「トレンドの転換、もっと早く分かれば…」──こんなふうに感じたこと、ありませんか?
投資やトレードの世界では、”今”を読み解く力が何よりも重要。特に、上昇トレンドから下降トレンドへの切り替わりをいち早くキャッチできれば、無駄な損失を避け、エントリーの精度もグンと上がりますよね。
しかし現実は、MACDやRSI、ストキャスティクスといった有名なテクニカル指標でも「ちょっと遅い…」「騙しが多い…」という声が絶えません。
そんな中、注目を集めているのが「Schaff Trend Cycle(STC)」というオシレーターです!
MACDの滑らかさとストキャスティクスの反応速度を融合したこの指標は、”トレンド転換の早期発見”に特化した設計となっており、国内外のトレーダーからも熱い支持を集めています。
この記事では、STCとは何なのか?どんな仕組みで動いているのか?そして、実際にどのように活用すれば「シグナルの遅れ」や「誤認識」から脱却できるのかを、初心者にもわかりやすく・深掘りしてご紹介していきます!
Schaff Trend Cycle(STC)とは?仕組みと特徴を解説
STCの基本概念と開発背景
STC(Schaff Trend Cycle)は、「トレンドの転換をいち早く捉えたい!」というトレーダーの切実なニーズに応える形で開発されたテクニカル指標です。その生みの親は、金融アナリストのDoug Schaff氏。彼はMACD(移動平均収束拡散法)の遅延性に疑問を持ち、より敏感かつ信頼性の高いオシレーターを追求しました。
STCの特徴は、トレンドの勢いと方向性を同時に評価できる点にあります。MACDの動きをベースにしながら、それを確率論的に平滑化することで、より早い段階でトレンドの変化を視覚化できるように工夫されているのです。
たとえば、「MACDじゃ遅い…もう天井打ってるじゃん!」という局面でも、STCならもう一歩手前のシグナルを提示してくれる可能性が高まります。これは、サイクル分析を取り入れることで、市場のリズムに適応した動きを実現しているからなんです。
STCの計算方法と理論的背景
STCの計算には、MACDをベースとしたデータを用いて、それにストキャスティクスのアルゴリズムを重ねるという独特の手法が使われています。具体的には、以下の3ステップで構成されています。
- MACDの算出
通常のMACDと同様、短期EMA(指数移動平均)と長期EMAの差を計算。これは市場のモメンタム(勢い)を捉えるための基本となる動きです。 - MACDに対するストキャスティクスの適用
上記のMACD値に対して、ストキャスティクスオシレーターのロジックを当てはめます。これにより、MACDが示すトレンド変化を確率的に評価できるようになります。 - スムージング処理
最後に、ストキャスティクスをもう一度滑らかにすることで、ノイズを減らし、シグナルの明確性を高めています。
この一連の処理を経たSTCは、価格変動に素早く反応しつつも、ノイズに惑わされにくいという特性を持つのです。特に横ばい相場やレンジの中でも「ここが底かも」「そろそろ上がりそう」といった判断材料を提供してくれます。
STCインジケーターの使い方と設定方法
トレーディングプラットフォームでの導入手順
STCインジケーターを使うためには、まず対応するトレーディングプラットフォームに導入する必要があります。現在、STCはMetaTrader 4(MT4)、MetaTrader 5(MT5)、TradingViewなど、主要なチャートツールに対応しています。
導入手順は以下の通りです
- MT4/MT5の場合:
インジケーターのカスタムファイルをダウンロードし、MT4の「データフォルダ」→「MQL4」→「Indicators」フォルダに保存。その後、MT4を再起動し、「ナビゲーター」ウィンドウからSTCをチャートにドラッグ&ドロップします。 - TradingViewの場合:
「インジケーター」検索ボックスで「Schaff Trend Cycle」と入力。公開スクリプトや内蔵指標の中から選択し、クリックするだけでチャートに反映されます。特に設定不要で使えるのが魅力です。
それぞれのプラットフォームで細かい仕様は異なりますが、共通して言えるのは「導入自体は非常に簡単」だということです。「初めてテクニカル指標を導入する…」という方でも、手順に沿って進めれば問題なく使い始められます。
トレンドの転換点を見極める活用法
STCの最大の魅力は、「トレンド転換点の早期把握」にあります!通常のMACDがトレンドを後追いする傾向にあるのに対し、STCはストキャスティクスのロジックを取り入れているため、反応が非常に早く、シグナルの出現も先行しやすいのが特徴です。
具体的な使い方としては、STCの数値が25を下回ったタイミングで「買いシグナル」、75を超えた時に「売りシグナル」として活用するのが一般的です。このレンジはストキャスティクスの設定と似ており、トレンドのピークやボトムを視覚的に把握しやすくなっています。
たとえば、「ローソク足がまだ上昇中なのに、STCが天井を打って下落し始めた…」という場面では、近い将来トレンドが下向きに変化する可能性が高いサインと見ることができます。逆に、ローソク足がまだ弱々しい動きでも、STCが底打ちして上昇し始めれば、「ここが仕込みどきかも…?」という判断材料になります。
STCを活用したトレーディング戦略
Schaff Trend Cycle トレーディング戦略の種類
STCを使ったトレーディング戦略には、短期・中期・長期のスタイルに応じた複数のアプローチがあります。どの戦略でも共通して言えるのは、「トレンドの初動を捉えるための精度が高い」という点です。
【短期トレード(スキャルピング)】
1分~5分足を使用し、STCが25を上抜けた直後に買い、75を下抜けたら売るといった極めてシンプルな手法が人気です。ノイズが多い分、MACDやRSIと組み合わせてフィルタリングするのがポイント。
【中期トレード(デイトレ・スイング)】
1時間~4時間足でSTCのトレンド変化を監視し、ローソク足がSTCと同じ方向を示した時にエントリーする戦略です。移動平均線(MA)やADXと併用することで、トレンドの信頼性を高めることができます。
【長期トレード(ポジショントレード)】
日足や週足チャートでの活用が基本。STCが明確にクロスしてから仕掛けることで、大きなトレンドを狙えます。ファンダメンタルズ分析とも組み合わせることで、より盤石なポジション構築が可能になります。
どのスタイルでも、「シグナルが早すぎる or 遅すぎる」といった課題を、STCの設定値変更や他指標との組み合わせで調整することが肝心です。
STC vs MACD:どちらが優れているのか?
