
「FXで勝率は悪くないのに、なぜか資金が減っていく…」そんな経験はありませんか?
その原因はリスクリワード比率の管理不足にあるかもしれません。リスクリワードとは、1回のトレードで許容する損失と狙う利益のバランスを示す指標です。
この記事では、リスクリワード比率の基本的な意味から計算方法、勝率との関係、さらにバルサラの破産確率やEA(自動売買)での活用法まで、FXトレーダーが知っておくべきすべてを徹底解説します。
リスクリワード比率とは?基本の意味をわかりやすく解説
リスクリワード比率は、FXトレードで安定した利益を出すために最も重要な指標の一つです。まずは基本の定義からしっかり理解しましょう。
リスクリワード比率の定義
リスクリワード比率(リスクリワードレシオ)とは、1回のトレードにおける「リスク(損失額)」と「リワード(利益額)」の比率を数値化したものです。

たとえば、損切り(ストップロス)を1万円、利益確定(テイクプロフィット)を2万円に設定した場合、リスクリワード比率は1:2となります。つまり「1のリスクに対して2のリターンを狙う」という意味です。
アドバイスリスクリワード比率は「RR比率」「リスクリワードレシオ」とも呼ばれます。FXだけでなく、株式投資や仮想通貨トレードでも使われる重要な概念です。
なぜリスクリワード比率が重要なのか
リスクリワード比率を適切に管理する最大の理由は、勝率だけでは長期的な収益をコントロールできないからです。
具体例で考えてみましょう。勝率70%のトレーダーAと、勝率40%のトレーダーBがいます。
勝ち7回 × 1万円 = +7万円
負け3回 × 2万円 = -6万円
合計:+1万円(ほぼトントン)
勝ち4回 × 3万円 = +12万円
負け6回 × 1万円 = -6万円
合計:+6万円(しっかりプラス)
このように、勝率が低くてもリスクリワード比率が高ければトータルでプラスになります。逆に勝率が高くてもRR比率が悪いと利益は残りません。

リスクリワード比率の計算方法【具体例つき】
リスクリワード比率の計算はとてもシンプルです。正しく計算できるようになれば、毎回のトレードで適切なリスク管理ができるようになります。
リスクリワード比率の計算式
リスクリワード比率の基本的な計算式は以下のとおりです。

リスクリワード比率 = 利益幅(リワード)÷ 損失幅(リスク)
リスクリワード計算の具体例
実際のFXトレードを想定して計算してみましょう。
エントリー価格:150.000円
損切り(ストップロス):149.500円(-50pips=リスク5,000円)
利確(テイクプロフィット):151.000円(+100pips=リワード10,000円)
リスクリワード比率 = 10,000円 ÷ 5,000円 = 2.0(1:2)

