
「朝9時台の為替相場、なんで急に動くの?」そんな疑問、感じたことありませんか?
FXトレーダーの中では、知る人ぞ知る狙い目の時間帯。とはいえ、仕組みが複雑で、初心者にはちょっと難しそう…。
今回は“仲値FX”の基本から戦略までわかりやすく解説していきます!
仲値FXとは?仕組みと市場での役割を解説
仲値FXとは、「仲値(なかね)」と呼ばれる特定の為替レートの決定タイミングを狙ったトレード手法です。

仲値は、銀行が毎営業日の午前9時55分に発表する為替の基準レートで、TTS(電信売相場)やTTB(電信買相場)の算出基準にもなります。
なぜこのレートが重要なのか?理由は、輸入企業がその日の外貨決済をこの仲値で行うため、特にドル円相場において、仲値前に「ドル買い/円売り」が集中する傾向があるからなんです。
たとえば、「仲値に向けてドルが買われる」という市場参加者の心理が働くことで、9時30分〜9時55分あたりにドル円が上昇しやすくなるという特徴があります。
また、「TTM(Telegraphic Transfer Middle rate)」という専門用語は、TTSとTTBの中間に位置する基準レートを意味し、これが仲値の正式名称でもあります。
大手銀行や商社などの実需筋が絡むため、投機的な値動きとは異なる“信頼性”がある時間帯ともいえるでしょう。
つまり、仲値FXは、ある程度予測しやすい市場の習性を活かしたトレード手法。もちろん、完全に読めるわけではありませんが、「相場に流れが出やすい」時間帯であることは間違いありません。
仲値の時間帯と値動きの特徴とは
仲値前後の時間帯、特に朝9時30分〜10時にかけて、ドル円相場は独特な動きを見せることがあります。なぜこの時間に注目が集まるのかというと、「輸入企業によるドル買い需要」が集中するタイミングだからです。
たとえば、ある輸入企業が米ドル建ての決済を行う場合、日本円をドルに替える必要があります。
その際のレートが「仲値」になります。企業は可能な限り安定した価格で外貨を調達したいため、仲値が発表される前の時間帯に銀行へ外貨注文を出します。

これが市場に「ドル買い圧力」として働くんですね。
中でも注目したいのが「ゴトー日」。これは、5日・10日・15日…など、5の倍数の日に決済が集中しやすい日を指します。この日に仲値前のドル買いがより強まる傾向があり、短期トレーダーたちの間では「ゴトー日はチャンス」とも言われています。
ただし、「毎日同じように動く」とは限らないのが相場の世界。経済指標の発表や地政学的リスクによって、その日の仲値前の動きが不安定になることもあります。
仲値トレード手法と具体的な稼ぎ方
仲値トレードとは、朝9時〜9時55分までの「ドル買い優勢になりやすい時間帯」を狙って短期的にポジションを取るトレード手法です。多くのトレーダーがこの時間に注目する理由は、「輸入企業による実需の買い」がある程度予測できるからです。
まず基本戦略ですが、9時過ぎから相場の流れを確認し、上昇トレンドが出ているようであれば「買いエントリー」。

そして、9時55分の仲値決定直後には利益を確定してポジションを手仕舞う、というのが典型的なパターンです。いわゆる“朝だけトレード”ですね。
前日や当日のニュースチェック、経済指標カレンダーの確認、さらには東京市場のスタート直後の板の厚みなどを見て「今日は動くか?動かないか?」を見極めることがポイントです。
また、特に初心者に伝えたいのがリスク管理の重要性。仲値時間帯は確かに一方向に動きやすいとはいえ、突発的なファンダメンタル要因(要人発言や地政学的リスクなど)で一瞬にして逆行することもあります。
ストップロス(損切りライン)を必ず設定し、エントリー前に「負けたらここまで」とルールを決めておくことが、安定トレードへの第一歩です。
仲値の決定方法と変動要因
仲値は、「毎営業日の午前9時55分」に主要銀行が市場の為替レートを参考にして決定する為替レートの“基準値”です。
まず、仲値の決定に使用されるのは、東京市場におけるインターバンク取引(銀行間取引)の実勢レートです。インターバンク市場では、国内外の銀行や証券会社が、互いにリアルタイムで通貨の売買を行っています。こうした実際の取引データをもとに、各銀行が「この日の基準はこれくらい」と判断してTTMを定めるのです。

また、仲値の算出にあたっては、単純な平均値ではなく、銀行側が設定した「買値(TTB)」と「売値(TTS)」の中間値として表現されるため、スプレッド(買値と売値の差)がどれだけあるかによっても、見かけ上の仲値は変化します。
「じゃあ、仲値ってずっと一定?」というと、そうではありません。仲値は基本的には1日1回だけ設定され、その後は原則的に変更されないのが通例です。しかし、以下のようなケースでは再設定される可能性があります。
- 為替相場が1円以上大きく動いた場合
- 金融危機や地政学的リスクなど、突発的な要因が市場に影響を与えた場合
- 中央銀行(例:日銀やFRB)の政策発表があった場合
特に注目すべきは、米国の経済指標発表(例:雇用統計、CPI)やFOMCの発言など。こうしたイベント後は、為替市場全体が激しく動き、次の日の仲値が大きく変化することもしばしばです。
仲値の背景にある決定ロジックを理解することで、「なぜ今日はレートが高いのか」「なぜ昨日と比べて変わったのか」といった疑問をクリアにすることができ、外貨取引の判断材料として非常に役立ちます。
仲値時間帯は確かに一方向に動きやすいとはいえ、突発的なファンダメンタル要因(要人発言や地政学的リスクなど)で一瞬にして逆行することもあります。
ストップロス(損切りライン)を必ず設定し、エントリー前に「負けたらここまで」とルールを決めておくことが、安定トレードへの第一歩です。
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まとめ:仲値FXで安定収益を目指すために
仲値FXで目指したいのは、ズバリ「日々の安定した収益」。しかしこれは、単に朝9時台にエントリーするだけでは実現しません。
仲値前でも急な地政学リスクや要人発言で流れが一変することがあります。これを防ぐには、「ニュースチェックの習慣化」「ストップロスの設定」「最大損失額の事前決定」が欠かせません。
さらに、「仲値に頼りすぎない姿勢」も重要です。たとえば、仲値時間帯の方向感が読みにくい日はエントリーを見送る、もしくはデモトレードで検証するという冷静さを持つことが、長期的な安定収益への近道になります。