市場サマリー
昨日の外国為替市場では、ドル指数が0.39%上昇し、105.66で取引を終えました。一方、ユーロは対ドルで0.38%下落し1.0702、ポンドは0.49%下落し1.2659で終了しました。国際現物金価格は1.35%の上昇を記録し、1オンスあたり2359.80ドルとなりました。
米ドル指数
最近のユーロは、主にドル指数の動向に連動しています。先週発表されたアメリカの5月CPI(消費者物価指数)は、前年比・前月比ともに市場予想を下回り、アメリカのインフレ鈍化の流れが続きました。この影響で一時的にドル指数は大きく下落しました。しかし、その後のFOMC(連邦公開市場委員会)会合では、FRB(米連邦準備制度理事会)が急いで利下げするつもりはないというシグナルを再確認し、ドットプロットでは今年の利下げは1回のみと予測され、市場の予想よりもタカ派的な内容でした。このため、ドル指数は急速に反発し、最高で105.81まで上昇しました。
ユーロはこれに対し、政治的不確実性が圧力となり、大幅に下落して1.07の心理的なサポートラインを一時的に下回りました。今週発表されたアメリカの5月の小売売上高データが予想を下回ったことで、ドル指数は高値から調整し、その結果、ユーロ/ドルは1.0668の低点から1.07を超える水準まで反発しました。
ポンド/米ドル
今週、ポンド/ドルの為替レートは、一時的にドル指数に追随して1.27を上回る水準に達しましたが、その後、イングランド銀行の利下げ予測が重しとなり、再び1.27を下回りました。
まとめ
今週発表されたイギリスの5月CPIは、前年比2%、コアCPIは前年比3.5%の上昇となり、市場予想に沿った結果となりましたが、前月からは若干の鈍化が見られました。昨日のイングランド銀行の会合では、金利は据え置かれましたが、より多くの決定者が利下げを支持する方向に近づいていることが示唆されました。インフレデータの緩和と中央銀行のハト派的なシグナルが相まって、利下げの期待が高まりました。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、8月の利下げの可能性が34%から62%に上昇し、年内に2回の利下げが予測されています。