
「EA(エキスパートアドバイザー)を使って自動売買を始めたいけど、順張りと逆張りの違いがよくわからない…」
そんな悩みを抱えるFX初心者や自動売買に興味のあるトレーダーは少なくありません。
特に順張りEAは、相場の流れに乗るシンプルな戦略ながらも、高い安定性を発揮する場面も多く、初心者でも扱いやすいと評価されています。

この記事では、順張りEAの基本的な仕組みと特徴を明確にし、どんな局面で活用できるのかを具体的に解説し、おすすめ順張りEAをご紹介します。
順張りEAとは?基本概念と仕組みを理解する
FX市場で成功するには、明確な取引戦略が不可欠です。順張りEAはトレンドの方向に沿ってポジションを取る「トレンドフォロー型」の自動売買プログラムです。人間の感情や主観を排除し、プログラムされたロジックに基づいて冷静な判断を行うことができます。

- トレンド方向にポジションを取る
- 利益は「伸ばす」ことを重視する
- ボラティリティが高い局面に強い
- 損小利大のロジックに設計されていることが多い
- トレンド相場での勝率が高くなりやすい
順張りEAは「上昇トレンドでは買い」「下降トレンドでは売り」といった、相場の流れに素直に乗るロジックです。
順張りEAと逆張りEAの違いとは
順張りEAは形成されたトレンドの方向性に合わせてエントリーする自動売買プログラムです。

具体的には、上昇トレンドを検出すると買いポジションを、下降トレンドを検出すると売りポジションを自動的に取ります。このアプローチは「トレンドは続く」という市場の基本的な性質に基づいています。
一方、逆張りEAはマーケットの過熱状態や極端な値動きの反転を予測してエントリーします。

例えば、RSIが70を超えて買われ過ぎの状態になったときに売りポジションを取ったり、サポートラインに到達したときに買いポジションを取ったりするロジックが典型的です。
順張りEAが「確立されたトレンドの継続」を前提とする一方、逆張りEAは「行き過ぎた値動きの調整」を狙います。
実際のトレード結果では、順張りEAは少ない頻度で大きな利益を得るケースが多く、逆張りEAは高頻度で小さな利益を積み重ねる傾向があります。
順張りEAのロジックが機能しやすい相場環境とは
順張りEAの性能は市場環境によって大きく左右されます。最適な環境と避けるべき状況を理解することが成功の鍵となります。
- 明確な方向性を持つトレンド相場
- 日足チャートで20日以上同一方向に推移している環境
- 適度なボラティリティがある市場
- ATRが平均値の1.2〜1.5倍程度の活発な相場
- 金融政策の転換期
- 日銀の利上げ開始や米FRBの政策転換直後など
- 長期的な景気サイクルの変化
- 景気後退期から回復期への移行など

一方、以下のような環境では順張りEAのパフォーマンスが著しく低下する傾向があります。
- 一定レンジ内での上下動を繰り返すボックス相場
- (例:USD/JPYが2週間以上同一レンジ内で推移)
- 極端に低いボラティリティ(ATRが平均の0.7倍以下)の状態
- 重要な経済指標発表直前・直後の不安定な時間帯(米雇用統計発表など)
- 地政学的リスクによる突発的な相場変動時
こうした環境認識を持つことで、順張りEAの稼働タイミングを適切に選択できるようになります。多くの初心者トレーダーは市場環境に関わらず常時稼働させる誤りを犯しますが、相場環境の見極めがEA運用の成否を分けると言っても過言ではありません。
順張りEAでよく使われるインジケーターの種類
順張りEAはトレンドを正確に検出するために、様々なテクニカル指標を組み合わせて使用します。その中でも特に重要なインジケーターとその活用法を紹介します。
- トレンド系インジケーター
- 移動平均線(SMA/EMA):5本のEMAと20本のEMAのクロスを利用した順張りロジックが基本形
- MACD:シグナルラインとのクロスだけでなく、ヒストグラムの方向性も重視
- ADX:25以上で明確なトレンド、40以上で強いトレンドを示す重要指標
- モメンタム系インジケーター
- ボラティリティ系インジケーター
これらのインジケーターは単独で使用するよりも、複数を組み合わせることで精度が飛躍的に向上します。
例えば、MACDのゴールデンクロス、RSIが50を上回る、ADXが25以上という3つの条件が揃った場合に買いエントリーするロジックは、多くの順張りEAで採用されています。特に4時間足や日足での分析では高い再現性が期待できます。
トレード実績の高いプロトレーダーは、これらのインジケーターの組み合わせにさらに独自のフィルターを加えることで、勝率80%以上を実現している例も珍しくありません。
順張りEAを選ぶときに見るべき指標とチェックポイント
「順張りEAは相場の流れに乗れるって聞いたけど、どうやって“良いEA”を選べばいいの?」
そんな疑問に答えるために、ここでは順張りEAを見極めるための具体的なチェックポイントを紹介します。

