市場サマリー
昨日の外国為替市場では、ドル指数が0.44%上昇し、104.19となりました。ユーロは対ドルで0.39%下落し、1.0896、ポンドも対ドルで0.50%下落し、1.2944となりました。国際現物ゴールドは0.55%下落し、2445.07ドル/オンスとなりました。
米ドル指数
先週発表された米国の6月未季調CPI(消費者物価指数)は前年同月比で3%増加し、前回の3.3%よりも明らかに鈍化し、予想の3.1%も下回りました。コアCPIも前年同月比3.3%と、前回および予想の3.4%から縮小しました。同時に、6月の米国工業生産は前月比0.6%増加し、予想の0.3%を上回りましたが、前回の0.7%より低くなりました。6月の新築住宅着工件数は年率換算で135.3万戸、建築許可件数は144.6万戸となり、いずれも予想と前回を上回りました。これらのデータは、5月末から7月初旬にかけて米国経済がわずかに成長しているものの、減速の兆候も見られ、労働市場の軟化とともに、今後も成長の鈍化が予想されます。
昨日、複数のFRB(連邦準備制度理事会)高官がハト派的な発言をしました。ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁は、経済状況に重大な変化がなければ、9月中旬の会合で利下げを検討する可能性があると述べました。同様に、FRB理事のウォラーも、インフレと雇用状況に重大な変化がなければ、利下げが近いと述べました。これらの発言から、市場はFRBが9月に利下げを行うとの期待を強めており、これが最近のドルの防御的姿勢を強化し、ドルの価値を抑制しています。
ユーロ/米ドル
基本的には、今週発表されたユーロ圏の7月ZEW経済景気指数は43.7で、5ヶ月連続の上昇から初めて下落しました。また、5月のユーロ圏工業生産データは予想をわずかに上回ったものの、0.6%のマイナス成長を記録しました。これらのデータは、ユーロ圏経済の全体的な成長が依然として弱いことを示しており、経済回復の基盤が依然として脆弱であることを示しています。
昨日の夜、欧州中央銀行(ECB)は政策金利を3.75%に据え置くことを発表しました。ラガルド総裁は、ECBは特定の利率経路を事前に約束しないと述べ、次回の利下げにはさらなるデータが必要であると述べました。また、ユーロ圏経済成長には下方リスクがあり、第2四半期の経済成長率は第1四半期を下回る可能性があるとも述べました。しかし、技術的には、ユーロ/ドルは現在21日移動平均線と200日単純移動平均線の上にあり、強気の見通しが示されています。短期的には、1.0900-1.0915の範囲が重要なサポートレベルとなるでしょう。
今後のユーロの動向は、米国とユーロ圏の経済データの相対的なパフォーマンスと両中央銀行の金融政策の変動に左右されます。短期的には、FRBの利下げ期待の高まりがユーロの支援材料となるでしょう。