
移動平均線は、FXのテクニカル指標の中でも最も使われているポピュラーな指標です。過去一定期間の終値の平均値を線で結んだもので、大きなトレンドを把握する上で非常に重要な役割を果たします。
この記事では、移動平均線の基本から具体的なパラメーター設定、実践的な活用方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
移動平均線とは?基本概念を理解する
移動平均線とは、過去一定期間の終値の平均値を線で結んだテクニカル分析のことを指します。例えば、「10日間移動平均」は今日を含む直近10日間のトレードを平均した値のことです。
アドバイス一般的にこの移動平均線は、短期、中期、長期に分類され、それぞれ違った特徴を持ちます。
短期移動平均線(5日・10日・20日)
- 5日移動平均線:非常に短い期間で、短期的な価格の動きを敏感に捉えることができます。日常の小さな変動や一時的な反発・調整を捉えるのに適しています
- 10日移動平均線:5日よりも少し長い期間のため、短期のトレンドを確認するのに適しています
- 20日移動平均線:月に大体20営業日があるため、1ヶ月の平均価格を表します。中短期のトレンド分析に使われることが多いです
短期の移動平均線は市場の微細な動きに速やかに反応しますが、その敏感さから日常の価格変動のノイズを捉えることが多いです。新しいトレンドの開始を早期に察知するのに役立ちますが、偽のシグナルを生むリスクも高まります。
中期移動平均線(50日・75日)
- 50日移動平均線:約2ヶ月強の取引日をカバーしており、短期から中期のトレンドを捉えるのに適しています。多くのトレーダーが参考にするため、重要なサポートやレジスタンスとして機能することがあります
- 75日移動平均線:約3ヶ月分の取引日をカバーしており、中期から長期のトレンドを捉えるのに適しています
中期の移動平均線は、一過性の価格変動には鈍く、大きなトレンドに対しては敏感です。数週間から数ヶ月の市場の中期的なトレンドを捉えるのに適しています。
長期移動平均線(100日・200日)
- 100日移動平均線:中期から長期のトレンドを把握するのに役立ちます。50日よりもさらに滑らかなカーブを持ちます
- 200日移動平均線:非常に人気のある長期的な移動平均線で、主要なトレンドを示す指標として広く利用されています。強力なサポートやレジスタンスとしても機能します
長期の移動平均線は、短期や中期の移動平均線と比べて反応が鈍く、より滑らかなカーブを描く特性があります。日々の価格変動やノイズの影響を受けにくいのが特徴です。
移動平均線はトレンドを表す
移動平均線は、値動きのトレンドを表す傾向があります。
- 上昇トレンド:移動平均線がローソク足の下に位置し、サポートラインのような動きをする
- 下降トレンド:移動平均線がローソク足の上に位置し、レジスタンスラインのような動きをする
- レンジ:移動平均線が横ばいで推移する


移動平均線の種類(SMA・EMA・WMA)
移動平均線には複数の種類があり、それぞれ計算方法や特性が異なります。ここでは代表的な3種類について解説します。
シンプル移動平均(SMA)
- 特定の期間内の価格の平均を線で表示
- 期間中の終値を合計し、日数で割って算出
- 複雑な計算や知識は不要
- 価格の上昇・下降トレンドを視覚的に把握できる
SMAは、価格の上昇トレンドや下降トレンドを視覚的に捉えやすくするための道具として、多くのトレーダーに用いられます。

指数移動平均(EMA)
EMA(Exponential Moving Average)は、FX取引での価格の動きをリアルタイムで感じ取るためのツールです。SMAが一定期間の価格の単純な平均をとるのに対し、EMAは最近の価格変動に重みを置いて計算します。これにより、市場の最新の動きをよりリアルタイムに反映することができます。

加重移動平均(WMA)
WMA(Weighted Moving Average)は、過去の価格データに異なる重みを付けて平均値を算出する移動平均線の一種です。特に、直近のデータに高い重みを与えることで、最新の価格変動に即座に反応する特徴があります。

