「トレンドの強さを見極めたいけど、何を使えばいいのか分からない…」そんな悩みを抱えていませんか?
実は、「ROCインジケーター(Rate of Change)」を使うことで、相場の勢いを数値で捉えることができるんです!
この記事では、ROCインジケーターの設定方法から、トレードに役立つ具体的な使い方までしっかり深掘りしてお伝えします!
ROCインジケーターとは?基礎知識と計算式を理解しよう
相場の「勢い」を見極めるには、ROCインジケーターの理解が不可欠です!
ROC(Rate of Change)とは、「価格がどれくらいのスピードで変化しているか」を数値で可視化する、モメンタム系のテクニカル指標。たとえば、価格が急騰している時はROCの値も高くなり、横ばい相場ではROCがゼロに近づく、という特徴があります。

ROCの特徴
ROCは、価格の変化率をパーセンテージで示す「モメンタム系オシレーター」で、相場の勢い、つまり“スピード”を読み取るのに非常に役立ちます。
モメンタムとは、物理でいうところの「運動量」にあたります。価格が勢いよく上昇すれば、ROCも大きくプラスに。逆に勢いよく下落すれば、大きなマイナスを示します。そして勢いがないとき、ROCはゼロ付近で推移します。
ここがポイント!
- ROCは現在価格と過去の価格の比較に基づく → 上昇トレンドが加速すればROCは上昇
- ゼロラインを中心に上下する → ゼロをまたぐかどうかで、トレンドの転換点を判断する材料に
- 他のインジケーターと違い、絶対価格ではなく変化率を重視 → 移動平均線やボリンジャーバンドなどとは異なる視点で相場を分析できる
ROCは「今動いてる!」を数字で実感できるため、特に短期トレードやスキャルピングのトレーダーには支持されています。
また、トレンドフォロー型の戦略にも応用できるので、「トレンドの強さと方向性」を同時に把握したい人にはぴったりです!
ROCのゼロラインとその意味
ROCの値が「ゼロ」のラインをまたぐかどうかは、トレンド転換のサインになることがあります。ゼロより上にあると上昇圧力が、下なら下降圧力があることを示します。特に、ゼロを突き抜けた瞬間は「転換点の可能性」として注目される場面です。
「これって、RSIやMACDとどう違うの?」という声もよく聞きますが、ROCは価格そのものの「変化率」にフォーカスしているのが最大の特徴。RSIが「買われ過ぎ・売られ過ぎ」、MACDが「移動平均の差異」に注目するのに対し、ROCは「価格の加速・減速」を敏感に捉えるという強みがあります。
ROCの基本の計算式
ROCは以下のように計算されます
ROC(%)=(現在の終値 – n期間前の終値)÷ n期間前の終値 × 100
ROCが示すトレンドの強さと転換
ROCが示すトレンドの強さと転換点
価格の流れが“強い”のか“鈍っている”のか――それを数値で捉えられるのがROCの真骨頂です!
特に、トレンドの「勢いの変化」に敏感なこの指標は、転換点の兆候を早期に察知できる可能性を秘めています。
まず、ROCが大きくプラスに傾いている場合、それは「直近の価格が過去よりかなり上昇している」というサイン。これはつまり、上昇トレンドが強く維持されている状態です。逆に、マイナス圏で値が拡大していくようなら、下落トレンドが加速していると読み取れます。
ここで重要なのが「ROCがピークを打つタイミング」。たとえば、価格が上昇しているのにROCが横ばい、あるいは下降しはじめると、「あれ?勢いが落ちてきた?」という違和感に気づけます。このときに注意深く相場を見ることで、トレンド転換の予兆をとらえることができます。
特に注目されるのが以下の2点
- ゼロラインクロス:ROCがゼロラインを越えると、トレンドが変化した可能性が高いとされる
- ピークとボトムの変化:前回よりROCの山が低くなっているなら、勢いが弱まっている可能性あり
これらの動きをチャート上で視覚的に確認することで、「そろそろ反転かも?」といった“読み”を強化できます。
ROCインジケーターの使い方と設定方法【MT4対応】
ROCインジケーターの使い方とおすすめのパラメータ
ROCインジケーターを使いこなすカギは、「どのタイミングでエントリー・エグジットするか」と「どんな期間設定にするか」の2点に集約されます!
まず基本的な使い方として、ROCはゼロラインを基準にしたシグナル判断が主流です。以下のような使い方が定番です:
- ROCがゼロを上抜けた瞬間=買いシグナル
- ROCがゼロを下抜けた瞬間=売りシグナル
ただし!これはあくまで基本。実際の相場では“ノイズ”も多く、ゼロラインだけで判断するとダマシに遭遇しやすいです。そこで、ROCを他の指標と組み合わせる使い方も非常に有効です。
(例)
- RSIで「買われすぎ」を確認 → ROCが下落に転じたら売りシグナル
- 移動平均線とROCのクロスを見る → トレンドの方向性と勢いを同時に把握
おすすめのROC設定期間
ROCの“n期間”は、チャートのリズムに直結する重要ポイント!
