
MT5 EAとは?MT4との違いと準備するもの

EAとex5ファイル
EAは、エキスパートアドバイザーの略で、決めたルールで自動的に売買するプログラムです。MetaTrader 5のヘルプでは、エキスパートアドバイザーはすべて取引プラットフォームの/MQL5/Expertsに保存されると説明されています。実行ファイルの拡張子はEX5です。ソースコードのmq5ファイルは、MetaEditorでF7を押してコンパイルすると、ex5ファイルになります(出典: MetaTrader 5 ヘルプ「エキスパートアドバイザーや指標の作成の方法」)。
MT4のEAとの違い
MT4のEAはex4ファイルで、MT5用の実行ファイルはex5です。MT4で使っていたEAをMT5で動かしたいときは、MT5用のex5版が配布されているかを確認します。ex4ファイルをExpertsフォルダに置いても、MT5では使えません。MT4側の手順はMT4の設定方法で説明しています。
準備するもの
用意するものは、MT5に対応した口座、パソコン、EAのex5ファイルの3つです。MT5の口座には、ネッティングとヘッジの2つの方式があります(MT5のヘルプのストラテジーテストの説明にも、リスク管理モデルとして書かれています)。EAによっては、どちらかの方式を前提にしているため、配布元の説明で確かめてください。複数のEAを同時に動かす場合は、EAの複数運用のやり方を参考にしてください。
アドバイスMT5で動かすEAは、ex5ファイルだよ。ex4はMT4用だから、MT5では別にex5版が必要なんだ。
MT5 EA設定の流れ|8ステップ

STEP1〜3|口座を用意してログインする
STEP1は、口座を用意することです。EAの動作を試すだけなら、デモ口座でも動かせます。口座を開く会社で、EAが使えるかどうかは、会社の案内で確かめてください。比較はFX会社の比較にまとめています。
STEP2は、MT5をパソコンに入れて起動することです。入れ方はMT5のダウンロードとインストールで説明しています。STEP3は、口座のログインIDとパスワード、サーバー名でログインすることです。これらは、口座を開いた会社から届く案内に書かれています。表示を日本語にしたいときは、MT5の言語設定を見てください。
STEP4〜5|EAのファイルをデータフォルダに置く

STEP4は、EAのex5ファイルを手に入れることです。mq5ファイルしかないときは、MetaEditorでコンパイルしてex5ファイルを作ります。STEP5は、ex5ファイルをデータフォルダの中のMQL5\Experts に置くことです。データフォルダは、メニューの「ファイル」から「データフォルダを開く」を選ぶか、Ctrl+Shift+Dで開きます。
STEP6〜8|チャートに付けてアルゴリズム取引を許可する
STEP6は、ナビゲータを更新することです。ナビゲータはCtrl+Nで開きます。「エキスパートアドバイザー」を右クリックして「更新」を選ぶと、置いたEAが一覧に出ます。
STEP7は、EAをチャートに付けることです。付ける前に、動かしたい通貨ペアと時間足のチャートを開いておきます。そのうえで、一覧のEA名をチャートへドラッグするか、ダブルクリックします。MT5のヘルプでは、1つのチャートに付けられるEAは1つと説明されています。


STEP8は、アルゴリズム取引を許可することです。ツールバーの「アルゴリズム取引」ボタンを押すと、すべてのEAの売買を許可する状態と、止める状態が切り替わります。ショートカットはCtrl+Eです。MT5のヘルプでは、同じ操作が「自動売買を許可する」「自動売買が有効」と書かれていますが、ビルド6230の日本語表示では「アルゴリズム取引」です。旧版では、「自動売買」と表示されていました。