MACDとSTCはどちらもトレンド系のテクニカル指標ですが、その目的と得意分野には明確な違いがあります。比較することで、それぞれの特性と使いどころが見えてきます。
1. シグナルの速さ
STCはMACDよりもシグナルの出現が早く、トレンドの初動に反応しやすい構造になっています。これは、MACDをベースにしながらも、ストキャスティクスのサイクル分析とスムージング処理を取り入れているためです。一方でMACDは、トレンドが確定した後に「安全に」エントリーするスタイルに適しています。
2. シグナルの正確性と信頼性
MACDはやや遅いものの、騙しの少なさが魅力です。STCは早さが魅力ですが、レンジ相場やノイズの多い局面では誤シグナルが出やすい傾向があります。そのため、STCは短期〜中期トレードに、MACDは中期〜長期トレードに向いています。
3. 実際のチャート例
たとえば、ある上昇トレンド中のチャートで、STCはすでに買いシグナルを出していたのに対し、MACDはまだゼロライン付近でヨコヨコ…という場面がよく見られます。「もう少し早く入っておけば…!」という悔しさを減らすには、STCの方がチャンスを先に見せてくれるのです。
このように、どちらか一方を選ぶというよりも、それぞれの長所を活かした「併用」が、より精度の高い判断につながります。
STCインジケーターを使う上での注意点と改善策
誤ったシグナルに騙されないための工夫
STCは敏感なオシレーターゆえに、トレンドがはっきりしないレンジ相場や急激なニュース相場では、誤ったシグナル=「だまし」が発生しやすいという弱点があります。この対策には、いくつかの実用的な工夫が欠かせません。
まず重要なのは、複数指標との併用です。RSIやADX(平均方向性指数)といった他のトレンド系・モメンタム系指標と組み合わせることで、STCのシグナルの裏付けが取れ、信頼度が格段に上がります。「STCが買い示唆を出した。でもADXが低い=トレンドが弱い」といったケースでは、見送る判断が賢明です。
次に有効なのが、ローソク足の形状や移動平均線との位置関係を確認すること。たとえば、「STCが底打ちして上昇し始めたけれど、価格が200日移動平均線をまだ下回っている」といった場合は、明確な上昇トレンドとは言い難く、シグナルの信頼性もやや薄れます。
また、ローソク足のタイムフレームの切り替えも非常に効果的。同じ銘柄でも、15分足では上昇示唆、1時間足では下落示唆という矛盾が出ることがあります。こうした「時間軸のズレ」を把握することで、無駄なトレードを回避できるようになります。
STCの弱点を補うカスタマイズ方法
STCは非常に有用なインジケーターですが、「設定値のままだと合わない…」「ノイズに振り回されやすい…」と感じる方も少なくありません。そんな時は、設定のカスタマイズで調整していくのが有効です!
まず、STCの基本設定は以下の3つです:
- 短期EMAの期間(例:23)
- 長期EMAの期間(例:50)
- サイクル期間(例:10)
これらの数値は、使用する時間軸や市場のボラティリティに応じて調整可能です。たとえば、短期スキャルピングでは反応速度を優先するため、期間を短くすることでシグナルを早めに出す設定が有効。一方、日足ベースで使うなら、期間を長めにしてノイズをカットする方が安定します。
また、フィルタリング手法としては、ボリンジャーバンドとの併用や、ATR(Average True Range)で市場のボラティリティを測ると、エントリータイミングの「確度」を高められます。たとえば、「STCが買いシグナル+ボリンジャーバンド下限タッチ+低ATR=エントリー候補」といった複合条件を作るのです。
【まとめ】
Schaff Trend Cycle(STC)は、MACDとストキャスティクスの“いいとこ取り”をした先進的なオシレーターであり、トレンドの転換点をいち早く察知することに優れたテクニカル指標です。導入も簡単で、設定のカスタマイズ次第で幅広い相場に対応できる柔軟性を備えています。
ただし、その敏感さゆえに騙しも多く、補助指標との併用やタイムフレームの確認が欠かせません。精度の高いトレーディングを行うためには、「STC+補助指標+環境認識」の三本柱で判断力を高めることが大切です。
STCを使いこなすことで、「もう少し早く動けたら…」という後悔とはサヨナラし、より根拠のあるエントリーとエグジットが可能になるはずです。自分のスタイルに合ったSTCの使い方をぜひ見つけてみてください!
STCインジケーター ダウンロード
以下のボタンから、「SchaffTrendCycle_systre.ex4」をダウンロードできます。
使い方
- ダウンロードした
SchaffTrendCycle_systre.ex4
を
MT4の「Indicators」フォルダに移動
(例:ファイル → データフォルダを開く → MQL4 → Indicators
) - MT4を再起動、またはナビゲーターで「更新」をクリック
- チャートにドラッグ&ドロップして使用開始!

⚠ 注意事項
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