「出来高って、ただの取引量じゃないの?」そう思っていた方、ちょっと待った!テクニカル指標の中でも、じわじわと注目を集めているのが「出来高オシレーター」です。価格の動きと出来高の関係性を可視化することで、トレンドの強弱や転換のタイミングが読み解ける可能性があるんです。
この記事では、実践的な使い方をわかりやすく解説していきます!
出来高オシレーターとは?|基本概念と特徴を理解しよう
出来高オシレーターとは、短期と長期の出来高移動平均の差から、価格トレンドの勢いを視覚化するテクニカル指標です。具体的には、一定期間の「短期出来高移動平均」と「長期出来高移動平均」を計算し、その差をグラフ化することで、現在の相場が「買いの勢いにあるのか」「売りの圧力が強いのか」を直感的に把握できるのが特長です。
例えば、短期の出来高が長期のそれを上回ると、グラフはプラス方向に反転し、これは市場に活発な買い注文が入ってきたことを示唆します。一方、逆の状態では売り圧力の強まりを示すマイナスの値をとります。
この「出来高オシレーター」は、特に「ゼロライン」を境に注目されることが多く、ラインを上抜ければ「強気トレンド」、下抜ければ「弱気トレンド」の兆候とされる場合があります。また、価格の動きとは異なる方向に推移する「ダイバージェンス」も重要なサインの一つ。これが見られると、相場の転換点が近い可能性も浮上します。
出来高オシレーターの定義と仕組み
出来高オシレーターとは、「Volume Oscillator」の日本語訳で、主に出来高の変動からトレンドの強さを測る指標です。基本的な構造は、短期出来高移動平均(例:14期間)と長期出来高移動平均(例:28期間)の差をパーセンテージで表す、というもの。これにより、過去の平均的な取引量と現在の取引量を比較して、市場の活気やトレンドの転換点を把握しやすくなります。
以下のような数式で計算されます
VO = [(短期出来高平均 – 長期出来高平均) ÷ 長期出来高平均] × 100
この値が「正(+)」であれば、買いが優勢になっていると判断され、「負(-)」であれば、売りが強まっている可能性があります。
ここで大事なのが「ゼロライン」。このラインを上に抜けたら買い勢力が強まっている合図、逆に下に抜けたら売り勢力が強まっているシグナルとされます。また、VOの動きと価格の動きに食い違い(ダイバージェンス)があれば、それは相場の転換のヒントになることも!
他のテクニカル指標との違いとは?
出来高オシレーターのユニークな点は、「価格」ではなく「出来高」に着目してトレンドの強弱を測ることにあります。多くのテクニカル指標が価格の変化をベースにしている中で、この指標は“市場の熱量”ともいえる取引量にフォーカスしています。
まず、よく比較されるのが「MACD(移動平均収束拡散法)」です。MACDは短期と長期の移動平均線の差を視覚化し、価格トレンドの転換点を見つけるのに使われます。一方、出来高オシレーターは同様のロジックを「出来高」に適用しており、価格トレンドそのものよりも、トレンドが“どれだけの支持を受けているか”を読み取るためのツールといえます。
さらに、RSI(相対力指数)やストキャスティクスなどの「オシレーター系指標」とも役割が異なります。これらは買われすぎ・売られすぎといった“価格の水準”を判断材料とするのに対し、出来高オシレーターは“市場参加者の勢い”を見るため、相互補完的な使い方が非常に有効です。
「出来高オシレーターは、他の指標じゃ見落としがちな“相場の本音”を教えてくれるのかも…」そんなふうに感じたら、ぜひ一度試してみる価値がありますよ。
出来高オシレーターの設定方法|トレーディングビューでの表示手順
出来高オシレーターは、トレーディングビュー(TradingView)を使えば誰でも簡単に表示・カスタマイズが可能です。とはいえ、正しい設定ができていなければ、本来のパフォーマンスを発揮できません。このセクションでは、表示方法からパラメーター設定、注意すべきポイントまでを網羅的に解説していきます!