メニューの「ツール」から「オプション」を開き、「エキスパートアドバイザー」タブでも、同じ許可を設定できます。このタブには、口座・プロファイル・チャートの銘柄または期間が変わったときに、アルゴリズム取引を無効にする項目も並んでいます。DLLの使用を許可する項目は、信頼できるアプリケーションのみで有効にする、と画面に注意書きがあります。
アドバイスファイルを置いたら、ナビゲータの更新を忘れないでね。最後に、ツールバーのアルゴリズム取引ボタンで許可するんだ。
EAのプロパティ画面で確かめる3か所
EAをチャートに付けると、プロパティの画面が開きます。MT5のヘルプでは、ここで「OK」を押すとEAが起動し、起動できると、EAの名前とアイコンがチャートの右上に出ると説明されています。1つのチャートで動かせるEAは1つで、同じチャートに2つ目のEAを付けると、1つ目は外れます。
売買を許可する設定は、3か所にあります。ツールバーのボタン、メニューの「ツール」にある「オプション」、そしてこのプロパティ画面の「共有」タブの「自動売買を許可する」です。ヘルプでは、ツールバーかオプションの側が無効だと、EAごとに許可しても、自動売買はできないと説明されています。EAが売買しないときは、この3か所を順に見ます。ヘルプの「自動売買を許可する」は、ビルド6230の日本語表示では、ツールバーとオプションで「アルゴリズム取引」と出ます。プロパティ画面の中の名前は、ビルド6230では確かめていません。

入力パラメータは、値をダブルクリックして新しい値を入れます。設定の組は「保存」で残し、「読み込み」で呼び出せます。保存先は、取引プラットフォームのPresetsフォルダです。「リセット」を押すと、初期の値に戻ります。動いているEAの設定をあとから開いて「OK」を押すと、EAは新しい値で初期化されます。EAがDLLを使うときは、「仕様」タブが出ます。「DLLの使用を許可する」を有効にしないと、起動の画面に「OK」ボタンが出ません。DLLは信頼できるEAだけに許可する、とヘルプにも書かれています。
EAの止め方と外し方
すべてのEAの売買を止めるときは、ツールバーのボタンを使います。1つのEAだけを止めたいときは、ナビゲータで、そのEAを右クリックします。メニューから、売買の有効と無効の切り替え、プロパティの表示、チャートから外す操作を選べます。ナビゲータには、口座で動いているEAの名前と、動いているチャートの名前が並びます。

MT5 EAが動いているかの確認方法

チャート右上の表示を見る
EAを付けたチャートの右上には、EAの名前とアイコンが出ます。MT5のヘルプでは、アイコンが「オフ」の状態だと、そのEAは売買できないと説明されています。アイコンの色や形は、ヘルプには書かれていません。表示の版や設定によって違うため、名前の表示が消えていないかと、ツールバーのボタンの状態をあわせて見るのが確実です。
エキスパートタブのログを見る

ツールボックス(Ctrl+T)の「エキスパート」タブには、EAが出すログが並びます。EAを付けた直後に、読み込みの成功や初期化のログが出ていれば、EAはチャートに付いています。エラーが出たときも、このタブに書かれます。もうひとつの「操作ログ」タブには、プラットフォーム側の操作が記録されます。このタブの名前は、版によって「操作履歴」と表示されることもあります。
ボタンとナビゲータで見る
ツールバーのアルゴリズム取引ボタンが許可の状態かを、まず見てください。ナビゲータには、その口座で動いているEAが一覧で出て、売買が許可されているかを示すアイコンも付きます(MT5のヘルプの説明)。動いているかどうかは、1つの表示だけで決めず、チャート右上、ボタン、ログの3つを合わせて判断します。
アドバイスチャート右上、ボタン、エキスパートタブの3つを見れば、EAが動いているか分かるよ。
MT5 EAが動かないときの原因と対処

自動で止まる条件
オプションの「エキスパートアドバイザー」タブには、次の3つの場面でアルゴリズム取引を無効にする項目があります。口座が変更されたとき、プロファイルが変更されたとき、チャートの銘柄または期間が変更されたときです。これらにチェックが入っていると、操作のあとにボタンが停止の状態に戻ることがあります。EAが止まったら、まずこの3つの項目を見直してください。
ex5とex4の取り違え
ナビゲータにEAが出ないときは、ファイルの拡張子とフォルダを確かめます。MT5で使えるのはex5ファイルで、置く場所はMQL5\Experts です。mq5ファイルのままでは実行できず、コンパイルが必要です。ex4ファイルはMT4用なので、ex5版を探してください。置いたあとは、ナビゲータの更新も必要です。
DLLとWebRequestの許可
EAがDLLファイルを使うときは、「DLLの使用を許可する」にチェックが必要です。ヘルプでは、外部のDLLは機能を広げられる一方で、潜在的に危険なので、信頼できるアプリケーションのみで許可すると説明されています。EAがネット上のサービスと通信するときは、「WebRequest を許可する URL リスト」に、通信先のURLを登録します。このリストは、初期状態では何も登録されていません。通信先は、EAの配布元の説明で確かめてください。
アドバイス動かないときは、ボタン、オプションの項目、ファイルの種類と置き場所の順に見ると、原因が分かりやすいよ。
MT5 EAを24時間動かす方法|PCを切ると止まる