pips(ピップス)で計算する場合も同様です。利確幅が100pips、損切り幅が50pipsなら、RR比率は100÷50=2.0となります。
トレードスタイル別の理想的なリスクリワード比率
理想的なリスクリワード比率は、トレードスタイルによって異なります。以下の表を参考にしてください。
| トレードスタイル | 推奨RR比率 | 特徴 |
|---|---|---|
| スキャルピング | 1.5:1〜2:1 | 短時間で小さな利益を積み重ねる |
| デイトレード | 2:1〜3:1 | 1日の中でエントリーから決済まで完結 |
| スイングトレード | 3:1以上 | 数日〜数週間で大きな値幅を狙う |
リスクリワード比率と勝率の関係【損益分岐点を知る】
リスクリワード比率と勝率は表裏一体の関係にあります。自分のトレードが利益を出せるかどうかは、この2つの数値の組み合わせで決まります。
損益分岐勝率の計算方法
リスクリワード比率から、損益がトントンになる「損益分岐勝率」を算出できます。計算式は以下のとおりです。
損益分岐勝率(%)= 1 ÷(1 + リスクリワード比率)× 100
| リスクリワード比率 | 損益分岐勝率 | 解説 |
|---|---|---|
| 1:1 | 50% | 半分勝てばトントン |
| 1:1.5 | 40% | 10回中4回勝てばOK |
| 1:2 | 33.3% | 3回に1回勝てばトントン |
| 1:3 | 25% | 4回に1回勝てばOK |
| 1:5 | 16.7% | 6回に1回で損益分岐 |
この表からわかるように、リスクリワード比率が高いほど、必要な勝率のハードルが下がります。RR比率1:3であれば、たった25%の勝率で損益分岐に到達できるのです。
期待値で考えるリスクリワードと勝率
トレードの良し悪しを判断するもう一つの指標が「期待値」です。期待値がプラスのトレードを繰り返せば、長期的に利益が積み上がります。
期待値 =(勝率 × 平均利益)−(敗率 × 平均損失)
勝率45%、RR比率1:2(平均利益2万円、平均損失1万円)の場合:
期待値 =(0.45 × 20,000)−(0.55 × 10,000)= 9,000 − 5,500 = +3,500円
1回のトレードあたり平均3,500円の利益が期待できます。勝率50%未満でもプラスの期待値になっています。
勝率を上げるか、リスクリワードを上げるか
トレード成績を改善するには、「勝率を上げる」か「リスクリワード比率を上げる」かの2つのアプローチがあります。
- 勝率を上げるアプローチ:エントリー条件を厳選し、確度の高い場面のみトレード
- RR比率を上げるアプローチ:損切りを狭くし、利確幅を広げてリワードを大きく取る
- 両方を改善するアプローチ:トレンドフォローで順張りし、押し目買い・戻り売りで有利な位置からエントリー
ただし、勝率とリスクリワード比率はトレードオフの関係にあります。利確幅を大きくすればRR比率は上がりますが、到達しにくくなるため勝率は下がります。自分のトレードスタイルに合ったバランスを見つけることが大切です。
リスクリワード比率を改善する5つの方法
リスクリワード比率を改善すれば、同じ勝率でもトレード成績は大きく向上します。ここでは実践的な5つの改善方法を解説します。
1. エントリー前にRR比率を必ず確認する
トレードを行う前に、損切り位置と利確位置を決め、RR比率を計算する習慣をつけましょう。RR比率が最低1.5:1以上でなければエントリーしない、というルールを設けるだけで無駄なトレードを大幅に減らせます。
- チャートでサポート・レジスタンスを確認する
- 損切り位置(直近安値・高値の少し外側)を決める
- 利確位置(次のレジスタンス・サポートライン)を決める
- RR比率を計算し、1.5以上ならエントリーを検討する
2. 損切り(ストップロス)を適切に設定する
損切りが広すぎるとリスクが大きくなり、狭すぎるとノイズで刈られます。以下のポイントを参考にしてください。
- 直近の高値・安値を基準にストップロスを配置する
- ATR(Average True Range)でボラティリティを確認し、適切な幅を設定する
- 1回の損失額を総資金の1〜2%以内に抑える(資金管理の基本)
3. 利確(テイクプロフィット)を急がない
多くのトレーダーが利益を早く確定しすぎる傾向(プロスペクト理論)があります。リスクリワード比率を改善するためには、利確を焦らないことが重要です。
- トレーリングストップを活用して利益を伸ばす
- 分割決済(半分利確+残りは伸ばす)で心理的負担を軽減する
- トレンドが続いている間はポジションを保持する
4. 有利なエントリーポイントを厳選する
エントリーの位置が良ければ、同じ利確目標でもRR比率は大幅に改善されます。
- 押し目買い・戻り売りでトレンド方向に有利な位置からエントリーする
- サポート・レジスタンスの反発を確認してからエントリーする
- 移動平均線やボリンジャーバンドなどのテクニカル指標を組み合わせて精度を高める
5. トレード記録を分析して改善する
過去のトレードデータを振り返り、RR比率を定期的に分析することが上達への近道です。
- トレード日誌にエントリー根拠・損切り・利確のpips数を記録する
- 月単位で平均RR比率と勝率を算出し、期待値がプラスかチェックする
- RR比率が1以下のトレードを洗い出し、原因を分析する
リスクリワード比率を活かすトレード手法
リスクリワード比率を最大限に活かすには、相性の良いトレード手法を選ぶことが重要です。代表的な3つの手法を解説します。
トレンドフォロー(順張り)戦略
トレンドの方向に沿ってエントリーする手法で、リスクリワード比率と最も相性が良い戦略です。
- 大きなトレンドの波に乗ることで、リワードを大きく伸ばせる
- 押し目買い・戻り売りで損切り幅を小さくできるため、RR比率が改善する
- 移動平均線やトレンドラインでトレンドの方向を確認してエントリー

ブレイクアウト手法
レンジ相場の上限・下限を抜けたタイミングでエントリーし、大きな値動きを狙う手法です。
- レンジブレイク後は一方向に大きく動きやすいため、高いRR比率が狙える
- 損切りをレンジ内に設定できるのでリスクが限定的
- ダマシに注意し、出来高やローソク足の確認でフィルタリングする