移動平均線の活用方法とトレード手法
移動平均線はFXのチャート分析で非常に重要な役割を果たしています。移動平均線を上手く活用することで、エントリーのタイミングやエグジットのタイミングをより明確にすることが可能となります。
移動平均線の設定方法(MT4/MT5)
- 画面上部のメニューから「挿入」→「インディケータ」→「トレンド」→「Moving Average」を選択
- 期間:使用したい日数を入力(例:20、50、200など)
- 移動平均の種別:Simple、Exponential、Smoothed、Linear Weightedから選択
- 適用価格:通常はClose(終値)を選択
- 色やラインスタイルを設定して「OK」をクリック
初心者におすすめのパラメーター設定
トレードスタイル別におすすめのパラメーター設定を紹介します。
- スキャルピング:5日線と20日線の組み合わせ
- デイトレード:20日線と50日線の組み合わせ
- スイングトレード:50日線と200日線の組み合わせ
パラメーター設定は相場環境やトレードスタイルによって最適なものが異なります。まずは標準的な設定から始めて、徐々に自分に合った設定を見つけていきましょう。
グランビルの法則
グランビルの法則は、「価格が移動平均線を上抜けたら買い、下抜けたら売り」という考え方を基にしたものです。

- 価格が移動平均線を上抜けしたとき:上昇トレンドの始まりのサインとして「買い」のチャンス
- 価格が移動平均線を下抜けしたとき:下降トレンドの始まりのサインとして「売り」のチャンス
ゴールデンクロスとデッドクロス
短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に追い越す瞬間を指します。市場の気分が上向きに変わり、上昇トレンドの始まりを示唆する強い兆候となります。多くのトレーダーはこれを「買い」のサインと解釈します。
短期の移動平均線が長期のものを下に交差して落ちていく現象を示します。市場の勢いが失われ、下降トレンドがスタートする可能性が高いという警告信号です。多くのトレーダーはこれを「売り」のチャンスと解釈します。
移動平均線のトレンド判定
移動平均線はただの平均線ではありません。傾き・角度・長短の位置関係を読めば、相場の地合いはほぼ一発で判断できます。
トレンド判定で見るべき3つのポイント
- MAの向き(上向き/下向き)
- MAの角度(急/緩)
- 長期線と短期線の位置関係(上or下)
MAの向きで判定する基本
- MAが上向き:上昇トレンド(買い優勢)。安値切り上げ、押し目が成立しやすい
- MAが下向き:下降トレンド(売り優勢)。高値切り下げ、戻り売りが通りやすい
「向きが切り替わる瞬間」が最も重要です。横ばいから上向き/下向きに変わった直後が、最も強いトレンド発生点になります。
MAの角度で強弱を読む
MAの角度はトレンドの強さを表します。
- 角度が急なMA:大口が一方向に資金を入れている状態。押し目買い・戻り売りの成功率が高い
- 角度が緩い/横ばい:トレンドなし(レンジ)。MAシグナルは機能しづらい
長期線と短期線の位置関係で地合いを判断
- 短期線が長期線の上:買い地合い(上昇基調)
- 短期線が長期線の下:売り地合い(下降基調)
- 長期線が上向きで短期線が上:最強の上昇相場
- 長期線が下向きで短期線が下:最強の下降相場
移動平均線と他のインジケーターの組み合わせ
移動平均線は単体でも強力ですが、「騙し」を減らし、環境認識を精密にするには他インジケーターとの併用が効果的です。MAで方向・地合いを把握し、他のインジケーターで勢い・タイミング・異常値を確認します。
移動平均線 × RSI
MAはトレンド方向、RSIは過熱度を示します。組み合わせる目的は、「逆張りの無駄打ち」を消すことです。
- MAが上向きのとき:RSIが30以下でも、無理な逆張りショートはしない
- MAが横ばいのとき:RSIの30/70シグナルが最も機能しやすいレンジ環境
- MAが下向きのとき:RSI70以上でも安易な買いは危険

移動平均線 × MACD
MACDは勢いの変化、MAは方向の把握に強いです。「方向が合っていて、勢いも変わった瞬間」だけに絞り込めるのがこの組み合わせです。
- MAが上向きのとき:MACDがゼロラインを上抜け → 強い上昇トレンド継続シグナル
- MAが下向きのとき:MACDがゼロラインを下抜け → 下降トレンドの継続サイン

移動平均線 × ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドはボラティリティの限界、MAは方向を示します。組み合わせると、「どちら向きに、どれくらい伸びそうか」が見えやすくなります。
- MA上向き × ミドルバンドより上で推移:上昇トレンド+ボラティリティが上方向に開いている状態
- MA下向き × ミドルバンドより下で推移:下方向への伸びが期待できるトレンド局面

移動平均線 × ATR
ATRは「1日にどれくらい動くのが普通か」を示す揺れ幅の指標です。MAは方向、ATRはリスク管理の物差しになります。
- MAが上向きのトレンド:ATR × 1.5〜2倍を損切り幅に設定(ボラに見合うSL)
- MAが下向きのトレンド:ATR × 1.5〜2倍を目安に利確トレーリングを行う

