
ただ、「VIって何がそんなにすごいの?」「どう活用すれば?」と疑問に感じている方も多いはず。今回はそのモヤモヤをスッキリ解消していきます!
Vortex Indicator(VI)とは?基本から理解しよう

特徴的なのは、トレンドの「方向性」と「強さ」を同時に視覚化できるという点です。
トレーダーの間では、トレンドの転換点を逃さず捉えるツールとして注目を集めています。
このインジケーターは、2本のラインで構成されています。
「VI+(プラスライン)」は上昇トレンドの強さを、「VI−(マイナスライン)」は下降トレンドの強さを示します。この2本がクロス(交差)するポイントこそが、売買シグナルの発生源です。

例えば、VI+がVI−を上抜けたら上昇トレンドが始まった可能性を推測できる一方で、VI−がVI+を下抜けた場合は下落トレンドの可能性があると判断する材料になります。
実際の相場では、移動平均やMACDのように「ラグ(遅れ)」が生じる指標が多い中、VIは相場の勢いをダイレクトに反映するため、より早期のシグナル発見に貢献することがあります。
Vortex Indicatorの計算方法
Vortex Indicator(VI)の計算は、見た目のシンプルさに反して、裏側ではしっかりと数学的な処理が施されています。VI+とVI−は、それぞれトレンド方向の「真の動き」を捉えるための計算式に基づいています。
これは「当日の高値と安値の差」だけでなく、「前日の終値とのギャップ」も加味して、その日の実質的な値動きの大きさを測定する指標です。
具体的には、以下の3つのうち最大値を選びます
- 当日高値 − 当日安値
- 当日高値 − 前日終値(絶対値)
- 当日安値 − 前日終値(絶対値)
このTRをベースにして、VI+は「当日の高値と前日安値の距離(絶対値)」の合計、VI−は「当日の安値と前日高値の距離(絶対値)」の合計を、それぞれ特定期間で割ることで求めます。
計算式は以下の通り:
- VI+ = Σ|当日高値 − 前日安値| ÷ ΣTrue Range(TR)
- VI− = Σ|当日安値 − 前日高値| ÷ ΣTrue Range(TR)
ただし注意点として、期間設定によって感度が大きく変わるため、相場状況に応じた調整が必要です。短期間にすると反応が速くなりますが、ダマシも増えるリスクがあります。

一方で長期間に設定すれば安定性は上がるものの、シグナルの出現が遅れがちなることもあります。
「どの期間を使えばいいか悩む…」という方は、まずは14期間でスタートして、トレードスタイルや取引銘柄に合わせて微調整してみてください。
売買シグナルを見極めるクロスオーバー戦略
Vortex Indicator(VI)の最も注目すべき活用ポイントが、この「VI+とVI−のクロスオーバー」です。

これがトレンドの転換点を捉えるサインとなり、売買判断の起点になります。
まず基本ルールとして覚えてほしいのが以下の2つ。
- VI+がVI−を上抜ける:買いシグナル
- VI−がVI+を上抜ける:売りシグナル
このクロスオーバーが発生したタイミングで、「トレンドの方向性が変わった」と判断されるわけです。この明快さこそがVIの魅力でもあります。
特にボラティリティの高い相場では、「ダマシのクロス」も多く発生します。そこで重要なのが、乖離幅(スプレッド)の確認。
VI+とVI−の差が大きいときは、トレンドがしっかり出ている証拠。逆に、ラインが絡み合っている状態では、トレンドが不安定な可能性が高いです。
また、クロス直後の値動きが小さい場合は「様子見」、ある程度の値動きを確認してからエントリーする「確認型トレード」が安心。さらに、RSIやMACDとの併用で精度を高めることもできます。
このように、クロスオーバーはVIを使いこなすうえでの「基本動作」。シンプルですが、市場のモメンタムを直感的に把握できる有効な方法なのです。
Vortex Indicatorと他のテクニカル指標との併用方法
Vortex Indicator(VI)は単体でも有効なツールですが、他のテクニカル指標と組み合わせることでその真価が発揮されます
特に相性が良いのが、モメンタム系・オシレーター系の指標。トレンドの強弱や継続性を多角的に判断することで、エントリーとエグジットの精度をグッと高めることができます。
「RSI(相対力指数)」との組み合わせ
まずは「RSI(相対力指数)」との組み合わせ。RSIは売られすぎ・買われすぎを判断するオシレーター系指標です。
たとえば、VI+がVI−を上抜けたと同時に、RSIが70を超えている場合、これは「強い上昇トレンドの継続」が示唆されるため、買いエントリーの信頼度が上がります。

