「最近、価格チャートだけ見てトレードしてるけど、どうも読みが外れるんだよな…」──そんな悩み、ありませんか?実は、価格の動きだけでは市場の本当の勢いは見えてきません。重要なのは、“出来高”です。特に、出来高の変化を捉える「Volume Rate of Change(VROC)」は、トレンドの裏に隠れた市場心理を読み解く強力な武器。
今回は、このVROCの使い方と戦略を、徹底的に解説していきます!
出来高変化率(VROC)とは何か?トレンド分析に不可欠な指標
「VROCって聞いたことはあるけど、何なのかよくわからない…」そんな方に向けて、まずはこの指標の基本からしっかり押さえておきましょう。
出来高変化率(Volume Rate of Change, 通称VROC)は、一定期間内の出来高の増減をパーセンテージで表すテクニカル指標です。
計算式はシンプルで、現在の出来高とn期間前の出来高の差を、n期間前の出来高で割って100をかけたもの
VROC = ((現在の出来高 - n期間前の出来高) ÷ n期間前の出来高) × 100
この数値が大きければ大きいほど、出来高が急変している、つまり市場の注目度や参加者の熱量が変化していることを意味します。
たとえば、ある銘柄の出来高が10日前より50%増えていたとしたら、VROCは+50。逆に30%減っていれば、VROCは-30となります。この変化は、そのままトレンドの強さや反転の兆候を示唆する重要なサインになるのです。
価格が動いていても出来高が伴わない場合、「あれ、これって本物の動きじゃない?」という疑念が浮かびますよね?まさにその“直感”を数値化してくれるのがVROC。これを活用すれば、「見かけ倒しのブレイクアウト」や「勢いのない上昇」などに騙されにくくなります。
VROCの使い方:出来高トレンド分析に役立つ基本戦略
VROCは、単に数値を見るだけでなく、トレンドの信頼性を判断するための分析手法として非常に有効です。ここでは、実際にどのようにVROCを活用すればよいか、その基本戦略をお伝えします。
出来高増加が示すトレンドの信頼性
まず、価格が上昇しているときにVROCがプラス、つまり出来高も同時に増加している場合──これは非常に強いトレンドのサインです。市場参加者の関心が高まり、買いが殺到している状態と読み取れます。「これって、みんな買ってるってこと?」という感覚が、VROCで裏付けられるのです。
逆に、価格が上昇しているのにVROCがマイナスだった場合、出来高が減っている=関心が薄れていることを意味します。これは「見かけ倒しの上昇」である可能性が高く、慎重な判断が求められます。
出来高減少と価格変動の乖離が示すリスク
たとえば、急な価格上昇にもかかわらず出来高が減っている場合、買いが一部のトレーダーに限られており、「ダマし上げ」であるリスクが。VROCが低下していれば、こうした“異常事態”を事前に察知できるのです。
また、下降トレンドにおいても同様で、VROCがプラス方向に急上昇しているなら、それは「売りが加速しているサイン」であり、トレンドの加速が読み取れます。
VROCを活用したトレーディング戦略とその実践法
VROCの値は、価格の変動に伴う市場参加者の反応をリアルタイムで反映してくれるため、トレーディング戦略に取り入れることで、より洗練された判断が可能になります。ここでは、実践的なVROC活用法をご紹介します。
出来高変化率を活用したブレイクアウトの見極め
ブレイクアウトとは、価格が一定の抵抗線(レジスタンス)や支持線(サポート)を突き抜ける現象のこと。しかし、この動きが「本物」か「ダマし」かを判断するのが難しいところ。そんなときに役立つのがVROCです。

たとえば、レジスタンスラインを上抜いた直後にVROCが急上昇していたら、それは出来高の裏付けがある=多くのトレーダーがその動きに参加している証拠。つまり、信頼性の高いブレイクアウトと判断できます。
反対に、ブレイク直後のVROCが低い場合、参加者が少ない=「勢いが足りない」という警告サイン。そのブレイクアウトに飛び乗るのは、ややリスキーと言えます。
