
「えっ、N波動って何?聞いたことはあるけど、実際どう使えばいいの?」——FXや株式チャートを眺めながら、そんな疑問を抱いたことはありませんか?
N波動は、トレンドの流れを読み解く“王道の型”ともいえるパターンですが、理解が曖昧なまま使ってしまうと、かえってトレードの失敗につながることも…。
この記事では、N波動の基礎から具体的な使い方、そして実践的な活用法までをわかりやすく解説します!
N波動とは何かを正しく理解する
N波動は、相場の「上昇と下降の一連の流れ」を最もシンプルに可視化した基本構造です。価格が 上昇 → 調整 → 再上昇 の3段階を描くことから、形が“N”に見えるためこの名称が付いています。
ダウ理論とも密接に結びついており、相場の方向性を判断するうえで避けて通れない概念です。

N波動の基本構造(上昇N・下降N)
N波動は、以下の4つのポイントから構成されます。
A点(起点)
・上昇N:押し目の底
・下降N:戻りの天井
B点(高値/安値)
初動の上昇(または下落)が止まった位置。
C点(押し・戻り)
トレンドとは逆向きの調整が入るポイント。
D点(更新)
B点を超える/割り込むことでN字が完成し、トレンド継続が確定。
上昇Nは 安値切り上げ → 高値更新 を繰り返し、下降Nは 高値切り下げ → 安値更新 を繰り返します。方向が逆になるだけで、構造は同一です。
N波動は「相場の動きそのもの」を抽象化した形であり、どの市場でも普遍的に成立します。
ダウ理論との関係性と役割
N波動は、ダウ理論をチャートに具体的に落とし込んだ形です。
● ダウ理論の原則
・高値・安値を更新すればトレンド継続
・更新できなければトレンド転換の可能性
N波動はこれを A→B→C→D の4点で明確に示す構造になっています。
つまり、N波動が成立している=ダウ理論でいうトレンド継続です。
反対に、N波動が途中で崩れれば、トレンドが弱まり転換を疑うべき局面となります。
N波動の強弱判定は、そのままダウ理論の強弱判定でもあります。
N波動がFXで重視される理由
N波動が特にFXで重要視される理由は、以下の3つに集約されます。
① トレンド方向が一目でわかる
複雑な値動きも、N波動に落とし込むだけで構図が明確になります。
② 押し目買い・戻り売りの根拠が取れる
C点(調整点)が「最も安全で合理的なエントリーポイント」になります。
③ 利確位置を論理的に計算できる
N波動には「N値計算」があり、D点付近のターゲットを数値で予測できます。
FXは短期トレーダーが多く、値動きの大半は“波”で構成されます。そのため、N波動の構造が実際の値動きに合致しやすく、「値動きを読む技術の核心」として扱われています。
N波動の見方とチャートでの判定方法
N波動を正しく使うためには、チャート上で「どの波がNとして成立しているのか」を正確に判定する必要があります。高値・安値の切り上げ/切り下げ、起点・終点の確定、ヒゲと実体の扱い方など、判断基準を明確にすると精度が大幅に向上します。
高値・安値の切り上げ/切り下げの確認ポイント
N波動が成立しているかどうかは、高値・安値の位置関係で判断します。ここが曖昧だと、N波動は全く機能しません。
● 上昇N(アップトレンド)の条件
・安値が切り上がっている(A → C)
・高値が更新されている(B → D)
特に安値の切り上げが重要で、ここが崩れると上昇Nは破綻しやすくなります。
● 下降N(ダウントレンド)の条件
・高値が切り下がっている(A → C)
・安値が更新されている(B → D)
下降Nの信頼性も高値の切り下げが最重要です。ここが崩れると下降トレンドは維持できません。
● 判定のコツ
・多少ローソク足が乱れていても「山と谷」で単純に見る
・まず安値(高値)が切り上がっているかを確認
・細かいノイズではなく“波の構造”を優先する
N波動を読むうえで最も重要なのは、値動きを複雑に見ず単純化して捉える姿勢です。
N字形成の起点・終点の判断基準
N波動で最も多いミスが、A・B・C・D点の誤認です。以下の基準を使えば迷いなく判定できます。
D点は「トレンド継続が確定する決定的ポイント」です。この判定が曖昧だと、N波動の再現性が大きく落ちます。
実体とヒゲをどう扱うか(確定の基準)
N波動の判定で必ず迷うのが「ヒゲで判断すべきか?実体で判断すべきか?」という問題です。結論は以下です。
● 原則:高値・安値は“ヒゲ”で判定する
・ヒゲこそ市場参加者の最終到達点
・心理を読むならヒゲが最も正確
高値更新 → ヒゲが越えたら成立
安値更新 → ヒゲが割れたら成立
ただし、N波動として“確定”させるのは実体です。
