
「移動平均線って、結局どれが一番いいの?」——そんな疑問を抱えたこと、ありませんか?
トレードを始めたばかりの頃は、SMA(単純移動平均線)やEMA(指数移動平均線)をとりあえず表示してみたけれど、「なんか動きが鈍い」「思ったタイミングでサインが出ない」と感じた方も多いはずです。そんな中で注目されているのが、HMA(ハル移動平均線)。価格への追従性が高く、なおかつ滑らかなラインで相場の流れを捉える新世代のテクニカル指標です。
とはいえ、「計算式が難しそう…」「どのプラットフォームで使えるの?」「設定ミスで逆に損したらどうしよう…」など、不安もつきまとうのが本音。
そこで今回は、HMAの基本から導入方法、活用戦略まで徹底解説します!
HMA(ハル移動平均線)とは?特徴と基本情報
HMA(ハル移動平均線)は、価格の変化に俊敏に反応しながらも、チャート上では非常に滑らかに描かれる移動平均線です。
これは、オーストラリアのトレーダー「アラン・ハル」氏によって考案されました。従来のSMA(単純移動平均線)やEMA(指数移動平均線)の“遅れ”や“ノイズ”に悩まされていたトレーダーにとって、まさに革新的な技術といえます。
HMAはどんなインジケーターか?
まず押さえておきたいのは、HMAの構造です。HMAは加重移動平均(WMA)を基盤とした指標であり、直近の価格データにより大きな重みを与える仕組みになっています。
そのため、価格の変動を敏感に反映しつつ、過剰な揺れを抑えるという絶妙なバランスが取れているのです。

特に短期売買、デイトレード、スキャルピングといったスタイルでは、「エントリーポイントが一瞬で過ぎてしまう」ことが多く、タイミングの精度が問われます。HMAはその敏捷性によって、これまで取り逃していた機会を捉える力を持っているのです。
SMAやEMAとの違いと優位性
HMAの最大の違いは、「ラグ(遅延)を極限まで減らしている」という点に尽きます。
SMAはデータを単純に平均するだけなので反応が遅く、EMAは過去データにも重みを与えるため、やや過剰な反応が出ることも。

一方でHMAは、WMAによってスピード感と滑らかさを両立しており、視覚的にも見やすく、トレード判断に直感的に活かせる設計です。
HMAインジケーターの導入方法と設定手順
HMAの期間やパラメータ設定のコツ
インジケーターの効果を最大化するには、期間設定の最適化がカギです。
一般的な設定例と調整の考え方
- デイトレード:HMA期間「14」〜「21」
- スキャルピング:HMA期間「9」〜「13」
- スイングトレード:HMA期間「34」〜「55」
このように、トレードスタイルに応じて期間を調整することで、トレンドの見え方がガラッと変わります。
トレードスタイル別(短期/中期)おすすめ設定
一方で、中長期で安定性を重視する場合は「中期間+EMAとの併用」でトレンドの持続性を検証するのが有効です。
HMAを活用したトレード手法と戦略
価格に素早く反応する特性を活かせば、トレンドの転換点をより正確に捉えたり、エントリータイミングを明確にしたりすることが可能です。
HMAを使ったトレンドフォローの実践例
トレンドフォロー戦略とは、「相場の流れに乗る」ことを基本とした手法。HMAはその滑らかで素早い反応性により、トレンド発生初期のシグナルをキャッチするのに最適です。
トレンドの発生と転換点の見極め方
HMAのカーブが明確に上向いたときが上昇トレンドの兆し、反対に下向いたときは下降のサイン。

他の指標(MACDやRSI)との併用で精度アップ
HMA単体では「方向性」は見えるものの、「強さ」や「勢い」までは完全にはわかりません。そこで登場するのが、MACD(移動平均収束拡散法)やRSI(相対力指数)**といったオシレーター系の指標。
たとえば、
- HMAが上向き
- MACDがゴールデンクロス
- RSIが50を上抜け

