基礎知識
アノマリーとは、通常の相場の動きからは外れた、いわば「異常な」値動きのことを言います。
- アノマリーの特徴
- アノマリーの種類
- アノマリー手法のEAの使い方
アノマリーとは
有名なものでは「ゴトー日」と言うものがあります。
これは日付け(月は無視)に5と10が付く日のことをゴトー日と言います。
米ドル間の輸入企業がドル決済を行うので円安になりやすいという傾向にあるものです。
また、月やジンクスのような都市伝説染みたようなアノマリーもあるのでご紹介します。
アノマリーの種類
有名なアノマリー
水曜スワップ
FXは毎日スワップポイントを受け取れますが、土日は市場が閉まっているため受け取れません。
その為、土日分は水曜日に受け取ることになってます。
金利の低い通貨は売られ安値になりがちです。逆もしかりで、高金利の通貨は買われ、高値になりがちです。
ロンドンフィキシング
ロンドン市場で顧客向けの外国為替取引のレートを決定する取引で、毎日行われています。特に月末のロンドンフィキシングでは、機関投資家が大口の取引を行う傾向があります。また、イギリスの企業が月末や月初に決算を行うため、輸出企業がポンドを買い戻すことでポンド相場が上昇することが予測されます。
セル・イン・メイ
米国株市場が夏に低迷する傾向があるため、その前に売るべきという考え方です。
アメリカの投資業界では格言としても有名なアノマリーです。
月ごとのアノマリー
1月 |
相場の方向感は、その年全体のトレンドを予測する手がかりになります。つまり、1月が上昇すればその年は上昇トレンドに、下落すれば下落トレンドになりやすいです。特に、株式市場で新しい資金が入りやすい時期では、1月は上昇トレンドが形成されやすく、為替市場も株式市場と連動して上昇する可能性が高くなります。また、1月にはその年の最高値または最安値が出ることがよくあります。 |
2月 |
1月の動きの反動で、戻りが生じやすい月です。これは米国債の償還や利払いなどが影響し、資金の移動やポジションの調整が行われるためです。そのため、特にドル円の場合、下落する可能性が高く、月初めから月末までの間に下落傾向が見られることがあります。 |
3月 |
日本企業が年度末に向けて外貨を円に交換する動きが見られるため、ドル円の下落傾向が強くなります。 |
4月 |
外貨投資が活発化するため、為替市場が大きく動く月と言われています。この時期はドルが買われ、円が売られる傾向にあり、ドル円は上昇しやすいです。 |
5月 |
「SELL IN MAY」という格言が知られており、この月に株式市場や為替市場が売りムードになることがよくあります。利益確定の売りが増え、ドル円が大きな転換点となることがあります。 |
6月 |
5月と同様に相場の転換点となりやすい月です。この月にもその年の最高値または最安値が出ることがあります。 |
7~8月 |
7月と8月は夏休みに入るため、市場が閑散としやすく、ドル円の動きが予測しやすくなります。特に日本の市場では、円高ドル安の傾向が強まります。 |
9~10月 |
大相場を形成しやすい月であり、そのトレンドが10月や11月まで続くことがあります。また、日本企業の中間決算に伴い、ドル円の下落傾向が強まります。アメリカでは「10月効果」と呼ばれる現象もあり、株価が大きく変動することがあります。 |
11月 |
9月から続いたトレンドが終わりを迎え、ポジションの調整が行われることが多い月です。そのため、相場が反転する可能性が高まります。 |
12月 |
12月はクリスマス休暇に向けて市場が荒れやすくなります。取引参加者が減少し、市場が閑散として取引が活発でなくなるため、ボラティリティが高まり、トレンドが出にくくなります。 |
政治系のアノマリー
アメリカ大統領選挙
当選した大統領の所属している党によってドル安・高になる傾向があります。
日銀の総裁就任
日銀出身者が総裁に就任した時に円高になりやすいという傾向があります。
過去1979年以降日銀出身者が就任した際に5人中4人が円高になりました。
アノマリーEA解説
ここからは、実際にアノマリーEAの運用方法を解説していきます。
EAの特徴
アノマリーとは、相場の予測パターンのことです。確かに、アノマリーにはその確率が高いものもありますが、投資家たちは相場の動きにはさまざまな要因が関与していることを理解しています。そのため、アノマリーを信じる人もいますが、それを無視して利益を上げている人もいます。したがって、トレンドに沿って取引する場合には、逆方向のアノマリーがある場合には注意することが重要ですが、あまり神経質になる必要はありません。
アノマリーのロジックが組み込まれているEAは基本的にほかのロジックと合わせている場合が大半になります。
EAの選び方
まずは、そのEAがどんなアノマリーに対応しているのかを確認しましょう。
次にそのEAが他に、どのロジックが搭載されているのかを確認しましょう。
他のロジックが自分の好みの取引手法なら、あとはその取引手法のEAの特徴や選び方を確認しましょう。
商品一覧
市場の通常の動きから逸脱する特異なパターンや現象を指します。これらのアノマリーは、過去の市場データや統計的な分析によって発見され、特定の時間帯やイベントにおける価格の予測可能性や予測不能性を示すことがあります。
Read MoreEAの使い方
アノマリーのロジックを組み込まれている場合は、どのようなアノマリーでどのようなロジックで対応しているのかを確認して、
そのアノマリーが起こりうる日程には、値動きに十分に注視しましょう。
注意点
アノマリーとは、ファンダメンタルズのようなテクニカルや理論では説明のつかないものの、高い確率で相場を動かすこともあります。100%頼り切るのはギャンブル性が上がってしまうので、そういうアノマリー対策のロジックが組み込まれたEAを使うときは、他の取引手法も取り入れてトレードしましょう。