TradingViewに出来高オシレーターを追加する手順
TradingViewで出来高オシレーターを表示するのは驚くほど簡単です!まずはチャート画面の上部にある「インジケーター」ボタンをクリック。検索バーに「Volume Oscillator」と入力すると、候補がズラリと表示されます。その中から目的のインジケーターを選択すれば、チャート上に自動で反映されます。
ここでポイントとなるのが、「どの出来高オシレーターを選ぶか」。実は、TradingViewには複数のカスタムスクリプトが存在し、それぞれ微妙に仕様が異なることがあります。まずは、標準提供されている「Volume Oscillator」を選ぶのが無難です。
表示された後は、インジケーターの設定アイコン(歯車マーク)をクリックして、短期(例:14)と長期(例:28)といったパラメーターを調整できます。ここで自分のトレードスタイルに合った期間を設定することが、分析精度を左右する大事なポイントです。
また、チャート上ではゼロラインが自動で表示されるため、トレンドの転換点や売買のタイミングを視覚的に捉えやすくなります。
設定時の注意点とカスタマイズ方法
出来高オシレーターは非常に便利な指標ですが、適切な設定を行わないと、誤ったシグナルを読み取ってしまうリスクがあります。特に「期間設定」と「他指標との併用」の2点が、トレード精度を左右する重要なカスタマイズポイントです。
まず、期間設定について。一般的には短期を「14」、長期を「28」とするケースが多いですが、これは相場のボラティリティやトレードスタイルによって調整が必要です。例えば、スキャルピングのような短期売買では短めの設定が向きますし、スイングトレードならやや長めの期間でトレンドの持続性を測ったほうが効果的です。
次に、出来高オシレーター単体で判断せず、MACDやRSI、ボリンジャーバンドなどの他のテクニカル指標と組み合わせることで、シグナルの精度が高まります。これは「コンファメーション(確認)」と呼ばれる手法で、1つの指標だけに依存するリスクを軽減してくれます。
出来高オシレーターの使い方|トレードでの具体的活用法
出来高オシレーターは、単なる指標ではありません。エントリーやエグジットのタイミングを判断したり、トレンドの転換点を察知するための「感度の高いセンサー」のような存在です。
エントリーポイントとエグジットの判断基準
出来高オシレーターを活用する最大の利点は、「タイミングの見極め」にあります。特に、エントリーとエグジットのシグナルを明確に捉えるために、ゼロラインのクロスやダイバージェンス(乖離)を注視するのが基本です。
まず、ゼロラインのクロス。これは最もわかりやすいサインで、出来高オシレーターがゼロを上抜けた場合、それは「買いの圧力が売りを上回った」ことを示します。逆に下抜ければ、「売りが優勢になった」可能性が高いとされ、トレンドの方向性を判断する指標となります。ここでのエントリーは、他のテクニカル指標(例えば、MACDや移動平均線)と組み合わせて「複数の一致したサインが出ている」場合に強力です。
次に注目したいのが、ダイバージェンス。これは、価格が上昇しているにもかかわらず、出来高オシレーターが下降しているなど、相反する動きを見せる現象です。この場合、「価格の上昇には勢いがなく、反転の可能性がある」というシグナルになります。逆もまた然りで、価格が下がっているのにオシレーターが上昇していれば、反発の兆しと判断できます。
出来高オシレーターの注意点と限界|正しく使って損失を防ごう
どんなに優れたインジケーターでも、万能ではありません。出来高オシレーターも例外ではなく、相場環境や使い方次第では誤った判断を招くリスクもあります。
よくある誤解とその回避方法
出来高オシレーターに対してありがちな誤解は、「ゼロラインを超えたからといって、すぐに売買してよい」という過信です。確かに、ゼロラインのクロスはトレンドの兆しを示す重要なシグナルではありますが、それが“即エントリー”の合図になるとは限りません。
というのも、出来高というのは非常に変動しやすく、特に材料が乏しい相場やレンジ状態のときは、一時的な動きでオシレーターが敏感に反応してしまうケースがあります。このような“ノイズ”に反応して売買してしまうと、ダマシに引っかかりやすくなるのです。
もうひとつの誤解は、「出来高が多ければ多いほど良い」という思い込みです。確かに、出来高が増えること自体は市場に注目が集まっているサインではありますが、それが“買い”や“売り”どちらの方向なのかを読み間違えると、まったく逆の行動をしてしまう恐れもあります。特に機関投資家が仕掛けたフェイクの出来高増加などもあるため、慎重な判断が必要です。