● N波動の確定ポイント
① ブレイク方向へヒゲが伸びる
② その後、実体がブレイク方向で確定する
この2つが揃って初めて「Nが完成した」と言えます。
● 実体を補助に使う理由
・ヒゲだけのブレイクはダマしが多い
・実体確定でトレンドの意思がはっきりする
・エントリーの精度が安定する
最も再現性が高い判定は、「方向はヒゲで見る/確定は実体で取る」という使い分けです。
N波動でトレンド方向を読む方法
N波動は、相場のトレンド方向を最もシンプルに読み解ける手法です。価格がどちらへ“階段を作っているか”を見るだけで、上昇トレンド・下降トレンドの優位性を即座に判断できます。ここでは、上昇N/下降Nの特徴、Nの連続による強トレンド判断、反転シグナルとなる逆N波動まで整理します。
上昇N波動と下降N波動の特徴
上昇Nと下降Nは、安値・高値の更新関係を明確に見ることで判断できます。曖昧にすると精度が一気に落ちるため、構造の本質だけをシンプルに押さえます。
● 上昇N波動(アップトレンド)の特徴
・安値が切り上がる(A → C)
・高値が更新される(B → D)
・押し目(C点)が浅いほど買いの圧力が強い
価格は“階段を上がるように”推移します。調整が入っても再度上へ伸びる構造が維持されているかが最重要です。
● 下降N波動(ダウントレンド)の特徴
・高値が切り下がる(A → C)
・安値が更新される(B → D)
・戻り(C点)が浅いほど売り圧力が強い
価格は“階段を下りるように”推移します。戻しが弱く、再び売りが入る構造が続くことで下降トレンドが維持されます。
「Nの連続」が示す強いトレンドのサイン
最も強いトレンドの共通点は、N波動が連続して発生していることです。単発のNよりも、複数のNが連続する場面がトレンドの本番です。
● 上昇Nが連続するケース
・安値が連続して切り上がる
・高値が連続して更新される
・押し目(C点)が浅く、反発が早い
→ 強い上昇トレンド確定
特に、上昇Nが3回以上連続すると強い買い優勢の“強トレンドゾーン”に入ります。
● 下降Nが連続するケース
・高値が連続して切り下がる
・安値が連続して更新される
・戻り(C点)が浅い
→ 強い下降トレンド確定
下降Nが連続する場面では、大口の売りが断続的に入り、逆張りは非常に危険です。
反転の可能性を示す“逆N波動”の出現
強いトレンドでも、反転が近づくと逆方向のN波動(逆N)が出始めます。これはトレンド終了をいち早く察知するサインです。
● 上昇トレンドでの逆N(下降N)
・直近安値を割る
・C点以上へ戻る力が強くなる
・上昇Nの構造が崩れる
→ 上昇トレンド終了のシグナル
特に、“高値更新に失敗した後の下降N”は反転の最重要シグナルです。
● 下降トレンドでの逆N(上昇N)
・直近高値を上抜く
・C点より押し目が浅い
・下降Nの構造が崩れる
→ 下降トレンド終了のサイン
逆Nは“トレンドの崩れ”を最速で示すため、転換ポイントを狙うトレーダーには必須の判断材料になります。
N波動を使ったエントリーポイントの探し方
N波動は、エントリーポイントを「論理的に」決められる極めて強力なフレームです。押し目・戻り、ブレイク後の継続、さらには未完成のNを先読みする場面まで、あらゆるトレンドで共通して使えます。ここでは、N波動を使う3つの代表的なエントリー手法を整理します。

Nの2点目(押し目・戻り)の狙い方
N波動は、トレンドフォロー型のトレード戦略において非常に実用的な指標です。特に「押し目買い」や「戻り売り」を狙う際の判断材料として用いることで、相場の波にうまく乗ることができます。
● 上昇Nの場合(押し目買い)
A → B:上昇(順方向)
B → C:調整(逆方向)
C点が固まったら買い
C点は上昇トレンドの“押し目”に一致し、リスクリワードが最も安定します。損切りはA割れ、利確はB越えが基本となり、機械的な判断が可能です。
● 下降Nの場合(戻り売り)
A → B:下落
B → C:戻し
C点で売り
“戻りの限界点”を捉えられるため、下降トレンドで最も有利なエントリーとなります。
ブレイク後のN継続で入る順張り手法
2番目に強いのが、B点(またはD点)ブレイク後の順張りエントリーです。勢いが強い相場では最も伸びやすいポイントになります。
● ブレイク後の流れ
・価格がB点を突破 → 新しいN波動が完成
・トレンド継続が確定
・直後に“浅い押し(ミニC)”が入りやすい
この“ミニC”が絶好の順張りポイントになります。
● 上昇Nの具体例
・B点ブレイクを確認
・浅い押しで買い
・新しいD点形成まで狙う
