
ツーステップリバーサルの基本概要
ツーステップリバーサルの定義
「ツーステップリバーサル」とは、株式やFXなどのチャート分析において、トレンドが転換するサインを示すローソク足の組み合わせを指します。英語では “Two Step Reversal” と呼ばれ、その名の通り「二段階での反転」を表現しています。多くの投資家が使うシンプルなパターンながら、実際のトレードでも信頼性が高いとされます。
通常、トレンドの天井や底を捉えるのは難しいですが、ツーステップリバーサルはその初動を視覚的に捉えやすいため、プロから初心者まで幅広く活用されています。
名前の由来と「二段階反転」の意味
「ツーステップ」という名前は、連続する2本のローソク足の動きから来ています。
- 1本目:トレンド方向に伸びる大きな足
- 2本目:前の足を打ち消すように逆方向に動く足
この2つがセットで現れることで「相場の方向性が変わる可能性が高い」と判断されるのです。
他のローソク足パターンとの違い
ツーステップリバーサルの出現条件
ツーステップリバーサルは、ただ2本の足が逆方向に並んだだけでは成立しません。いくつかの条件を満たす必要があります。
必要なローソク足の組み合わせ
- 1本目:強いトレンド方向のローソク足(陽線または陰線)
- 2本目:前の足を包み込むように反対方向に伸びるローソク足
この2本の関係が明確であるほど、トレンド転換の可能性は高まります。
トレンド転換の初動を捉える強み
ツーステップリバーサルは、上昇から下降、または下降から上昇への転換点をいち早く察知できるため、投資家にとって大きな武器になります。トレンドのピークやボトムを正確に掴むことは難しいですが、このパターンが現れると「市場の流れが変わり始めたかもしれない」という重要なシグナルとなるのです。
信頼性と勝率の特徴
他のテクニカル指標との相性
ツーステップリバーサルは単独でも有効ですが、移動平均線・RSI・MACDなどの指標と併用するとさらに効果的です。例えば、RSIが売られすぎを示しているタイミングでツーステップリバーサルが現れた場合、反発の可能性が高いと判断できます。
ツーステップリバーサルの見方
日足チャートでの活用例
日足チャートは個人投資家にとって最も利用されるタイムフレームです。日足でツーステップリバーサルが出現すれば、数日から数週間のトレンド転換を示す可能性があります。特に株式市場では、決算発表後やニュース直後に現れることが多く、短期トレードのチャンスとなります。
週足・月足での信頼性
長期投資家は、週足や月足に注目することが多いです。週足や月足でツーステップリバーサルが出現すると、数か月単位のトレンド転換を示すことがあり、資産形成に役立つ長期戦略に活かせます。
他のローソク足パターンとの併用
例えば「包み足」や「ピンバー」と同時に出現した場合、転換のサインがさらに強固になります。また、移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスと組み合わせると、投資判断の精度を高められます。
ツーステップリバーサルを活用したトレード戦略
エントリーのタイミング
ツーステップリバーサルが確認できたら、2本目の足が確定した直後がエントリーポイントとされます。上昇転換の場合は買い、下降転換の場合は売りポジションを取るのが基本です。
利確と損切りの設定方法
- 利確ポイント:直近の抵抗線や支持線
- 損切りライン:2本目のローソク足の安値(または高値)を割ったら撤退
このように明確な基準を持つことで、リスクを最小限に抑えられます。
短期トレードと長期投資での使い分け
- 短期トレード:日足や4時間足で出現したパターンを狙う
- 長期投資:週足や月足で確認してからポジションを持つ
時間軸を使い分けることで、トレードスタイルに応じた戦略が可能になります。
ツーステップリバーサルの注意点
ダマシに遭遇するケース
相場には「フェイク」と呼ばれるダマシが存在します。ツーステップリバーサルも万能ではなく、特に出来高が少ないときやレンジ相場では信頼性が下がります。
相場環境による信頼性の変化
単独での使用リスク
このパターンだけで売買を決めると、予想外の値動きに巻き込まれるリスクがあります。必ず他のテクニカル指標やファンダメンタル分析と組み合わせるべきです。
ツーステップリバーサルと他の反転パターンとの比較
ツーステップリバーサル vs. ダブルボトム
- ダブルボトムは「2度目の底」で反転を確認するため遅れやすい
- ツーステップリバーサルはより早く反転サインを示す
ツーステップリバーサル vs. ヘッドアンドショルダー
- ヘッドアンドショルダーは複数の山谷で構成され、時間がかかる
- ツーステップリバーサルは2本のローソク足だけで確認可能
ツーステップリバーサル vs. 包み足
- 包み足は「大きなローソク足が前の足を飲み込む」形
- ツーステップリバーサルは「2本で逆方向に展開」する点で異なる
ツーステップリバーサルに関するよくある質問(FAQ)
- ツーステップリバーサルは初心者でも使えますか?
-
はい。ローソク足2本だけで確認できるため、初心者にも分かりやすい手法です。
- FXや仮想通貨でも有効ですか?
-
有効です。株式市場だけでなく、為替や暗号資産でも同様に機能します。
- ダマシを避けるにはどうすればいいですか?
-
出来高や他のテクニカル指標を併用することで、精度を高められます。
まとめ:ツーステップリバーサルで相場の転換点を見抜く
ツーステップリバーサルは、わずか2本のローソク足で相場の流れを見抜けるシンプルかつ強力な手法です。初心者でも理解しやすく、プロも愛用するチャートパターンとして高い人気を誇ります。
ただし、万能ではないため、必ず他のテクニカル指標や相場状況と組み合わせることが大切です。過去のチャート検証やデモトレードで経験を積み、実際のトレードで活かしていきましょう。