PCを切るとEAは止まる
EAは、MT5が動いているパソコンの上で動きます。パソコンの電源を切ったり、スリープにしたりすると、MT5も止まり、EAも止まります。MT5を終了しても同じです。外出中も動かしたいときは、パソコンをつけたままにするか、サーバー上で動かします。
Windows 11のスリープの時間は、「設定」の「システム」にある「電源とバッテリー」で決まります。Microsoftの案内では、「画面、スリープ、休止状態のタイムアウト」の中の「次の後にデバイスをスリープ状態にする」で、使っていないときにスリープするまでの時間を選びます。パソコンでEAを動かすときは、この時間も確かめてください。
VPSで24時間動かす
MT5のヘルプでは、VPS(仮想ホスティング)を、仮想プラットフォームをレンタルして、自動売買ロボットを24時間年中無休で運用するものと説明しています。プラットフォームから直接レンタルでき、追加のセットアップは必要ないとされています(出典: MetaTrader 5 ヘルプ「プラットフォームの設定」)。料金や申し込み方法は、MT5の画面の案内で確かめてください。
アドバイスパソコンを切ると、EAも止まるよ。ずっと動かしたいときは、VPSを考えてみてね。
MT5 EAの週末持ち越し|値の差を実測

この記事の実測の条件
EAをつけたまま週末をまたぐと、月曜の最初の値が、金曜の最後の値から離れていることがあります。そこで、Dukascopy のティックから作った足(Bid)で、2016年1月から2025年12月までの10年間を測りました。ペアは、USDJPY・EURUSD・GBPUSDです。
1件は、金曜に始まる、40時間以上ティックが途切れた期間です。値の差は、途切れる前の最後のBidと、途切れたあとの最初のBidの差の絶対値で、単位はpipsです。1pipsは、USDJPYが0.01、EURUSDとGBPUSDが0.0001です。件数は、どのペアも520週でした。実際の運用の結果ではなく、ティックから作った足の集計です。
週末の値の差の大きさ

