「今の株式市場、ちょっと過熱しすぎじゃない?」──そんな疑問を持ったことはありませんか?
株価の上昇や下落が激しいと、いつ売買すべきか迷ってしまいますよね。そんなときに頼りになるのが「騰落レシオ」です!一見すると難しそうなこの指標、実は“相場の体温計”とも言える存在。
この記事では、投資初心者から中級者までが安心して使えるように、騰落レシオの仕組みから使い方、注意点までをわかりやすく解説していきます!
騰落レシオとは?株の買われすぎ・売られすぎを判断する指標
騰落レシオとは、市場全体の「買われすぎ」や「売られすぎ」を数値化して教えてくれる、非常にシンプルながらも強力な株価指標です!これは、一定期間内で株価が上昇した銘柄(値上がり銘柄数)と、下落した銘柄(値下がり銘柄数)の比率を基に計算されます。
たとえば、25日騰落レシオは「直近25営業日の平均で、どれだけ上がった銘柄が多かったか」を示します。一般的に、騰落レシオが120を超えると「買われすぎ」と判断され、70を下回ると「売られすぎ」とされます。つまり、120なら「そろそろ調整が入りそう」、70なら「反発の兆しかも?」と判断できるのです。
「でも、本当にこれだけでわかるの?」と思った方もいるでしょう。確かに、騰落レシオはあくまで“相場の気配”を測る道具のひとつにすぎません。ただし、日々の株価に一喜一憂せずに済むようになるという点では、非常に有効です。
実際、プロの投資家もこの指標を一目で確認して、市場の「温度感」をつかむ材料にしています。「なんとなく上がってるから買い」ではなく、「今は加熱気味だから様子見しよう」といった冷静な判断ができるようになる。それが騰落レシオの大きな利点です。
騰落レシオの基本:なぜ投資家が注目するのか
投資家が騰落レシオに注目する理由は、「市場全体の動向を直感的に把握できるから」です!個別銘柄のチャートやニュースを追いかけるのも大切ですが、株式市場は“空気”で動くことも少なくありません。その空気感を数値で教えてくれるのが、まさに騰落レシオなのです。
この指標の面白いところは、単に株価の上下ではなく、「上昇・下落した銘柄の数」に着目している点。つまり、たとえ日経平均株価が上がっていても、値下がり銘柄が多ければ騰落レシオは低下します。このことから、「表面上の株価」と「市場の実態」とのギャップを見抜く手がかりになるわけです。
「なるほど、表だけ見てても危ないってことか…」と思ったあなた、鋭い!そうなんです。市場の“真の勢い”を測るには、こうした裏付けのあるデータが欠かせません。
また、騰落レシオは「過熱感」や「冷え込み」をざっくり判断するのに便利なので、デイトレーダーから長期投資家まで幅広く活用されています。「今この市場に飛び込むべきか、それとも静観すべきか?」を見極める第一歩として、チェックしない手はありません。
騰落レシオの計算式と目安の数値
騰落レシオの計算式は、実はとってもシンプル!基本的には以下のように求めます。
騰落レシオ(25日)=(過去25日間の合計騰落比 ÷ 25)×100
この「騰落比」というのは、「値上がり銘柄数 ÷ 値下がり銘柄数」で求められます。つまり、日々の相場で上がった銘柄が下がった銘柄よりも多ければ騰落レシオは上昇し、逆に値下がり銘柄が多いと騰落レシオは下がるというわけです。
さて、ではどのくらいの数値を目安にすればいいのか?ここが投資判断のポイントになります!
- 120以上:市場が過熱気味、買われすぎのシグナル
- 70以下:市場が冷え込み気味、売られすぎのシグナル
- 90〜110:ニュートラルゾーン、特に異常なし
「120を超えたら危険なの?」という声が聞こえてきそうですが、これは“相場が強すぎる”状態を表していて、一時的な反落に注意すべき状況です。逆に70を割った場合は、多くの銘柄が売られすぎている状態で、反発のタイミングをうかがう投資家が増えてくる段階と言えます。
もちろん、単体で「買い・売り」の判断をするのではなく、他のテクニカル指標(RSIやMACDなど)と組み合わせて使うのが鉄則です。
騰落レシオのチャートの読み解き方
騰落レシオを本格的に活用するなら、チャートの読み方をマスターすることが欠かせません!なぜなら、騰落レシオは数値だけでなく「推移」や「変化のタイミング」こそが重要だからです。
まず、基本的なポイントは「上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか」を見極めること。騰落レシオがじわじわと上昇している場合、市場には徐々に買い圧力がかかっており、投資家心理は強気になっていると判断できます。逆に、騰落レシオが右肩下がりなら、売りが広がっており、慎重姿勢が広がっているサインです。
チャートを見る際には、次の3点に注目してください。
- ピークとボトムの水準:騰落レシオが130を超えていれば過熱、60を切れば冷え込み。
- 急激な変化:短期間で急上昇・急落している場合、市場に何らかのインパクトがあった証拠です。
- 株価指数との比較:たとえば日経平均が上昇しているのに騰落レシオが下がっている場合、それは「一部銘柄だけが上がっている」危うい相場と考えられます。
「えっ、株価が上がってるのに騰落レシオが下がることなんてあるの?」と思うかもしれません。はい、あるんです!これは、いわゆる“指数の歪み”が起きている証拠で、全体としては売られているのにごく一部の大型株だけで相場が支えられているような状態。
騰落レシオが示す買い時・売り時の目安
騰落レシオは、投資家にとって「今が買い時なのか、それとも売り時か」を判断するためのヒントを与えてくれる優秀な目安です!その基準となる代表的な数値が、「70」と「120」なんです。
騰落レシオが70以下のときは「売られすぎ」の状態とされ、多くの銘柄が市場から見放されているような状況。この段階で株を買えば、反発上昇によって利益を得られる可能性が高まります。いわば“逆張り派”にとっての狙い目と言えるタイミングです。
120を超えたときは「買われすぎ」の状態。市場全体に楽観ムードが広がり、株価が加熱しすぎているかもしれません。ここでは利益確定の売りが出やすくなり、急落のリスクも高まるため、新たな買いは慎重に判断すべきフェーズです。
もちろん、これらの数値は“絶対的な法則”ではありませんが、目安として使うには十分信頼できます。特に、RSI(相対力指数)やMACDなどのテクニカル指標と併用すれば、より精度の高いタイミング判断が可能になります。
騰落レシオを使った投資戦略の具体例
騰落レシオを使った投資戦略には、明確な“シグナル”に基づいた行動が求められます。ここでは実際にプロや個人投資家が採用している代表的な使い方をご紹介しましょう!