ロールリバーサル手法
サポートがレジスタンスに、レジスタンスがサポートに転換した場面でエントリーする手法です。転換点が明確なため、損切り位置を狭く設定でき、RR比率を大きく取りやすいのが特徴です。
- エントリーの根拠が明確で、損切り位置を決めやすい
- サポレジ転換は多くのトレーダーが注目するため、反発の信頼性が高い
- トレンドフォローと組み合わせることでさらに精度が向上する
リスクリワード比率とバルサラの破産確率
リスクリワード比率を語る上で欠かせないのが「バルサラの破産確率」です。RR比率と勝率から、トレーダーが破産する確率を算出できます。
バルサラの破産確率とは
バルサラの破産確率は、数学者ナラシムハン・バルサラが考案した理論で、「勝率」「リスクリワード比率」「1回のトレードで資金の何%をリスクにさらすか」の3要素から、トレーダーが資金を失い切る確率を計算します。
バルサラの破産確率が1%以下になるようにトレード設計することが、長期的に生き残るための目安とされています。
リスクリワード比率と破産確率の関係
リスクリワード比率が高いほど、同じ勝率でも破産確率は大幅に下がります。以下の表で確認しましょう(1回のリスクを資金の2%とした場合の目安)。
| 勝率 | RR比率 1:1 | RR比率 1:2 | RR比率 1:3 |
|---|---|---|---|
| 30% | 100% | 約40% | 約5% |
| 40% | 約80% | 約2% | ほぼ0% |
| 50% | 約15% | ほぼ0% | ほぼ0% |
| 60% | ほぼ0% | ほぼ0% | ほぼ0% |
アドバイスリスクリワード比率を1:2以上にして勝率40%を維持できれば、破産確率はほぼ0%に近づきます。資金管理の観点からも、RR比率の改善は非常に重要なんです。