偽のブレイクアウトを見抜くチェックポイント
「価格がレジスタンスを超えた!エントリーだ!」と焦って入ったら、すぐに反落…そんな苦い経験をしたことはありませんか?VROCはこうした“偽りの動き”を見抜くのに役立ちます。
以下のような条件が揃っていたら、警戒すべきブレイクアウトです
- VROCが低いまたは下降傾向にある
- 過去の高VROCブレイクと比較して著しく低い
- ボラティリティが極端に小さい
これらをチェックすることで、安易な判断を避けられるのです。
VROCを活用したエントリー・エグジット戦略
VROCの値が急上昇したら「新しいトレンドが始まる合図かも」と考え、エントリーポイントとして注視します。逆に、値が鈍化し始めたら「勢いが落ちた」と判断し、エグジットを検討する材料に。
また、短期(例:10期間)と長期(例:50期間)のVROCを同時に表示することで、短期的な勢いと中長期的な流れのギャップを把握しやすくなります。この視点を持つことで、「なぜ今その判断をするのか?」に対して、明確な根拠が生まれます。
VROCを使いこなすための注意点とよくある誤解
VROCは非常に有効なテクニカル指標ですが、正しく理解しないまま使うと逆効果になってしまう可能性もあります。このセクションでは、VROCの限界や誤用されやすいポイントについて解説します。
VROCの限界と補完すべき分析手法
まず押さえておきたいのが、「VROCはあくまで出来高の変化率を示す指標であり、価格の方向性そのものを示すわけではない」という点です。たとえば、VROCがプラスだからといって必ずしも上昇トレンドとは限らず、それは「出来高が増えた」というだけの話。つまり、「何が増えたか(買いか売りか)」までは分からないのです。
このため、VROC単体での判断は危険であり、ローソク足パターン、移動平均線、モメンタム指標などと組み合わせて総合的に判断する必要があります。
指標を多用しすぎない判断力の磨き方
ありがちな落とし穴は、「多くの指標を重ねすぎて何が何だかわからなくなる」こと。チャートが情報過多になると、逆に判断を鈍らせてしまいます。
大切なのは、自分が「何を見たいのか」を明確にすること。たとえば、「勢いを確認したい」ならVROCやモメンタム系指標を中心に、「トレンドの方向性が知りたい」なら移動平均線やトレンドラインを優先。目的ごとに使う指標を絞ることで、クリアで迷いのない分析が可能になります。
初心者が陥りやすいVROCの解釈ミスとその回避法
特に初心者に多いのが、「VROCが高い=買い時、低い=売り時」と単純に捉えてしまうケース。しかし、VROCは“勢い”を表しているに過ぎず、方向性やタイミングは他の要素との併用なしでは判断できません。
このミスを防ぐためには、まず“価格と出来高の関係”をセットで観察する癖をつけること。そして、トレードを振り返る際に「なぜこのときVROCがこの値だったのか」を検証する習慣を持つと、理解が深まりやすくなります。
まとめ
VROC(出来高変化率)は、市場の熱量を視覚化する優れたテクニカル指標です。価格だけでは見抜けない“本当の勢い”を知ることで、信頼性の高いトレード判断が可能になります。出来高の裏付けがあるブレイクアウトや、乖離を察知することで、無駄な損失を未然に防ぐこともできるでしょう。日々のチャート分析にVROCを取り入れることで、より冷静で精度の高いトレーディングが実現しますよ!
VROCインジケーター ダウンロード
以下のボタンから、「VROC_systre.ex4」をダウンロードできます。
使い方
- ダウンロードした
VROC_systre.ex4
を
MT4の「Indicators」フォルダに移動
(例:ファイル → データフォルダを開く → MQL4 → Indicators
) - MT4を再起動、またはナビゲーターで「更新」をクリック
- チャートにドラッグ&ドロップして使用開始!

⚠ 注意事項
無料配布のサンプルです
商用利用・再配布は禁止とさせていただきます
本インジケーターは シストレ.COMの登録口座でご利用いただけます。
※ 認証が行われていない口座ではご使用いただけません。