まずは、逆張り戦略。これは「騰落レシオが極端に低いときに買う」というシンプルな戦術です。たとえば、騰落レシオが60を下回ったときは、「市場全体が売られすぎており、反発が近い」と見て、優良銘柄を狙って買いに入る。過去の相場でも、2018年末の急落時には騰落レシオが50台まで落ち込みましたが、年明けにかけて大きく反発しました。
次に紹介するのは、利益確定タイミングの判断材料としての活用。騰落レシオが120〜130を超える局面では、一度ポジションを軽くしておく投資家も多くいます。「上がりすぎている=近々調整がくる」と読んで、ポートフォリオのリスクを低減するわけです。
また、スクリーニングの補助指標としても有効です。たとえば「日経平均は上がってるのに、騰落レシオが下がっている…?」という場合、一部の大型株だけが買われていて、全体相場は弱っている可能性があります。そんなときには業種ごとの強弱を見極めたり、個別銘柄の底値を探るなど、より慎重なアプローチができます。
騰落レシオだけに頼らない分析の重要性
どれほど便利な指標であっても、騰落レシオ“だけ”に頼るのは非常に危険です!なぜなら、株式市場は多くの要因によって動いており、一つの指標だけでは全体像を把握するのが難しいからです。
たとえば、騰落レシオが「買われすぎ」と示していても、その背景に業績好調な企業群が牽引している場合、まだまだ上昇余地があることもあります。逆に「売られすぎ」と出ている状況でも、外部環境が不安定(戦争、金融政策の変更、為替変動など)なら、反発は期待できないかもしれません。
ここで重要になるのが、ファンダメンタルズ分析やマクロ経済指標の確認です。企業の決算、金利政策、為替相場、国際情勢など、広範な情報を把握しておくことで、騰落レシオの“数字の裏にある意味”を正しく読み取れるようになります。
また、他のテクニカル指標との併用もおすすめです。たとえば、
- RSI(相対力指数)で“個別銘柄の買われすぎ”をチェック
- MACDで“トレンドの転換点”を把握
- ボリンジャーバンドで“ボラティリティ”を確認
こうした複数の視点を持つことで、相場を多角的に判断でき、感情に流されない冷静な投資が可能になります。
2024〜2025年の相場と騰落レシオの関係
2024年から2025年にかけての日本株市場では、騰落レシオが市場の過熱感や冷え込みを示す重要な指標として注目されています。特に、2025年1月には騰落レシオが84.09まで低下し、日経平均株価が38,500円を割り込む場面がありました 。これは市場全体が売られすぎの状態にあることを示しており、投資家の間で警戒感が高まったことを意味しています。
一方で、2024年末から2025年初頭にかけて、日経平均株価が40,000円台を回復する局面もありましたが、騰落レシオは100前後で推移しており、市場の過熱感はそれほど強くないと判断されていました 。これは、一部の大型株が指数を押し上げているものの、全体としては慎重な姿勢が続いていることを示しています。
このように、騰落レシオは市場の内部の動向を把握するための有効なツールであり、投資判断の一助となります。特に、指数の動きと騰落レシオの乖離が見られる場合は、相場の転換点を示唆している可能性があるため、注意が必要です。
騰落レシオを活かして損失を防ぐには
騰落レシオは「相場の空気を読む指標」として非常に役立ちますが、真の効果を発揮するのは「使い方次第」です。損失を防ぐためには、数字の変化をただ見るのではなく、その背景を読み解き、自分の投資判断に活かす力が求められます!
まず重要なのが、数値の“変化”に敏感になることです。たとえば、騰落レシオが短期間で100から130に急上昇した場合、それは一時的な投機的買いが広がっている証拠かもしれません。こうしたタイミングで新たにポジションを取るのは、落とし穴にハマるリスクがあります。
また、複数の指標と組み合わせることも損失防止に欠かせません。RSI(相対力指数)が70超で、かつ騰落レシオが120超という状況なら「過熱感」が強く、価格調整が起きる可能性が高い。逆に、両指標が共に売られすぎ水準にあれば、買いの好機が近づいていると判断できます。
さらに、感情に流されないことが何よりも大切です。「周りが買ってるから自分も…」「ニュースで騒がれてるから…」といった“空気買い”は、相場の本質を見誤る原因になります。騰落レシオを客観的な判断基準として持つことで、そうした感情的な行動を避けられるのです。
「騰落レシオを毎日見るだけでいいんですか?」と聞かれれば、答えはNO。大事なのは、その数値の“背景”を考え、他の情報と照らし合わせて“冷静に行動すること”なのです。