下降Nでも構造は同じで、安値ブレイク → 小反発 → 再下落の流れが典型です。
注意:この手法は“勢いが強い相場”限定で有効です。直前のNが弱いとブレイクがダマしになりやすいため、波の強さは必ず確認します。
N未完成時の“仮N”で先読みする方法
最も高度なのが、未完成のN波動(仮N)を先読みして入る手法です。A → B → ? の段階で「Cがどこに来るか」「次に更新が起きそうか」を推定してエントリーします。
● 仮Nの判断材料
・直前の押し・戻りの深さ
・MAの角度(トレンドの傾き)
・直近のローソク足の強弱
・フィボ 38.2〜61.8% の調整帯
これらをもとに「C点が固まりそうな場所」を推測します。
● 仮Nの具体的な狙い方(上昇例)
・A → B が強く伸びている
・B → 調整が弱い(戻しが浅い)
→ Cが浅く収まる兆候
C確定を待たずに“先回りで買い”を入れることが可能
下降トレンドでも同じで、戻りが弱ければ仮Cを想定して先に売ることができます。
重要:仮Nは上級者向けで、失敗率も高くなります。損切り位置は通常のN以上に明確にしておく必要があります。
N波動とフィボナッチの組み合わせ方
N波動は“波の形”を捉える手法であり、フィボナッチは“価格帯”を数値で捉えるツールです。この2つを組み合わせることで、押し目・戻りの深さ、エントリーポイント、利確ターゲットを論理的に算出できるようになります。相場の再現性を高めるために欠かせない組み合わせです。
押し目・戻りの深さをフィボで測る理由
押し目買い・戻り売りで最も厄介なのは、「どこまで調整が入るか」の予測です。フィボナッチを使う理由は非常に明確です。
● 理由1:市場参加者の“共通認識”になっている
プロ・個人問わず、38.2%、50%、61.8%を意識しており、反発しやすい帯が明確に存在します。
● 理由2:N波動のC点が止まりやすい
A→Bの値幅に対して、
・38.2%付近
・50%付近
・61.8%付近
はC点が形成されやすいゾーンです。
● 理由3:ダマしを減らせる
単なる「下がったら買う/上がったら売る」で入ると精度が低いですが、フィボの反応帯を重ねることでC点を客観的に判断できます。
N波動×フィボ38.2 / 50 / 61.8 の実戦活用
上昇N波動を例に解説します(下降N波動も構造は完全に逆向きで同じです)。
● ① フィボ38.2%:強トレンド時の浅い押し目
調整が浅い=買い圧力が極めて強い相場です。強い上昇局面ではC点が38.2%で止まりやすく、
“浅押し → 次のNが伸びやすい”
典型例になります。
● ② フィボ50%:最も一般的な押し目
多くのN波動でC点は50%付近になります。リスクと再現性のバランスが良い標準的な押し目です。
● ③ フィボ61.8%:深押しだが反発が強い
最も強い反発ポイントの1つです。押しが深いぶん損切り位置も明確で、
“深押し後の大反発”
が起こりやすいゾーンです。
● 実戦での判断手順
1. A→Bの値動きにフィボを当てる
2. C点が38.2 / 50 / 61.8付近で止まるか確認
3. ローソク足の反転サイン・出来高と併用して判断
4. D点(B越え)までのN波動を狙う
これにより、エントリー根拠が数値で裏付けられ、判断がブレなくなり再現性が一気に高まります。
N計測値(N値)で利確ターゲットを算出する
N波動には、利確ターゲットを“計算で出せる”という大きな利点があります。多くのプロがN波動を使う最大の理由の1つです。
● N値(値幅)の基本式
N値 = B − A(上昇Nの場合)
A:押し目底
B:直近高値
この値幅をそのままC点に加算することで、D点(利確ターゲット)が算出できます。
【実例:上昇N】
A:150.00
B:151.00 → 上昇幅=1.00円
C:150.40
Dターゲット=150.40 + 1.00 = 151.40
下降Nの場合:
C −(A − B)でターゲットが出せます。
● N値を使うメリット
・利確が感情に左右されない
・トレンドの継続性を数値で判断できる
・過去相場と比較しやすい
・リスクリワードを事前にシミュレーションできる
特に強トレンドでは、“N値が等間隔に並ぶ”という特徴があり、相場のリズムが明確に見えるようになります。
N波動が機能しやすい相場環境と時間足
N波動は万能ではなく、相場環境によって“使える場面”と“使ってはいけない場面”が明確に分かれます。また、判断に使う時間足によって信頼度が大きく変わるため、どの足で評価するかが極めて重要です。ここでは、N波動が最も機能する環境と、主要時間足ごとの特徴を整理します。
トレンド相場でN波動が最も強く機能する理由