中央値は、USDJPYが8.2pips、EURUSDが5.1pips、GBPUSDが8.9pipsでした。上位10%の境目は、USDJPYが33.8pips、EURUSDが20.8pips、GBPUSDが30.6pipsです。最大は、USDJPYが209.2pips(2025年10月3日の金曜に始まる週末)、EURUSDが192.7pips、GBPUSDが234.4pips(2016年6月24日の金曜に始まる週末)でした。
5pipsを超えた週は、USDJPYが64.4%、EURUSDが50.4%、GBPUSDが72.7%です。20pipsを超えた週は、USDJPYが18.1%、EURUSDが10.8%、GBPUSDが22.5%でした。50pipsを超えた週は、2.9〜5.6%でした。週末のあいだは注文が約定せず、月曜の最初の値で再開するため、決めた損切りの値段と、実際に約定する値段が離れることがあります。この離れ方は、スリッページの記事で説明しています。この実測では、損益や勝ちやすさは測っていません。
アドバイス週末をまたぐと、20pipsを超えて値が飛ぶ週が1割から2割あったよ。持ち越すかどうかは、許せる損失の大きさで決めてね。
要点
・MT5のEAは、ex5ファイルをデータフォルダのMQL5\Experts に置き、ナビゲータを更新してチャートに付け、アルゴリズム取引を許可すると動く
・売買の許可は、ツールバー、オプション、EAごとの3か所にあり、どれかが無効だとEAは売買しない
・EAは、ナビゲータの右クリックで1つずつ止めたり、チャートから外したりできる
・動いているかは、チャート右上の表示、ツールバーのボタン、エキスパートタブのログの3つで確かめる
・動かないときは、自動で止まる3つの項目、ex5とex4の取り違え、DLLとWebRequestの許可を順に見る
・パソコンを切るとEAも止まる。24時間動かしたいときはVPSがある
・実測(3通貨ペア・10年・520週)では、週末の値の差の中央値は5.1〜8.9pips、20pipsを超えた週は10.8〜22.5%だった
・この実測は値の差を測ったもので、損益や勝ちやすさは測っていない
MT5 EA設定のよくある質問
MT5でEAを動かす手順を教えてください。
ex5ファイルを置き、ナビゲータを更新し、チャートに付けて、アルゴリズム取引を許可します。ファイルは、データフォルダの中のMQL5\Experts に置きます。ナビゲータの「エキスパートアドバイザー」を更新すると一覧に出るので、チャートへドラッグするかダブルクリックします。
アルゴリズム取引ボタンはどこにありますか?
MT5の上部のツールバーにあり、ショートカットはCtrl+Eです。押すたびに、すべてのEAの売買を許可する状態と、止める状態が切り替わります。ビルド6230の日本語表示では、停止中に赤い四角が出ます。ヘルプでは「自動売買」と書かれています。
EAがナビゲータに表示されないときはどうしますか?
ファイルの種類と置き場所、ナビゲータの更新を確かめます。拡張子がex5で、データフォルダのMQL5\Experts の中にあるかを見てください。mq5ファイルはコンパイルしてex5にする必要があります。置いたあとに、ナビゲータの「エキスパートアドバイザー」を右クリックして「更新」を選びます。
MT4のEA(ex4ファイル)はMT5で使えますか?
ex4ファイルはMT4用で、MT5ではex5版が必要です。MT5のヘルプでは、MT5の実行ファイルの拡張子はEX5と説明されています。MT5用に作り直されたex5版が配布されているかを、配布元で確かめてください。
EAが売買しないときは、許可をどこで確かめますか?
ツールバー、オプション、EAごとの設定の3か所を見ます。MT5のヘルプでは、ツールバーかオプションの側が無効だと、EAごとに許可しても自動売買はできないと説明されています。EAごとの設定は、プロパティ画面の「共有」タブにあります。
EAを止めたり、チャートから外したりするにはどうしますか?
すべて止めるならツールバーのボタン、1つだけならナビゲータの右クリックです。右クリックのメニューから、売買の有効と無効の切り替え、プロパティの表示、チャートから外す操作を選べます。
パソコンを切るとEAは止まりますか?
止まります。EAはMT5が動いているパソコンの上で動くので、電源を切るかスリープにするとMT5が止まります。24時間動かしたいときは、MT5のヘルプで説明されているVPS(仮想ホスティング)を使う方法があります。
EAを週末も動かしたままにして大丈夫ですか?
この記事の実測では、週末をまたぐと値が離れる週がありました。2016年1月〜2025年12月のUSDJPY・EURUSD・GBPUSDで、20pipsを超えた週は10.8〜22.5%、50pipsを超えた週は2.9〜5.6%でした。持ち越すかどうかは、損切りの幅と許せる損失で決めます。損益は測っていません。
MT5 EA設定のまとめ
MT5でEAを動かす流れは、口座を用意してログインし、ex5ファイルをMQL5\Experts に置き、ナビゲータを更新してチャートに付け、アルゴリズム取引を許可する、の8ステップです。売買の許可はツールバー、オプション、EAごとの3か所にあり、止めるときはツールバーかナビゲータの右クリックを使います。動いているかは、チャート右上、ボタン、エキスパートタブのログで確かめます。動かないときは、自動で止まる項目、ex5とex4の取り違え、DLLとWebRequestの許可を見直してください。パソコンを切るとEAも止まるため、24時間動かしたいときはVPSがあります。3通貨ペア・10年の実測では、週末の値の差は、20pipsを超えた週が10.8〜22.5%ありました。ここに載せた数字は、過去のデータを集計した結果で、損益は測っていません。バックテストの方法はMT5のバックテストで説明しています。
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