基礎知識
そもそもレバレッジとは、「てこの原理」と言う意味です。投資や取引の分野で用いられた場合、解釈が変わってきます。
この記事では、金融業界でのレバレッジとEAとの組み合わせ方を解説します。
- レバレッジの仕組み
- レバレッジとEAの組み合わせ方
レバレッジとは
基本原理
FX取引におけるレバレッジとは、「少額の資金で大きな取引を行うことができる」と言う仕組みです。これは、証拠金取引という方法を利用しています。
証拠金取引とは、実際の取引金額の一部(証拠金)を担保として預けることで、その何倍もの金額の取引を行うことができる仕組みです。
レバレッジの例
図解からもわかるように、本来10万円での取引行った時、1米ドルの価値が日本円で±1円の差が生じた場合には、「±1,000円」の損益になります。
そこで10倍のレバレッジをかけた場合は、損益額も10倍となり「±1万円」となります。
レバレッジの注意点
レバレッジは少額の資金で大きな額の取引を可能とする反面、リスクも同じくらい増えることになります。最悪の場合、証拠金以上の損失が生じる可能性があります。
そういったリスクを回避するために、2つの方法が挙げられます。
1つ目は、「損切の設定を徹底する」ことです。適切なタイミングで損切を行えば、大きな損失を防ぐことができます。
2つ目は、海外FXブローカーを利用することによる「ゼロカットシステム」で証拠金以上の損失を回避する方法です。ゼロカットシステムとは、証拠金以上の損失を防ぐことができますが、スプレッドが割高になるというデメリットもあります。
以下の記事では当サイトが提携する海外FXブローカーをご紹介します。
EAの仕組み
EAとは
システムトレードとは、あらかじめ定められたルールやアルゴリズムに基づいて、自動的に通貨の売買を行うものです。
そういった取引を行う代表的なツールが「EA(Expert Advisor)」となります。
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EAはどう動いているのか
本来人が手動で行うFX取引を、EAは設定したプログラムにより自動で行うことができます。
そのプログラムは、FX取引において本来人間が考えるべきいくつかの条件をコードで書き記し、その条件通りに取引を行うという仕組みになっています。
その条件とは大きく分けて3つあります。
チャートや日付、時間などを読み取り、エントリーができるように条件を決定します。
グリッド幅や、ヘッジなどの両建て、ポジションごとのロット数の変更などを決定します。
利幅や、損失額などを読み取れる様に決済条件を決定します。
EAにレバレッジは適応されるのか
基本的にレバレッジは取引口座ごとに決まっております。EA自体がレバレッジを都度変更することはありません。
取引を始める前に、証拠金に見合ったレバレッジを自分で設定する必要があります。
取引手法ごとに、推奨されている証拠金が異なります。運用するにあたって無理のない自己資金と取引手法に見合ったレバレッジをかけるようにしましょう。
EAの推奨証拠金
推奨証拠金とは
EAを使用する際に推奨される資金額のことです。この金額は、リスクを考慮し、余裕を持って安全に取引を行える額として設定されています。
多ければ得られる利益の期待値は上がりますが、反対に資金を失うリスクも上がる傾向にあります。
どのように決まるか
これは「EAの取引手法」や「最大DD」などを考慮して、EAごとに決められています。
ナンピンマーチンのように、場合によってDDが証拠金に対して大きな金額になってしまうような取引手法のEAの場合には、FXブローカーごとに定められている必要証拠金に併せて、DDの2倍や3倍の金額をプラスした額が推奨証拠金として表示されています。
また、リスク管理や資金管理を前提で開発されたEAは、推奨証拠金は最小限に設定されており、コツコツ利益を上げていくような仕組みを考慮されています。
推奨証拠金からもEA開発の意図を組み取ることができます。
EAを利用する前に確認する項目として入れておくのをおすすめします。
推奨証拠金と乖離した証拠金で運用すると
推奨証拠金から乖離した金額で運用することは、先程説明した内容に反するということです。
例えば、ナンピンマーチンの取引手法のEAに推奨証拠金から極端に低い金額を入金したとします。
ナンピンマーチンは、「レートに逆行してポジションを取って行き、トレンドが転じたときに大きな利益を獲得するという手法」です。
トレンドが転換するまで耐えられるかがポイントになってきます。これにより、他のEAに比べて推奨証拠金が高めに設定されている傾向にあります。
したがって、このEAを少ない証拠金で運用するということは、EAに損切されてしまったり、最悪の場合、ロスカットになってしまいます。
- レバレッジをかければかけるほど、耐えられる値幅が狭くなってきます。
EA開発者が運用するにあたって最適な金額として設定されています。自分の資金に見合った証拠金を推奨しているEAを選ぶことも重要なポイントとなってきます。
EAとレバレッジを組み合わせた運用術
ここからは、実際にEAを運用する上でレバレッジを活かした運用方法を解説します。
EAにレバレッジを組み合わせる
前のセクションで解説しましたが、EAを運用するには推奨された証拠金で運用することが重要となります。しかし、自分の扱る資金が使いたいEAの証拠金に対して、少ない金額である可能性も少なくありません。
そんな時にも、「レバレッジ」は有効的になります。
自分が10万円しか持っていない状態で、50万円の推奨証拠金のEAを稼働させたい場合、レバレッジを5倍かけることによって証拠金を50万円として扱うことができるようになります。
- レバレッジにより証拠金を上げた分、相対的にレバレッジをかけることによるリスクも考慮しましょう。
レバレッジをかける条件
ただ運用資金が足りないというだけでは、レバレッジをかけるにはメリットよりリスクが勝ってしまいます。
レバレッジをかけるかどうかの判断をする絶好の条件を伝授します。
それは…
- ポートフォリオを組んでリスクヘッジが考慮されていること
- レバレッジは高くても10倍程度に収まること
ポートフォリオを組んでリスクヘッジが考慮されていること
レバレッジをかけた分、資金を失うリスクが上がることは何度もお伝えしました。リスクには相応の対応策を練って備えておかなければいけません。
ここで一番有効となる対応策が、ポートフォリオを組んでおくことです。ポートフォリオは資金の損失を抑えるために、リスクを分散させます。
もしレバレッジをかけた口座に損失が生じた場合、他の口座で損失をカバーできるようになるので、ポートフォリオを組んだ後にレバレッジをかけることを推奨します。
「レバレッジをかけるためにポートフォリオを組む」ではなく、「ポートフォリオを組んだら特定の口座の資金が足りないからレバレッジをかける」と言う考え方です。
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Read Moreレバレッジは高くても10倍程度に収まること
これはあくまで推奨です。どうしてもレバレッジをかけたいという状況になってしまったら、多くても10倍程度に抑えましょう。
国内FXブローカーなどで損失額が多くなりすぎて、追証が払えなくなったりすると差し押さえや、自己破産などの債務整理が必要となってしまう可能性が出てきます。
レバレッジをかけるなら、発生しうる損失額も考慮し、保証金とロット数は調整しましょう。
まとめ
今回はEAとレバレッジを組み合わせ方と運用方法を解説しました。
レバレッジをかけないでも取引を行えるなら、それに越したことはありません。
しかし計画をきちんと立てて運用すれば、武器になるのもまた事実です。
その武器の特性を最大限に利用できるように計画を立ててからレバレッジはかけるようにしましょう。