市場サマリー
昨日の外国為替市場では、ドル指数が0.4%上昇し、105.27で取引を終えました。一方、主要な非米通貨は全般的に下落しました。ユーロ/ドルは0.23%下落して1.0740で終了し、ポンド/ドルはわずかに0.06%上昇して1.2739で取引を終えました。ドル/スイスフランは0.11%上昇して0.8976で取引を終えました。国際現物金価格は0.25%上昇し、1オンスあたり2316.41ドルでした。
米ドル指数
先週、ドル指数は多様な経済データに影響を受けて一時的に下落しましたが、最終的には0.35%上昇しました。今週に入り、その上昇トレンドが続いており、昨日は105.27で取引を終えました。
経済データに関しては、5月のアメリカのISM製造業とサービス業のPMIデータが発表されました。製造業PMIは48.7と予想を下回り、製造業の回復が依然として不安定であることが示されました。一方、サービス業PMIは53.8で、予想を大きく上回り、サービス業の強力な成長動向を示しています。特に、新規注文指数とビジネス活動指数の上昇が目立ちます。労働市場では、4月のJOLTS(求人件数)データは予想を下回りましたが、5月の非農業部門雇用者数は予想を大きく超える27.2万人の増加となり、平均時給も予想を上回る4.1%の伸びを示しました。一方で、失業率は4%に上昇しました。これらの結果から、アメリカの労働市場が依然として強靭であることが示されました。このデータの発表後、FRBが9月に利下げする確率は50%未満に低下し、米国債利回りとドル指数は上昇しました。
今後の見通しとしては、FRBが利下げを行うかどうかの中心的な要因は引き続きインフレの動向です。今週はアメリカの5月CPI(消費者物価指数)データと、FRBの6月FOMC会議が重要な焦点となります。もしCPIデータが予想を下回る場合、ドル指数は調整される可能性があります。しかし、もしCPIが予想を上回る場合、ドル指数はさらに上昇し、106を突破する可能性があります。
ポンド/ドル
6月に入って以降、ユーロはアメリカの経済データの弱さと欧州中央銀行(ECB)のハト派的な利下げの影響で一時的に上昇しましたが、アメリカの予想外の強い非農業部門雇用者数と欧州議会選挙のリスクが相まって再び下落し、1.07付近に戻りました。昨日の終値は1.0740でした。
経済データに関しては、5月のユーロ圏のPMIデータは、総合、製造業、およびサービス業のいずれも初期値からわずかに下方修正されましたが、総合とサービス業のPMIは依然として景気拡大を示す50以上を維持し、全体としては回復基調を続けています。しかし、この回復基調がユーロに対する支援効果は限定的です。これは、アメリカの経済が強く、ヨーロッパの経済が弱いという基本的な構造が依然として変わっていないためです。
今後の見通しとしては、アメリカの強い経済とヨーロッパの弱い経済という基本的な状況が続いているため、ユーロの上昇の勢いは限られています。FRBが正式に利下げサイクルを開始するまで、ECBとFRBの間の政策の分岐がユーロにさらなる下押し圧力をかける可能性があります。短期的には、ユーロは引き続き弱含みで推移することが予想されます。