市場動向と要因分析
金先物は、今週後半に発表される2つの重要なインフレ指標を控え、ほぼ横ばいで推移しています。金融市場全体は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言に注目し、利下げのタイミングに関する手がかりを探っています。
金価格は1オンス2,385ドル付近まで上昇し、最近の下落から回復しました。先週は約1%上昇し、年初来では14%以上の上昇となっています。
パウエルFRB議長は上院銀行委員会で、米国の利上げを長期間続けることは経済成長の見通しを脅かす可能性があると警告しました。一方で、早すぎる利下げもFRBの取り組みを脅かす可能性があると指摘しました。
テクニカル分析とサポート
日足チャートでは、金価格が現在の抵抗線である1オンス2,385ドル付近で安定すれば、心理的な抵抗線である2,400ドルへの突破が期待できます。特に、本日発表される米国のインフレ指標が予想を下回り、世界の地政学的緊張が高まれば、上昇の可能性が高まります。
主要なサポートレベルは1オンス2,349ドルと2,330ドルです。
トレード戦略
引き続き、下落局面での金の買いを推奨します。最適な買い場は1オンス2,349ドルと2,330ドル付近と考えられます。
今週木曜日に発表される米消費者物価指数(CPI)は3.1%に低下、コアCPIは3.3%で変わらずと予想されています。生産者物価指数(PPI)は先月0.1%上昇したと見込まれています。
米ドル指数(DXY)は105.15に上昇し、年初来で3.8%上昇しています。強い米ドルはドル建て商品にとってはマイナス要因となります。
米国債利回りは全般的に上昇しており、10年債利回りは4.313%、2年債利回りは4.64%を超え、30年債利回りは4.5%を超えています。
まとめ
金価格は短期的には米インフレ指標の結果に左右される可能性が高いですが、中長期的には上昇トレンドが続くと見られます。米国の金融政策と世界の地政学的リスクが今後の相場を左右する重要な要因となるでしょう。