移動平均線 × ピンバー
MAは地合い、ピンバーは反転の意思表示です。この2つを重ねると、エントリーの「場所」と「タイミング」が噛み合いやすいです。
- 上昇MA付近で下ヒゲピンバー:押し目買いの最強パターンの一つ
- 下降MA付近で上ヒゲピンバー:戻り売りの王道パターン

移動平均線を自動売買(EA)で活用する方法
移動平均線は計算がシンプルでルールが明確なため、自動売買(EA)に組み込みやすいテクニカル指標の代表格です。ゴールデンクロスやデッドクロスなどのシグナルを機械的に判断し、感情に左右されないトレードを実行できます。
なぜ移動平均線はEA向きなのか
- シンプルな売買ルール:ゴールデンクロス=買い、デッドクロス=売りという明確な基準
- トレンドフォローの自動化:MAの傾きや位置関係でトレンド方向を自動判定
- 他の指標との組み合わせも容易:RSIやMACDとの併用条件もEAに実装可能
- パラメーター最適化がしやすい:期間設定を変えてバックテストで検証可能
アドバイス移動平均線を使ったEAなら、ゴールデンクロスやデッドクロスを24時間自動で監視してくれます。相場を見ていなくてもトレンドに乗れるのが大きなメリットですよ。
シストレ.COMでは、移動平均線を活用したトレンドフォロー系EAを多数取り揃えています。ゴールデンクロス・デッドクロス戦略からパーフェクトオーダー戦略まで、様々なEAを無料で利用できます。自分でEAを作成しなくても、プロが開発した戦略をすぐに運用開始できるので、初心者の方にもおすすめです。
移動平均線のよくある質問(FAQ)
Q. 移動平均線は何日線を使うのが一番おすすめですか?
A. トレードスタイルによって異なります。デイトレードなら20日線と50日線、スイングトレードなら50日線と200日線の組み合わせが一般的です。初心者の方は、まず20日線と50日線から始めることをおすすめします。
Q. SMAとEMAはどちらを使うべきですか?
A. SMAは長期トレンドの把握に適しており、EMAは直近の価格変動に敏感に反応します。初心者の方はまずSMAから始め、慣れてきたらEMAも併用すると良いでしょう。両方を表示して比較するのも有効な方法です。
Q. ゴールデンクロスが出たら必ず買うべきですか?
A. ゴールデンクロスは買いサインの一つですが、単独で判断するのは危険です。他のテクニカル指標や相場環境、サポート・レジスタンスラインなども総合的に判断することが重要です。ダマシのサインもあるため、必ず他の根拠と組み合わせて判断しましょう。
Q. 移動平均線だけでトレードして勝てますか?
A. 移動平均線だけでも基本的なトレンド判断は可能ですが、単独での使用は推奨しません。ボリンジャーバンドやRSI、MACDなど他のインジケーターと組み合わせることで、より精度の高いトレードが可能になります。
Q. レンジ相場でも移動平均線は有効ですか?
A. 移動平均線はトレンド相場で最も効果を発揮します。レンジ相場では価格が移動平均線を頻繁に上下するため、ダマシのサインが多くなります。レンジ相場では、オシレーター系のインジケーター(RSI、ストキャスティクスなど)との併用が効果的です。
Q. パーフェクトオーダーとは何ですか?
A. パーフェクトオーダーは、短期・中期・長期の移動平均線が全て同じ方向に並んでいる状態のことです。上昇トレンドでは短期線が一番上、下降トレンドでは短期線が一番下に位置します。強いトレンドが発生しているサインとして、多くのトレーダーが注目する重要なパターンです。
Q. 移動平均線を自動売買(EA)で使うメリットは?
A. 移動平均線は計算がシンプルでルールが明確なため、EAとの相性が非常に良いです。ゴールデンクロスやデッドクロスを24時間自動で監視し、感情に左右されないトレードを実行できます。シストレ.COMでは、移動平均線を活用したEAを無料で利用できます。
まとめ
移動平均線は、FXのテクニカル分析の中でも最も基本的かつ重要な指標です。短期・中期・長期の移動平均線を使い分けることで、相場のトレンドを的確に把握できます。ただし、移動平均線単独での使用は避け、RSI、MACD、ボリンジャーバンドなど他のインジケーターと組み合わせることで、より精度の高いトレードが可能になります。また、移動平均線は計算がシンプルでルールが明確なため、自動売買(EA)との相性も抜群です。裁量トレードでの活用に加えて、EAによる自動化も検討してみてください。