N波動は“トレンド構造を可視化する”ための概念です。そのため、トレンド相場では圧倒的に機能しやすく、再現性も高くなります。
● 理由① 高値・安値の更新が連続する
トレンドの本質は、上昇なら安値切り上げと高値更新、下降なら高値切り下げと安値更新です。これはそのまま N=A→B→C→D の構造と一致します。トレンドが強いほど、きれいなN → 次のN → 次のNと連続し、エントリーの再現性が飛躍的に高まります。
● 理由② 押し目・戻りが素直に出る
トレンド相場では C点(押し目・戻り)が明確に出やすく、エントリーポイントが安定します。特に、上昇なら浅い押し・下降なら浅い戻りが続いている相場は、N波動の信頼度が極めて高いです。
● 理由③ ローソク足の勢いが揃っている
明確なトレンド中はローソク足が同方向に連続しやすく、D点(B更新)までの動きがスムーズです。値幅が伸びやすいため、利幅も安定します。
レンジ相場でN波動が効きにくい理由
レンジ相場では、N波動はほぼ機能しません。Nが成立する条件そのものが欠けるためです。
● 理由① 高値・安値が更新されない
レンジは上下に揺れるだけで、B点を超えず、B点を割らず、N構造が崩れます。
● 理由② C点が判別できない
押し目や戻りがランダムに発生し、C点が曖昧になります。C点が曖昧=Nが成立していません。
● 理由③ ダマしのB越え/B割れが多い
レンジ内のブレイクはノイズになりやすく、ヒゲだけブレイク → 反転のパターンが頻発します。
● 結論:レンジでN波動は使わない
N波動は“トレンド専用の手法”として割り切る方が勝率が安定します。
時間足ごとの信頼性(5分/1時間/日足)
N波動は、どの時間足で見るかによって精度が大きく変わります。基本は「迷ったら上位足を優先」です。
● 5分足:ダマしが最も多い
・ノイズが多い
・ヒゲの偽Nが大量発生
・レンジ化しやすい
5分足単体でのN判断は危険です。必ず1時間足や4時間足の方向が前提になります。
● 1時間足:最もバランスが良く実戦向き
・トレンドが見やすい
・押し目・戻りがきれい
・上位足(日足・4H)の影響も適度に反映
N波動を実戦で使うなら、1時間足が最も安定します。
● 日足:信頼度は最高、ただし回転が遅い
・高値・安値の更新が極めて明確
・偽Nがほぼ発生しない
・1つのNに強い意味がある
→ スイング〜長期勢には最強
ただし短期トレーダーには回転が遅すぎる場面があります。
● 信頼度の優先順位
日足 > 1時間足 > 5分足
特に、
・日足で大きな方向を確認
・1時間足でN構造を確認
・5分足で精密エントリー
という組み合わせは、最も勝ちやすい黄金パターンです。
N波動のよくある質問
N波動とは何ですか?
N波動は、価格が「上昇 → 押し目 → 再上昇」のN字を描く動きのことです。ダウ理論の“高値切り上げ・安値切り上げ”を可視化した典型的なトレンド形成パターンです。
N波動は何を示していますか?
トレンドが継続している強い証拠です。押し目や戻りを挟んでも、方向性が維持されていることを意味します。
N波動の構成要素は何ですか?
上昇トレンドの場合:
1. A → B(上昇)
2. B → C(押し目)
3. C → D(再上昇=N完成)
下降トレンドは逆N字です。
どこでエントリーするのが基本ですか?
“C点”が最重要ポイントです。押し目買い(または戻り売り)の絶好のタイミングで、最も再現性があります。
N波動の目標値(到達点)はどう測りますか?
基本の測り方は2つ:
・D=C+(B−A)
・「1波分の値幅 = 3波分の値幅」
トレンドフォローの利確目安として使われます。
N波動が失敗するケースはありますか?
C点が深すぎる場合(Bをほぼ全戻しする)、N字の継続性は弱くなります。またレンジ相場ではN波動が正しく機能しません。
N波動とダウ理論の関係は?
ほぼ同じ考え方です。N波動はダウ理論(高値・安値の切り上げ/切り下げ)を“視覚化した形”と考えると理解しやすいです。
初心者でもN波動は使えますか?
使えます。特に「押し目買い・戻り売りの最も基本的な理論」なので、裁量トレードの基礎として非常に相性が良いです。
まとめ
N波動は、相場の波を視覚的に捉えるためのシンプルかつ強力なパターンです。
その形を正しく理解し、フィボナッチや一目均衡表と組み合わせて活用することで、エントリー・利確・損切りのすべてに根拠を持ったトレードが可能になります。
「波の流れがわかるようになった」「無駄なトレードが減った」——そんな未来を手に入れるには、N波動を“学ぶ”だけでなく、“使いこなす”視点が必要です。


