. 相場急変時の「ロスカット待ち」戦略
相場が急変して大きく下落(または上昇)した場合、一時的なパニック売り・買いが発生し、その後すぐに戻るケースがあります。「ロスカットが多発しそうな水準」を見極め、その直後に逆張りエントリーする ことで、大きな利益を狙う戦略もあります。
ただし、この戦略は高い相場分析スキルが必要なため、初心者には推奨されません。
まとめ
しかし、ロスカットが発動すると、強制的にポジションが決済され、思わぬ損失を被ることもあります。そのため、ロスカットに頼らず、自分でリスクをコントロールすることが大切です。
本記事では、ロスカットの基本的な仕組みや計算方法、さらにはロスカットを回避するための資金管理やレバレッジ設定のコツについて詳しく解説しました。
- 証拠金維持率を常にチェックし、余裕を持った取引をする
- 無理なレバレッジを避け、低レバレッジ・小ロットで運用する
- 損切り(ストップロス)を事前に設定し、ロスカットを回避する
- 相場の急変に備え、重要な経済指標やイベントを把握する
- 自分のリスク許容度を理解し、資金管理を徹底する
ロスカットを「避けるべきもの」と考えるのではなく、「資金を守るための仕組み」として捉え、戦略的に活用していきましょう。FXで長く生き残るためには、リスク管理こそが最大の武器 です。しっかりとした知識と戦略を持ち、安定した取引を心がけてください!