リスクリワード比率とEA(自動売買)の活用
リスクリワード比率を裁量トレードで一貫して管理するのは簡単ではありません。そこで注目されているのが、EA(エキスパートアドバイザー)を活用した自動売買です。
EA(自動売買)ならリスクリワード管理が確実
裁量トレードでは、含み益が出ると早く利確したくなったり、含み損が膨らむと損切りを先送りしたりと、感情がリスクリワード比率を崩す原因になります。
EAを使えば、以下のようなメリットがあります。
- 設定したRR比率を100%ルール通りに実行できる
- 感情に左右されず、損切り・利確を機械的に行える
- バックテストで過去の相場におけるRR比率の有効性を検証できる
- 24時間自動でトレードを行い、チャンスを逃さない
EAでリスクリワードを最適化する方法
EAを使ったリスクリワード管理のポイントは以下のとおりです。
- バックテストで複数のRR比率を比較し、最も期待値の高い設定を見つける
- デモ口座でフォワードテストを行い、リアル相場でも機能するか確認する
- 最大ドローダウンを確認し、許容できるリスクレベルか検証する
- 相場環境の変化に合わせて、定期的にパラメータを見直す
アドバイス「リスクリワード比率を改善したいけど、裁量だとどうしても感情が入ってしまう…」という方は、EA(自動売買)の活用を検討してみてください。機械的にルールを守れるのが最大の強みです。
リスクリワード比率を最適化したEAを選ぶ際は、バックテストの結果だけでなく、勝率・最大ドローダウン・プロフィットファクターを総合的に評価しましょう。sys-tre.comでは、リスクリワード比率に優れたEAの情報を多数公開しています。
リスクリワード比率の実践例【具体的なトレードシナリオ】
ここでは、リスクリワード比率を実際のトレードでどう使うか、具体的なシナリオで解説します。
シナリオ1:上昇トレンドでの押し目買い
ドル円が上昇トレンド中に、移動平均線まで押してきた場面を想定します。
通貨ペア:USD/JPY
エントリー:150.200(20EMAでの反発を確認)
損切り:149.900(直近安値の下、-30pips)
利確:151.100(直近高値付近、+90pips)
RR比率 = 90 ÷ 30 = 3.0(1:3)
このケースではRR比率1:3なので、勝率25%以上であれば利益が残ります。トレンドフォローの押し目買いは勝率40〜50%程度が見込めるため、非常に優位性の高いトレードプランです。
シナリオ2:レンジブレイクアウト
ユーロドルが1.0800〜1.0900のレンジ相場を形成し、上方ブレイクした場面を想定します。
通貨ペア:EUR/USD
エントリー:1.0910(レンジ上限ブレイク後のリテスト確認)
損切り:1.0870(レンジ内に配置、-40pips)
利確:1.1010(レンジ幅分の値幅、+100pips)
RR比率 = 100 ÷ 40 = 2.5(1:2.5)
ブレイクアウト後はレンジ幅分の値動きが期待できるため、損切りをレンジ内に置くことで高いRR比率を確保できます。
シナリオ3:RR比率1:1でも利益を出す方法
スキャルピングなどの短期トレードでは、RR比率1:1程度になることもあります。この場合、勝率55〜60%以上を維持できれば利益は残ります。
- エントリー条件を複数のテクニカル指標で絞り込む
- スプレッドの狭い通貨ペア・時間帯を選ぶ
- ボラティリティの高い時間帯(ロンドン・NY市場)を狙う
- 連敗時のロット調整でドローダウンを抑制する
リスクリワード比率に関するよくある質問(FAQ)
- Q. リスクリワード比率の理想的な数値は?
一般的には1:2以上が理想とされています。RR比率1:2であれば、勝率33%(3回に1回勝つ)で損益分岐になるため、無理のないトレードが可能です。スイングトレードなら1:3以上、スキャルピングでも最低1:1.5を目安にしましょう。
- Q. リスクリワード比率の計算でpipsを使う方法は?
金額の代わりにpipsで計算できます。例えば、損切りが30pips、利確が90pipsなら、RR比率は90÷30=3.0(1:3)です。pipsで計算すればロットサイズに関係なく比率を把握でき、異なる通貨ペアのトレードも比較しやすくなります。
- Q. リスクリワード比率1:3の場合、最低勝率は何%?
RR比率1:3の場合、損益分岐勝率は25%です。計算式は「1÷(1+3)×100=25%」です。つまり4回に1回勝てば損益トントンになり、それ以上の勝率であれば利益が残ります。
- Q. リスクリワード比率が低いトレードの対策は?
RR比率が低くなる原因は主に「損切り幅が広すぎる」「利確幅が狭すぎる」の2つです。対策としては、エントリーポイントを厳選して損切り幅を狭くする、トレーリングストップで利確幅を伸ばす、RR比率が基準以下のトレードを見送る、といった方法があります。
- Q. トレード記録でリスクリワード比率をどう管理すればいい?
Excelやスプレッドシートで、各トレードの「エントリー価格」「損切り価格」「利確価格」「実際の決済価格」を記録し、計画RR比率と実績RR比率を比較しましょう。計画通りに実行できているかを振り返ることで、改善ポイントが見えてきます。
- Q. FX初心者におすすめのリスクリワード設定は?
初心者にはRR比率1:2からスタートすることをおすすめします。損切り30pips・利確60pipsのような設定であれば、勝率33%で損益分岐になるため心理的な負担も少なく、リスク管理の基本を身につけやすいです。
- Q. リスクリワード比率とプロフィットファクターの違いは?
リスクリワード比率は1回のトレードにおける損益比率で、エントリー前に設定する計画値です。一方、プロフィットファクター(PF)は一定期間の総利益÷総損失で算出される実績値です。PFが1.0以上であれば利益が出ていることを示し、RR比率と勝率の両方を反映した総合指標と言えます。
まとめ:リスクリワード比率を意識して安定した利益を目指そう
本記事では、リスクリワード比率の基本から計算方法、勝率との関係、改善方法、そしてEAでの活用まで幅広く解説しました。
この記事のポイント
・リスクリワード比率とは、1回のトレードにおける損失と利益の比率
・計算式は「利益幅÷損失幅」でシンプルに算出できる
・RR比率1:2なら勝率33%で損益分岐、1:3なら25%でOK
・損益分岐勝率と期待値を活用してトレードの優位性を判断する
・エントリーポイントの厳選と損切り・利確の適切な設定がRR比率改善の鍵
・バルサラの破産確率を確認して、破産リスクが1%以下になるよう設計する
・裁量で感情がブレるなら、EA(自動売買)でルール通りの実行を検討する
リスクリワード比率は、トレードで安定した利益を出すための土台となる指標です。「勝率が高いのに利益が残らない」「なんとなくトレードしてしまう」という方は、まず自分のトレードのRR比率を計算してみてください。
資金管理の一環としてリスクリワード比率を意識することで、トレードの質は確実に向上します。今日のトレードから、ぜひRR比率のチェックを習慣にしていきましょう。


