基礎知識
デイトレードとは、1 日以内に売買を完結させる短期的な取引手法です。
- デイトレ手法の特徴
- デイトレ手法に使えるテクニカル分析
- デイトレ手法のメリット
デイトレとは
FXにおけるデイトレと言われる手法は、一日のうちに取引を終わらせ、次の日にポジションを持ち込ませないように取引する手法のことを言いますが、これではスキャルピングと同じではないかと思ってしまう方もいるかと思います。
明確な定義分けはなく、概念に近い認識になっていることが多いです。
よく言われる例として、比較してみたのでこちらをご覧ください。
取引手法 | 値動き | 取引時間 | 1日の取引回数 |
---|---|---|---|
スキャルピング | ~10pips | 数秒~数分 | 数十回~数百回 |
デイトレ | 10~100pips | 数分~数時間 | 数回~数十回 |
1日の中で取引を終わらせることを除いたらこれ程の認識の差があります。
また、スキャルピングと違い、一日中チャートに張り付く必要があまりなく、兼業でFXをやっている方でも比較的取引しやすい手法となっています。FXを始めるほとんどの方が他にも仕事をしていると思いますので、そういった点からデイトレも初心者の方におすすめできる取引手法となっております。
デイトレテクニカル分析
デイトレに有効なテクニカル分析を2つご紹介します。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
移動平均線
トレンドの転換サインを得るのに使われるテクニカルです。
スキャルピングは取引時間が短かったため、不向きでしたが、少し取引のペースを落としたデイトレでは有効的に利用することができるようになります。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドとは、中心の移動平均線と、その上下に一定の標準偏差に基づく帯状のラインを引いたものです。
統計的に、価格はこの帯の中を推移する可能性が高いと考えられます。
デイトレーダーは、この帯の動きから売買のタイミングを判断します。
例えば、価格が上側のラインに近づいた際に売り注文、下側に近づいた際に買い注文を出すなどのトレードが可能です。
また、帯の幅が狭まれば値動きが小さくなる兆候、反対に広がれば大きな値動きが期待できるサインとなります。
このようにボリンジャーバンドは、短期の価格動向を視覚的に捉えられるため、デイトレーダーによく使われてます。
関連記事
ここでは、FXの初心者やチャート分析をこれから学びたい方のために、ボリンジャーバンドの基礎知識をわかりやすく解説していきます。
Read Moreおすすめ通貨ペア
デイトレには、上記で述べた特徴があることにより、すべての通貨ペアで有益であるとは言えません。
デイトレを行う通貨ペアの条件として、2つの項目が挙げられます。
- ボラティリティが大きいこと
- スプレッドが狭いこと
一日で取引を完了させたいデイトレにおいて、ボラティリティが小さすぎると偶然ポジションを持てたとしても利確するタイミングが少なくなってしまい、いつになっても利益が生まれません。
ボラティリティとは、価格の変動度合いのこと。(価格の変動率)
スプレッドとは、言わば取引手数料になります。売値と買値の差が実際にスプレッドとなります。取引ごとに手数料は掛かっているので、取引回数が比較的多いデイトレにおいては、スプレッドは狭いに尽きるというわけです。
このような条件からスキャルピングを行うには、以下の 5 つの通貨ペアをおすすめします。
・USDJPY
・EURUSD
・GBPUSD
・EURJPY
・GBPJPY
上記5つの通貨ペアは、ボラティリティが大きくスプレッドも適しています。
通貨ペアに迷ったらまずは、5つの通貨ペアから選んでみましょう。
デイトレのメリット
- スワップポイントの影響を受けづらい
- 大きな損失を追うリスクが少ない
- ポジションを長期間保持しなくて済む
スワップポイントの影響を受けづらい
FXでは、通貨ペアの金利差から生じるスワップポイントが発生します。スワップポイントはプラスとマイナスがあり、金利の高い通貨を買う場合はプラスのスワップを受け取り、金利の低い通貨を買う場合はマイナスのスワップを支払う必要があります。
しかし、デイトレではポジションを基本的に当日中に決済するため、翌日にスワップポイントが発生することがありません。つまり、たとえ取引通貨ペアのマイナススワップが大きくても、当日中に決済すればその影響を受けることはありません。
スワップポイントは、日本時間だと翌日の7時~6時に付与されます。
大きな損失を追うリスクが少ない
デイトレは、わずかな値動きを狙う手法です。そのため、たとえ損切りになった場合でも、損失額は一般的な中長期取引と比べて小さくなる傾向にあります。つまり、大きな損失に見舞われるリスクが低減されているのです。
もちろん、デイトレであっても無制限に損失が抑えられるわけではなく、適切なリスク管理が必要です。しかし、短期間でポジションを決済するデイトレの特性上、ある程度のリスクヘッジが期待できます。
ポジションを長期間保持しなくて済む
中長期的な取引では、ポジションを翌日以降に持ち越す機会が多々あり、様々なリスクやストレスを抱えることになります。
マイナスのスワップポイント:金利の低い通貨を買っている場合、ポジションを持ち越すたびにマイナスのスワップポイントを支払う必要があります。
相場の急変による想定外の損失リスク:長期間ポジションを保持していると、その分相場の急変(トレンド)に直面する可能性が高まります。
デイトレは、このような様々なリスクやストレスから開放される手法となっています。
スキャルピングとの違い
基本的にほとんどの特徴がスキャルピングと同じと言えるデイトレですが、大きな差が1つあります。
それは、トレード中にチャートに張り付く必要がないという点です。
もちろん他の長期的なトレード手法と比べたら確認する必要があるかもしれませんが、数秒単位で取引することのあるスキャルピングとは違い、ポジション保有時間が1日以内と比較的時間にゆとりがあります。
初心者で短期的なトレードでリスク管理しながらトレードしたいけど、スキャルピングほどチャートに張り付けない人におすすめなトレード手法と言えます。
デイトレEA解説
ここからは、実際にデイトレEAの運用方法を解説していきます。
EAの選び方
適切なEAを選ぶためには、まずEAのロジックや戦略を確認することが重要です。
デイトレは上記でボリンジャーバンドと移動平均線が有効と説明しましたが、エントリーサインとして2つのような有効的なテクニカルを利用しているか確認することをおすすめします。
また、トレンドにも左右されてくるので、ボラティリティの動きを測定してくれるフィルターがロジックに組み込まれているか、などを確認することも非常に効果的な選び方と言えます。
EAの使い方
デイトレは比較的多くの取引回数をこなすので1日で何度も利益が出ることもあれば、何度も損失が出ることもあります。
1取引ずつの利益が少ない分、損失も少なくなっているので、一喜一憂されるのではなく冷静にトレードを分析していきましょう。
また、稀に日を跨いでしまうことが起こりうる場合があります。
ポジションを分析し、なぜ利確しなかったのか分析して、臨機応変に対応しましょう。
まとめ
初心者の方には特にスキャルピングと同じように感じる取引手法かもしれませんが、しっかり分類として分けられています。
また、ポジションを保持したまま日を跨ぐのはスイングなど他の取引手法として分類されるので、取引するときは注意して行いましょう。