市場動向と要因分析
金相場は1オンス当たり2,360ドル近辺で値を保っており、投資家の関心は今週発表される米国の物価指標に移っています。市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の行方を占う材料を探る動きが活発です。
本日は、消費者物価指数(CPI)が発表される予定です。4月の米雇用統計が市場予想を下回ったことや、先週の求人件数の低迷などから、今年の利下げ期待が高まっています。市場予想では、FRBが今年2回の利下げに踏み切り、9月から緩和に転じるとの見方が出ています。
一方、インドの外貨準備に占める金の割合が3月末時点で8.15%と高水準となるなど、金への需要は根強い状況が続いています。また、中東情勢の緊迫化が進む中、金の安全資産としての魅力は高まっています。
テクニカル分析とサポート
金取引プラットフォームによれば、今週の米国の物価指標発表を控えて、金先物は週明けに大幅に下落し、1カ月ぶりの大きな値下がりとなりました。インフレ懸念の高まりから、FRB当局者の中には長期の利上げ継続を示唆する見解も出ており、金相場への重しとなっています。
全体として見れば、金相場は年初来で13%を超える上昇となっています。白金の相場も年初来で約19%高となる展開です。
FRBのパウエル議長は今後の利上げの可能性を排除しましたが、複数の金融政策当局者から利上げ選択肢を残す発言がされています。当面のFRBの基本方針は、インフレ対応のための利上げ継続と見られており、投資家の間では9月からの2回の利下げが予想されています。ただし、来月のFRB経済見通しの改訂次第で、当局者の判断が分かれる可能性もあります。
トレード戦略
上記の日足チャートの動きから、金相場は上昇基調が継続していると判断できます。2,375ドルの抵抗線を上抜けた場合、心理的な2,400ドルラインに重心が移る可能性があります。
特に米国のインフレ指標が予想を下回り、地政学的リスクが高まれば、より一層の金買いが期待できそうです。全体として金買いのスタンスが有効と考えられます。
まとめ
金相場は米国のインフレ動向と金融政策の行方を占う重要な時期を迎えています。物価指標次第ではかなり大きく値動きする可能性があり、地政学リスクの行方にも注視が必要です。中長期的な上昇トレンドが継続していると見られますが、こうした材料への対応力が問われます。
リスク管理を徹底しつつ、地合いに合わせた売買判断が重要となります。
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