EA選びに失敗しないためには、「何を基準に判断するか」が非常に重要です。
① 勝率だけで選ばない!重要なのは「リスクリワード」
EA選びで最もやりがちなのが、勝率だけを重視してしまうことです。たとえば、勝率が80%でも、リスクリワード(損益比率)が1:0.3などであれば、数回の損失で利益を帳消しにされることも。
- 勝率よりも「プロフィットファクター(PF)」や「平均利益÷平均損失」の比率に注目
- リスクリワードが1以上、理想は1.5~2.0程度あるかを確認
② プロフィットファクター(PF)は1.5以上を目安に
PF(プロフィットファクター)とは、EAがどれだけ効率よく利益を出しているかを表す指標です。
数値が1.0を超えていれば一応プラス、1.5以上なら優秀、2.0を超えるようであればかなり優良と判断されます。
- PFが1.5以上のEAを優先して検討
- 過去のバックテスト期間が長い(1年以上)かどうかも合わせて確認
③ ロジックの透明性:使っているインジケーターや条件を明示しているか
順張りEAの多くは、移動平均線(MA)・RSI・ADX・MACDなどのテクニカル指標を活用しています。
購入・導入前に、そのロジックがある程度開示されているかどうかを見るのも重要です。
- どんなテクニカル指標を使ってエントリー・エグジットしているかが説明されているか
- 裁量判断を入れずに完全自動で動くかどうか
④ 最大ドローダウン(最大含み損)にも注目
どれだけ利益が出ていても、一時的に資金が大きく目減りするようでは長期運用は難しいです。
「最大ドローダウン」は、EAのリスクの大きさを測る最も重要な指標の1つ。
- 最大ドローダウンは証拠金の20%以下が理想(資金効率と安全性のバランス)
- 特に「資金が少ない状態での高ロット運用」に注意
⑤ エントリー頻度と取引スタイルの相性を確認
スキャルピング型か、デイトレード型か、スイング型かによって、EAの運用スタイルは大きく異なります。
エントリー頻度が少ないのに「毎日利益が欲しい」と考えていてはミスマッチです。
- EAの平均取引回数(週に何回、月に何回?)
- スキャル・デイトレ・スイングのどのスタイルに分類されているか
- 自分の資金・取引環境(VPSの有無など)との相性は?
EAの“スペック表”は必ず複合的に判断する
以下の項目をセットでチェックすることで、見かけの勝率や派手なバックテスト結果に惑わされず、実際に安定運用できる順張りEAを選ぶことができます。
チェック項目 | 推奨基準 |
---|---|
勝率 | 55~70%程度が現実的 |
PF(プロフィットファクター) | 1.5以上 |
最大ドローダウン | 証拠金の20%以下 |
リスクリワード比率 | 1:1.5以上 |
ロジックの説明 | 使用インジケーターが明記されていること |
取引頻度・スタイル | 自分の運用目的に合っているか |