こうした誤解を避けるためには、出来高オシレーターだけに頼らず、チャートパターンや価格アクション、他のテクニカル指標と併せて分析する姿勢が不可欠です。「指標はあくまで“ヒント”。決断は自分で下す」この意識が、トレーダーとしての成長にもつながります。
初心者が避けるべき落とし穴
出来高オシレーターに限らず、テクニカル指標を扱う際に初心者が陥りやすいのが、「ツールへの依存」です。「インジケーターがこう言ってるから…」という思考に偏ると、市場全体の流れや背景を無視してしまう危険性が高まります。
まず最初に注意したいのは、出来高オシレーターだけを見て売買を判断しないこと。出来高は確かに市場参加者の熱量を示す重要な要素ですが、価格の動きやローソク足の形状、他のインジケーターとの整合性が取れていなければ、それは“見かけだけのシグナル”に過ぎない可能性もあります。
また、設定ミスにも要注意。デフォルトの期間設定(例:短期14、長期28)をそのまま使っていると、相場のボラティリティや自身のトレードスタイルに合わず、全く意味のないサインになってしまうことも。特に、短期売買をしているのに期間が長すぎると、動きが鈍くてチャンスを逃すこともあります。
さらに、ゼロラインのクロスだけに頼ると、「トレンドが始まった」と勘違いしてポジションを持ってしまい、結果として損切りに追い込まれる…というケースも少なくありません。これを避けるには、トレンドの有無を先に確認し、レンジ相場では使用を控えるといった判断も必要です。
まとめ
出来高オシレーターは、ただの補助ツールではありません。トレーダーとして「相場を見る目」を養い、自分だけの分析軸を構築するための強力な味方です。このセクションでは、出来高オシレーターを使うことでどんな未来を描けるのか、その理想像を具体的にお伝えしていきます。
トレンドの兆候をいち早く察知する
出来高オシレーターの真価は、「目に見えにくい市場の変化」を誰よりも早く感じ取れることにあります。トレンドというのは、往々にして価格の動きが現れる前に、出来高の増減という“裏の動き”として先に兆候を見せるもの。まさにこの“気配”を察知できるのが、出来高オシレーターの最大の魅力です。
例えば、価格はまだヨコヨコ(レンジ)なのに、出来高オシレーターがじわじわとゼロラインを上回ってくる…そんな場面は「見えない買い圧力が蓄積している」可能性が高いシグナルです。このような初動を捉えられれば、大きなトレンドが始まる前に先回りするようなトレードが実現できるのです。
また、トレンドの持続性を測るのにも効果的です。価格が上昇しているのに、出来高オシレーターが横ばいまたは減少している場合、それは「買いの勢いが減ってきている」という警告ととらえられます。つまり、そろそろ利確や様子見のタイミングかもしれない、というわけです。
こういった分析ができるようになると、「市場の表情が見えるようになった」と感じる方も多く、自信を持ってエントリー・エグジットの判断ができるようになります。
他のトレーダーとの差別化と優位性
テクニカル指標があふれる中で、「他のトレーダーとどう差をつけるか?」と悩む方は多いはず。そんな中、出来高オシレーターを分析に組み込むことで、“情報の深さ”と“視点の違い”を武器に、より独自性のあるトレードが実現できます。
出来高オシレーターは、価格だけを追いかける他のトレーダーとは違って、市場の“内側”を読み解くツールです。たとえば、MACDやRSIだけでは見逃してしまう「買いの勢いの陰り」や「売り圧力の立ち上がり」といった微妙な変化も、出来高の流れを通じて察知できるのです。
このように、トレードの判断材料に“出来高のロジック”を取り入れることで、自分だけの戦略を構築でき、売買のタイミングに対する納得感も増します。「なぜ今買うのか?」「なぜ今売るのか?」という問いに対して、論理的に答えられることこそが、安定したトレードには不可欠です。
さらに、日々の相場分析においても、出来高オシレーターを使って“トレンドの厚み”や“勢いの衰え”を捉える習慣がつけば、市場の変化に柔軟に対応する力も自然と身につきます。
つまり、出来高オシレーターは「感覚だけに頼らないトレード」の土台を築く、知的な武器とも言えるのです。
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