目的別におすすめ設定を挙げてみます

- 短期トレード(デイトレ・スキャル):9~12期間
→ 細かな価格変化を敏感にキャッチ。ダマシは多くなるが、タイミングを重視する人向け。 - 中期スイングトレード:14~21期間
→ トレンドの持続力を見極めやすく、ノイズをある程度フィルタリング。 - 長期投資(ポジショントレード):25~30期間以上
→ 大きなトレンドをつかむ用途に。反応は鈍くなるが信頼性が高まる。
ちなみに、MT4ではこの期間を自由にカスタマイズできるので、自分のトレードスタイルに合わせて最適化してみてください。
H3: ダイバージェンスと組み合わせた戦略
ダイバージェンスと組み合わせた戦略
ROCインジケーターの真価が発揮されるのは、実は「ダイバージェンス」を見抜く場面です!
ダイバージェンスとは、価格の動きとインジケーターの動きが逆行する現象。これが起こると、相場の転換点が近い可能性を示しているとされます。
例えばこういうケース
- 価格が高値を更新しているのに、ROCが前回より低い数値を示している → 上昇の勢いが鈍化=下落転換の兆し
- 価格が安値を更新しているのに、ROCが前回より高い位置にある → 下落の勢いが衰え=反発の可能性あり
このように、価格の動きとROCの動きにギャップが生まれたときこそ、売買判断のヒントが隠れているんですね。
ダイバージェンスを見逃さないためのポイント
- 直近2〜3のピークやボトムに注目
- ROCの山・谷の角度と価格の動きが逆行していないか確認
- できれば、他の指標(例:MACDやRSI)と合わせて根拠を補強する
注意点として、ダイバージェンスは確定後にすぐ反転するとは限らないため、あくまで「兆候」として扱うのが大切。慣れてきたら、ダイバージェンスに気づいたタイミングで「半分利確」「新規エントリーを見送る」など、柔軟な対応が取れるとベストです。
自動売買(EA)でのROC活用例
自動売買(EA)でのROC活用例
「手動でトレードするのが難しい…」「感情に左右されずに判断したい…」そんなあなたに注目してほしいのが、ROCインジケーターを活用した自動売買(EA:エキスパートアドバイザー)です!
ROCは、計算式がシンプルで判定ルールも明確なため、アルゴリズムへの組み込みがしやすい指標として知られています。とくに、MetaTrader4(MT4)やMetaTrader5(MT5)では、MQL4/MQL5といった専用言語でROCを条件に組み込むことが可能なんです。
EAにROCを組み込む基本ロジック例
- 買いエントリー条件
→ ROCがゼロを上抜けた & ボリンジャーバンドのミドルラインより上 - 売りエントリー条件
→ ROCがゼロを下抜けた & RSIが50未満 - 決済ルール
→ ROCがフラットになった or 一定期間経過で利益確定
このように、ROCは他のインジケーターと組み合わせた「フィルター条件」としても非常に優秀です。特に、トレンド相場とレンジ相場を分けるロジックにROCの変化率を使うと、「無駄なエントリーを減らす」ことが可能になります。
【実際にROCをEAに組み込む際の注意点】
- ROCの期間設定は環境によって微調整が必須
- 過去検証(バックテスト)を徹底してから稼働
- 裁量トレードと異なり、EAはシグナルに忠実に動くためロジックの精度が命
「裁量ではROCのシグナルを見落としがち…」という方でも、EAにしておけば24時間自動で監視・実行してくれるのが大きな魅力。相場の“勢い”を定量的に判定できるROCは、EAとの相性がバツグンなんです!
ROCインジケーターで得られる未来と避けたいリスク
ROCインジケーターを使いこなすことで、相場の勢いを数値で把握し、「トレード判断のタイミングが格段に明確になる」未来が待っています。特に、ゼロラインのクロスやダイバージェンスの発見によって、「転換点をいち早く察知する」という精度の高い相場感覚を養うことができるのです。
たとえば、「ROCが急上昇したから、今は買い圧力が強い」「ゼロラインを割ったから、下落に注意しよう」といった、チャートの背後にある“市場心理”を読み解くスキルが自然と身についていきます。これにより、感情的な判断から脱却し、論理的なトレード戦略が構築できるようになるのです。
しかし!ROCにも落とし穴はあります…
ROCを過信すると、こんなリスクが潜んでいます。
- ダマシに引っかかる:特に短期設定だとROCのシグナルは頻繁に出るため、ノイズが多く、誤判断を招く危険性があります。
- 他指標との併用が必須:ROC単体では“方向性”は分かっても、“エントリー根拠”としては不十分なことがあるため、RSIや移動平均線との併用が望ましいです。
- 設定ミスによる情報のズレ:期間を短くしすぎると無意味なシグナルが増え、長すぎると転換が遅れるという「設定バランスの難しさ」があります。
「ROCがゼロラインを越えたからすぐエントリー!」といった使い方ではなく、「ROC+別指標+ローソク足の動き」といった複合的な判断を身につけることが、リスクを最小限に抑えるコツです。