市場動向と要因分析
金価格は昨日の取引セッションで1オンス2,350ドルを下回り、7月5日につけた1ヶ月ぶりの高値2,390ドルから下落を続けました。これは市場が今後数四半期における米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げのタイミングと規模を引き続き評価していることが背景にあります。
パウエルFRB議長は議会証言で、インフレ抑制にさらなる進展が必要であるという最近のFRBのスタンスを改めて強調しました。一方で、労働市場の弱さを示す証拠の中で、過度のリスクがより大きくなっていると指摘しました。
市場の約75%は、FRBが9月に利下げを開始し、年内にさらに1回の利下げを実施すると予想しています。また、イスラエルとハマスの停戦への期待から安全資産需要が低下し、金に下押し圧力がかかっています。
テクニカル分析とサポート
足チャートの動きを見ると、金価格は依然として上昇トレンドに戻る良好なポジションにあります。心理的な節目である1オンス2,400ドルへの回帰期待は強く、1オンス2,370ドルおよび2,385ドルの抵抗線を再び試す可能性があります。
現在の主要なサポートレベルは1オンス2,349ドルと2,330ドルです。
トレード戦略
現時点では、引き続き下落局面での金の買いを推奨します。米国のインフレ指標と世界の地政学的緊張の行方に注目が集まっています。
今週発表される米国の消費者物価指数(CPI)は、5月比で0.1%上昇、コアCPIは0.2%上昇すると予想されています。また、生産者物価指数(PPI)は5月の0.2%低下から0.1%上昇に転じ、コアPPIは0.2%上昇すると見込まれています。
これらの経済指標の結果は、FRBの今後の金融政策の方向性を占う上で重要な手がかりとなるでしょう。
まとめ
金価格は短期的に調整局面にありますが、中長期的には上昇トレンドが継続すると見られます。米国のインフレ動向とFRBの金融政策、そして地政学的リスクが今後の相場を左右する重要な要因となるでしょう。慎重にこれらの要因を見極めながら、適切なエントリーポイントを探ることが賢明です。