この3点が同時に揃えば、高確度のエントリーシグナルと判断することができます。
スキャルピング・デイトレにおけるHMAの活用法
短期トレードにおいては、「瞬時の判断」が必要不可欠。ここでもHMAは非常に頼りになります。
高速なエントリーポイントの見つけ方
特に期間9〜13の短期HMAは、ローソク足の動きと連動してリアルタイムに変化するため、「今、動いた!」が視覚的に把握しやすいです。値動きが活発なときにラインの方向と色が変わるのは、エントリーサインとして非常に有効です。
HMAのクロス戦略でエントリー判断を強化
複数のHMAを表示し、「短期HMAと中期HMAのクロス」をサインとすることで、ダマし(フェイクシグナル)を回避することも可能です。たとえば、HMA9とHMA21のクロスでトレンド開始を見極める、というような使い方もあります。
HMAのメリットとデメリットを比較
HMA(ハル移動平均線)は、その高い追従性と視認性で多くのトレーダーに支持されていますが、もちろん万能ではありません。
他の移動平均(SMA/EMA)との性能比較
HMAの最大の強みは、遅延が少なく、滑らかなラインを描くこと。これにより、エントリーポイントやトレンドの初動を他の平均線より早く捉えやすくなります。
比較表で見るHMAの優位性と欠点
指標 | ラグの少なさ | 滑らかさ | 設定の自由度 | 初心者向け |
---|---|---|---|---|
SMA | ×(大きい) | △(荒い) | ◎(簡単) | ◎ |
EMA | △(中程度) | △(やや滑らか) | ○ | ○ |
HMA | ◎(非常に少ない) | ◎(非常に滑らか) | △(少し複雑) | △(上級者向け) |
このように、HMAはチャートの可視性・追従性において非常に優れている一方で、初心者には少し難解に感じられることもあります。
実際のチャートでの視覚的な違い
SMAは丸みを帯びた遅めのライン、EMAは急激な変化に少し反応し、HMAはそれらの中間を滑らかかつ俊敏に追いかけるような動きをします。特に相場の転換点では、HMAが一足早く方向転換することが多く、これが差となって現れます。
HMAの弱点とその補完方法
HMAは非常に優秀な指標ではありますが、いくつか注意すべきポイントも存在します。
フェイクシグナルを避けるための工夫
HMAが価格の変動に敏感な分、ノイズによる“誤サイン”も拾ってしまう可能性があります。特にレンジ相場や方向感のないマーケットでは、HMAの急な向きの変化に振り回されがちです。

そのため、HMA単体ではなく、「トレンド系とオシレーター系の併用」「時間足の多重確認」といった手法が有効です。
他のインジケーターとの組み合わせが鍵
前セクションで紹介したように、MACDやRSIとの組み合わせ、あるいはボリンジャーバンドと重ねて“バンドウォーク”のサインを補強するなど、HMAの長所を引き立てつつ弱点を補う運用が理想的です。
HMAのよくある疑問とFAQ
HMA(ハル移動平均線)について学びを深めていくと、「もっとこういうことが知りたい!」という具体的な疑問が出てくるはずです。
- ハル移動平均線はどんな相場に向いている?
-
HMAは、トレンド相場で圧倒的に力を発揮します。特に中程度から大きめの値動きが連続する場面では、SMAやEMAより早く方向性を提示してくれるため、売買判断の精度が高まります。
一方、レンジ相場(方向感のない状態)ではノイズが増える傾向にあります。したがって、HMAを使う際は「相場環境の見極め」がカギ。ボリンジャーバンドやADXなどと併用して、トレンドの有無を事前に確認する使い方が効果的です。
- HMAだけでトレードしてもいい?
-
理論上、HMAだけでも「方向性」と「エントリーポイント」はある程度見極められますが、リスク管理やダマし防止の観点からは不十分です。
「今日はHMAが上向いてるし買いだ!」と判断しても、オシレーター系指標が「買われすぎ」のサインを出していることもあります。このように、HMAを他の指標とセットで使うことで“相場全体のバランス”が取れるのです。
HMAインジケーター ダウンロード
以下のボタンから、「HMA_systre.ex4」をダウンロードできます。
使い方
- ダウンロードした
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を
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(例:ファイル → データフォルダを開く → MQL4 → Indicators
) - MT4を再起動、またはナビゲーターで「更新」をクリック
- チャートにドラッグ&ドロップして使用開始!

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