
「なんでこのインジケーター、急に反応しなくなったの?」
「トレンドは終わった?それとも一時的な押し目なのか……?」
トレーダーであれば、こうした“相場の空白”に対する不安を一度は感じたことがあるはずです。
この分析手法を使えば、相場の「支配的なサイクル」が数値化され、今のトレンドがどの段階にあるのかを把握しやすくなります。
この記事では、そんなHTDCPeriodの基礎からトレード活用法、導入の実装までを徹底解説。
Hilbert Transformとは?サイクル期間との関係性
Hilbert Transform(ヒルベルト変換)とは、信号から「瞬時位相(インスタント・フェーズ)」を導き出す数学的手法で、相場の支配的なサイクル(Dominant Cycle)を検出する基盤技術です。

もともとこの手法は、音声処理や通信工学の分野で広く使われていましたが、米国のテクニカル分析の権威ジョン・エイラーズ(John Ehlers)氏によって、金融マーケットへの応用が進みました。

HTDCPeriodは、これを数値化してリアルタイムで表示してくれる優れた指標なのです。
たとえば、HTDCPeriodが12と表示されていれば、「この相場はおおよそ12本周期で動いている=6本後に転換が来そう」と読むことができます。これは、MACDのクロスやRSIの70/30のような固定条件ではなく、相場のリズムに合わせてダイナミックに判断できるという点で、非常にユニークです。
HTDCPeriodインジケーターの計算と仕組み
HTDCPeriod(Hilbert Transform Dominant Cycle Period)は、「相場の支配的な周期」をリアルタイムで検出するインジケーターで、その中核にはinPhase・quadratureという2つの要素が使われています。
まず、HTDCPeriodは「アナリティックシグナル(解析信号)」という概念をベースに成り立っています。
これは、実数成分(inPhase)と直交成分(quadrature)から成る複素信号で、主に以下のステップで計算されます。
① inPhaseとquadratureの生成
価格データから、Hilbertフィルターを通じて「位相シフト」させたデータ(quadrature)と、「そのままのデータ」(inPhase)を作成。これはまるで音波の波形から原音と“ズラした音”を取り出すようなイメージです。
② 位相角(Phase Angle)の算出
次に、inPhaseとquadratureを使って瞬時位相(phase angle)を計算。これはarctangent(quadrature / inPhase)
で求められ、現在のサイクル上の“位置”を意味します。
③ 周期の決定
その瞬時位相の変化速度を追うことで、「1周するまでに何本のローソク足が必要か(=周期)」を割り出します。これがまさにHTDCPeriodであり、相場の波が今どれくらいのテンポで動いているかを示しているわけです。
一般的な移動平均系のインジケーターが“方向”を示すのに対し、HTDCPeriodは“テンポ”を教えてくれる、まったく違う切り口の道具と言えます。
さらに、John Ehlers氏はこのHTDCPeriodの値を元に、HTLeadSinやHTSineなどの派生インジケーターを作成しており、それらを組み合わせることで、未来の転換点を事前に予測することも可能になっています。
HTDCPeriodを活用したトレード戦略
周期ベースのアプローチは、従来のトレンド系やオシレーター系とは異なり、マーケットの内部構造そのものに注目します。

「価格がどこへ向かっているか」ではなく、「いつ次の動きが起きそうか」に焦点を当てるのです。
トレンド判定と逆張りのタイミング取得方法

たとえば、HTDCPeriodの値が短くなっていく=サイクルが速まっているときは、ボラティリティの上昇や短期トレンドの発生を示唆します。
この「周期の収縮と拡張」を見ながら、以下のような戦略が考えられます。
- 周期が急激に短くなった場合
- トレンドのスタートを示唆→順張りでエントリー
- 周期が安定し長期化している場合
- サイクル終盤の転換を示唆→逆張りでの準備
周期の半分が“中間地点”ですので、HTDCPeriodが18なら、「9本後に波が反転するかも」と読むことも可能。これにより、「押し目買い」「戻り売り」のタイミングが自然に見えてきます。
HTLeadSin・HTSineとの組み合わせ戦略
HTDCPeriod単体でも強力ですが、HTLeadSin(リードサイン波)やHTSine(サイン波)と組み合わせることで、さらに高精度なトリガーを得られます。
- HTSineが反転し始め、HTLeadSinがそれに先行する形で反転 → 転換点のサイン
- HTLeadSinが連続して同じ方向に向いている → トレンド継続のシグナル
このようなサイン波的な分析は、「波の終わりを先取りしてエントリーしたい」というトレーダーにとって、絶好の武器になります。
また、MACDやRSIといった他のインジケーターと併用することで、「方向(トレンド)」と「タイミング(周期)」の両面から市場を分析できるようになるため、根拠あるトレードが組み立てやすくなります。
HTDCPeriodインジケーター ダウンロード
以下のボタンから、「HTDCPeriod_systre.ex4」をダウンロードできます。
使い方
- ダウンロードした
HTDCPeriod_systre.ex4
を
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(例:ファイル → データフォルダを開く → MQL4 → Indicators
) - MT4を再起動、またはナビゲーターで「更新」をクリック
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