基礎知識
ナンピンマーチンというのは「ナンピン」と「マーチンゲール」の2つの取引手法を組み合わせたものになります。
それぞれの手法の性質を理解した上で取引に挑みましょう。
- ナンピンマーチン手法の仕組みについて
- ナンピンマーチン手法のメリット
- ナンピンマーチン手法に向いている人
ナンピン
ナンピンとは、保有している売買ポジションに対し、思惑とは逆方向に相場が動いた場合に、さらにそのポジションを追加購入する手法のことです。
この手法の目的は、ポジションの平均取得単価を下げることにあります。平均取得単価を下げておけば、その後相場が予想通りの方向に戻った際に、より大きな利益を得られる可能性があります。
しかし一方で、相場がさらに予想に反して動き続けた場合、ポジションを積み増したことで損失が一気に拡大してしまうリスクもあります。そのため初心者の方がナンピンを試す場合は、十分な注意と理解が必要不可欠です。
- 行き過ぎたナンピンは、かえって大きな損失を招く可能性があります!
マーチンゲール
マーチンゲールは元々ギャンブルで用いられていた戦略で、次のような考え方に基づいています。
まず最初は少額のお金を賭けます。もし負けてしまった場合は、次に賭ける金額を前の2倍にします。そして勝てば、賭け金は最初の少額に戻します。つまり、「負けた場合は次は倍額を賭ける」という戦略です。
ナンピンマーチン
ナンピンマーチンは、この上記2つを組み合わせたものです。具体的には、ポジションが予想に反して動いた際に、損失が出る前にポジションを追加購入し、さらに新規の買い増し分も倍増させていきます。
この手法のメリットは、相場が思惑通りの方向に反転した際に、大きな利益を狙えることです。しかし反面、相場がさらに予想に反して動き続けた場合、積み増したポジションの損失が一気に拡大するリスクがあります。
つまり、ナンピンマーチン手法は「勝てばかなり大きな利益、負ければ資金を失う危険性の高い」リスクの高い手法であり、FX初心者には向いていません。十分なリスク管理と経験が必要不可欠だと言えるでしょう。
ナンピンマーチンに向いている人
結論から言うと、「中・上級者向け」と言えます。
しっかりとした資金管理と、トレンドの分析ができた上で取り組めばうまく立ち回ることができるでしょう。
ですが、予想したポジションに対して逆行し続けてしまうと理論的には無限の資金力がない限りはいつか破綻してしまいます。
まとめるとナンピンマーチンに向いている人(使いこなせる人)は、
- 損切に耐える資金管理ができる人
- トレンドの分析ができる人
- 資金に余裕がある人(余剰資金などで運用)
と、なります。
ナンピンマーチンEA解説
ここからは、実際にナンピンマーチンEAの運用方法を解説していきます。
EAの選び方
ナンピンマーチン型のEAを選ぶ際は、まずEAの設定でナンピン(追加ポジション取得)の回数やポジションサイズの上限値など、リスク管理に関するパラメーターを確認することが重要です。どのパラメーターが設定できるのかを確認し、選ぶことをおすすめします。
また、月利が高いものを選ぶことも重要です。
30%以上があれば1回の強制ロスカットの影響を受けにくくなります。月利の高いEAほど、強制ロスカットにあった際に高い回復力が望めます。
EAの提供者が推奨する資金量を確認することも確認しましょう。ナンピンマーチンのEAには基本的に自動ロスカット機能がありません。資金を入金しすぎると、強制ロスカット時の損失が大きくなる恐れがあります。
推奨資金と自分が運用できる資金を照らし合わせて、見合っているか確認しましょう。
EAの使い方
ナンピンマーチンEAを運用する際の、4つのポイントをご紹介します。
- 含み損が大きくなっても焦らず、EA推奨の資金量に従う
- 重要経済指標の前後、週末、月末月初、年末年始などは一時停止する
- 利益が出たらその一部を確保し、残りで再スタート
- 強制ロスカットのリスクはあるが、割り切るメンタルを持つ
特に最後の2つは非常に重要になります。
資金運用方法に関しては、開発者の推奨資金で運用を始め、利益が出たら一部を確保して、残りで再稼働するのが得策です。
ナンピンマーチンのEAでは基本的に、「資金が尽きるのが先か、利益が出るのが先か」になります。
余剰資金で運用するようにしましょう。
また、資金がナンピンに耐えられなくなり、強制ロスカットになってしまったら、ナンピンマーチンの仕組みを理解した上で、そう言うものだと割り切りましょう。
こまめに利益が出たら確保することを心がけて運用するのが一番のリスク管理となります。
まとめ
ナンピンマーチン手法は、市場が予想に反して大きく動いた場合や、長期的な上昇・下落トレンドが発生した際に、強制ロスカットのリスクが高くなります。さらには、ナンピン回数やポジションサイズの上限を過度に大きくし過ぎると、リスクがより一層高まり、運用資金を失う危険性が高まるため注意が必要です。
EA設定に関しては、開発者が推奨するパラメータ(初期ロット、ナンピン幅、ナンピン回数、決済ラインなど)を参考にするのが無難です。