「MACD(移動平均収束拡散法)」との組み合わせ
次に、「MACD(移動平均収束拡散法)」との併用。MACDはトレンドの方向と勢いを視覚的に示してくれる指標ですが、シグナルのタイミングがやや遅れる傾向があります。
ここに、より早めに反応するVIを加えることで、「MACDがクロスする前にトレンド転換を察知する」ことも可能になります。
「ADX(平均方向性指数)」との組み合わせ
さらに「ADX(平均方向性指数)」も注目です。これはトレンドの“強さ”だけに着目した珍しい指標。
ADXが高く、かつVI+とVI−が大きく乖離している場合は、非常に安定したトレンド相場である可能性が高いです。
このように、VI単体でのクロスだけに頼るのではなく、複数指標で相場の環境認識を深めることがポイント。「どれも同じ方向を示している」場合こそ、エントリーの強度が高まるタイミングだと考えてください!
VIのトレンド転換の見極めとエントリータイミング
トレンド系指標の中には、反応が遅れがちなものも多いですが、VIは「価格の動きそのもの」を元に計算されているため、比較的素早く変化を察知することができます。

具体的には、VI+とVI−が交差する瞬間が、トレンドの転換点の候補。たとえば、VI+がVI−を下から上に突き抜けた場合、それは「上昇トレンドの始まりかも?」というサインになります。
この時点でのエントリーができれば、トレンドの初期段階でポジションを持てるということです
ただし、クロスが発生した直後の値動きが乏しい場合や、VIライン同士の角度が浅い場合は「本物のトレンド転換」ではない可能性も。ここで役立つのが、スプレッドや「トゥルーレンジ(TR)」の変化。これらを確認することで、相場の勢いを測ることができます。
エントリータイミングとしては、以下のような判断基準が有効です
- クロス直後にローソク足が直近の高値(または安値)をブレイクしたとき
- クロスに加えてRSIやMACDも同方向を示しているとき
- ボラティリティが急上昇しているとき(=市場が動き出したサイン)
さらに、VIはスイングトレードにもデイトレードにも応用できますが、相場の時間軸に応じてVIの期間設定を柔軟に変えることがカギです。
トレンドの転換点をいち早く捉えることができれば、その後の値動きにしっかり乗れる可能性が高まります。ただし、常に「確認→検証→行動」のルーチンを守ることも大切です!
リスク管理と誤認識を防ぐための注意点
Vortex Indicator(VI)はトレンドの視覚化に優れたツールですが、「万能ではない」ことをしっかり理解しておくことが大前提です。
まず最初の注意点は、クロスオーバーによる“ダマシ”のリスク。VI+とVI−が交差したからといって、必ずしもトレンドが発生するとは限りません。ボラティリティが低いレンジ相場や、ファンダメンタルズによる突発的な変動がある相場では、シグナルが機能しないケースもあるのです。
これを防ぐためには、以下のような確認ステップを踏むと効果的です
- クロス直後のローソク足が直近高値(または安値)を超えているか確認
- RSIやMACD、ADXなど他の指標とシグナルが一致しているかをチェック
- 出来高が増加傾向にあるかどうかで、トレンドの“本気度”を測る
次に注意したいのが、VIへの過信と過剰依存です。VIは価格の動きを“純粋に”捉える反面、「ニュース・イベント要因」や「出来高変動」といった外的要因には無防備です。

そのため、必ずファンダメンタルズや市場の背景も確認したうえで総合的な判断を行いましょう。
また、設定ミスによる誤読も要注意。特に初心者に多いのが、デフォルトの14期間をそのまま使い続けてしまい、実際の相場と合っていないというケース。
マーケットの性質(株式か、為替か、仮想通貨か)に応じて期間を最適化することで、シグナルの精度は大きく変わります。
VIインジケーター ダウンロード
以下のボタンから、「Vortex_systre.ex4」をダウンロードできます。
使い方
- ダウンロードした
Vortex_systre.ex4
を
MT4の「Indicators」フォルダに移動
(例:ファイル → データフォルダを開く → MQL4 → Indicators
) - MT4を再起動、またはナビゲーターで「更新」をクリック
- チャートにドラッグ&ドロップして使用開始!

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