市場動向と要因分析
金価格は利回りのない地金を保有するオポチュニティコストに影響を受けるため、金利変動に敏感に左右されることがよく知られています。4月の取引開始時に、金先物価格は過去最高値を更新しました。FRBによる6月の利下げ観測から、金相場は高値警戒感が高まっていました。
テクニカル分析とサポート
なぜ金価格はこれまで大幅な調整なく過去最高値を更新できたのでしょうか。市場アナリストによれば、最大の要因はFRBによる6月利下げ観測です。CMEのFedWatchツールによると、6月利下げの確率は70%と予想されています。一方で利下げ観測にもかかわらず、米国債市場は全体に上昇し、10年債利回りは10.7bpあがり4.303%、2年債は5.6bp上昇の4.676%、30年債は11.6bpあがり4.453%となりました。
よく知られているように、金価格は利回りのない地金を保有するオポチュニティコストに影響を受けるため、金利変動に敏感です。
トレード戦略
FRBの物価指標であるPCEデフレーターは2月に2.5%上昇。また、コア PCEデフレーター(エネルギー・食料を除く)は2.9%と低下しました。一方で、ドル高が金の上値を抑えている面もあり、主要6通貨に対するドル指数は104.49から104.72へ上昇。2024年始まって以降では3.3%の上昇となっています。ドル高は商品価格の上昇を抑える要因となります。
まとめ
金価格の上昇要因には、別の潜在的な要因があるという見方があります。FRBが利下げに動いても、債券利回りと金価格は共に上昇しているためです。FRBによる利下げは、かえってインフレを加速させるという指摘です。
ユーロパシフィック・アセット・マネジメントのピーター・シフ氏は「これは金には強気材料だが、債券には弱気材料」と述べています。
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