市場サマリー
昨日の外国為替市場では、ドル指数がわずかに0.02%上昇し、104.66で取引を終えました。ユーロは対ドルで0.03%下落し、1.0855で取引を終えました。ポンドも対ドルで0.06%下落し、1.2760となりました。
一方、国際現物金は0.38%上昇し、2360.95ドル/オンスで取引を終えました。
米ドル指数
先週の米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な会議議事録と予想を上回る経済データにより、利下げ予測が後退し、米国債利回りとドル指数が反発しました。しかし、その反発は限定的でした。今週はドルの動きが控えめで、ドル指数は震えながら下落し、昨日は104.66で取引を終えました。
先週発表された5月の米国製造業と非製造業PMIがどちらも予想を上回る拡張を示し、4月のデータが一時的な要因によるものだったことを示唆しました。これにより、FRBの利下げの緊急性が低下し、米国経済の成長への懸念が和らぎました。
金融政策面では、先週のFRB会議議事録はタカ派的でしたが、5月の会議後に発表された一部の経済データが弱かったため、一時的に利下げ予測が高まりました。ただし、議事録の内容は5月の会議後のFRB高官の発言と一致していたため、市場への影響は限定的でした。
現在、市場は最新のデータの変化を注視しています。もし6月に発表される5月の雇用とインフレデータが引き続き強い結果を示す場合、FRBは今年の利下げの可能性をさらに低くし、追加利上げの可能性を示すかもしれません。6月の会議で示されるドットプロットと経済予測がどう変化するかが注目されます。
これらの重要データが発表されるまで、ドル指数は引き続き震える動きを見せると予想され、明確なトレンドは見られないでしょう。
ポンド/ドル
先週、ドルの小幅な反発の中で、ポンドはデータの支えを受けて週単位で上昇し、非ドル通貨の中で目立った動きを見せました。今週はドル指数の下落の背景で、ポンド/ドルは震えながら上昇し、昨日は1.2760で取引を終えました。
インフレに関しては、先週発表された4月のCPIデータが前年同月比・前月比ともに予想を下回りましたが、その下落幅は予想を下回りました。これは主にサービス業のインフレの粘性が原因であり、データの発表後、市場はインフレの下落が難しいと懸念し、利下げ予測が大幅に後退しました。その結果、英国の初回利下げ時期は8月から11月に後ろ倒しされました。
さらに、先週発表された5月のPMI速報値では、総合PMIとサービス業PMIが予想を下回ったものの、製造業PMIは予想を大きく上回り、景気の分岐点を上回る結果となりました。今月初めに発表された第1四半期のGDPも前年同期比・前月比ともに予想と前回値を大きく上回りました。これにより、英国経済の回復が示され、利下げの緊急性が緩和されました。
今後のポンドの動きは、英米の経済動向と両国の中央銀行の利下げ予測の変化に左右されます。短期的には、ポンドはある程度の耐性を示すと予想されますが、FRBの利下げ予測がさらに後退すれば、ポンドも圧力を受けて弱含む可能性があります。テクニカル的には、ポンド/ドルは上方の1.28付近に強い抵抗があり、下方のサポートは1.26付近に位置しています。