次章では、これらの基準を満たした「おすすめの順張りEA3選」を実際に紹介します!
初心者にもおすすめ!実績のある順張りEA3選
順張りEAは数多く存在しますが、その中から本当に実績があり、初心者でも扱いやすいものを選ぶのは容易ではありません。
ここでは、実際のユーザー評価や長期運用データに基づいて、信頼性の高い順張りEAを3つ厳選して紹介します。それぞれの特徴や向いているトレーダータイプを詳しく解説しますので、自分の運用スタイルに合ったEA選びの参考にしてください。
- 操作が複雑でなく、基本的なパラメーター調整だけで運用できる使いやすさ
- 長期間の実績があり、様々な相場環境での安定性が証明されている
- 適切なリスク管理機能が組み込まれている
ストラテジーが明快で使いやすいEA「AlphaRig」
AlphaRigは、シンプルでありながら効果的なRSIベースのトレンドフォロー戦略を採用したEAシリーズです。複雑な設定を必要とせず、初心者でも扱いやすい設計になっている点が最大の特徴です。

基本スペックと特徴
項目 | 内容 |
---|---|
開発年 | 2024年 |
対応通貨ペア | EURJPY、GBPJPY、EURUSDなど主要通貨ペア |
推奨時間足 | M1(1分足) |
取引タイプ | スキャルピング |
平均勝率 | 65〜70%(実績データより) |
最大ポジション数 | 1ポジション(単ポジション戦略) |
最大ストップロス | 50pips |
マーチンゲール | なし(安全性重視) |
AlphaRigの核となるロジックは、RSIと1分足・5分足のローソク足パターンを組み合わせたシンプルな構造です。短時間の取引ながら高い勝率を維持する設計となっており、初心者でも直感的に動作原理を理解できる点が大きなメリットです。
実績と評価
バックテストデータでは、EURJPY版で69.7%の勝率と3.24のプロフィットファクターを記録しており、安定性の高さが特徴です。フォワードテストでも同様の結果が出ており、理論と実践の乖離が少ないEAと言えます。
特に上昇トレンドや下降トレンドが顕著な環境での順張り戦略に強みを持ち、平均16分程度という短い保有時間でポジションを決済するため、長時間のポジション保有によるストレスが少ないのも特徴です。
向いているトレーダータイプ
- FX自動売買を始めたばかりの初心者
- シンプルで理解しやすいロジックを求めるトレーダー
- 短時間のトレードで着実に利益を積み上げたいタイプ
- 安定した勝率を重視するトレーダー
ただし、経済指標発表時や市場の急変動には注意が必要であり、そうした時間帯は稼働を見送るなどの運用上の工夫が必要です。


トレンド追随力に優れたEA「zigzagEnvelopes」

zigzagEnvelopesは、Zigzagインジケーターとエンベロープを組み合わせた革新的なトレンドフォロー手法を採用したEAです。トレンドの転換点を正確に捉え、長期的なトレンド形成に乗るように設計されています。
基本スペックと特徴
項目 | 内容 |
---|---|
開発年 | 2023年 |
対応通貨ペア | USDJPY(ドル円)に最適化 |
推奨時間足 | H1(1時間足) |
平均勝率 | 約37%(低勝率ながら高いプロフィットファクター) |
最大ポジション数 | 1ポジション |
最大ストップロス | 150pips |
取引スタイル | デイトレード(平均保有時間約8.6時間) |
zigzagEnvelopesの特徴的なロジックは、Zigzagインジケーターによるトレンド検出とエンベロープによるエントリー・決済判断の組み合わせです。Zigzagインジケーターで新しいトレンドが形成されたことを確認し、価格がエンベロープのバンド内に入った時点でエントリーする方式を採用しています。
実績と評価
バックテスト結果では勝率37.46%と低めながら、プロフィットファクター1.16を実現しています。これは勝率よりも損益比率(1回の勝ちトレードの利益額 / 1回の負けトレードの損失額)を重視した設計であることを示しています。
特筆すべきは、買いトレード(ロング)での収益が顕著であり、5,510ドルのプラスとなっている点です。一方、売りトレード(ショート)では1,633ドルのマイナスとなっており、上昇相場に強い傾向が見られます。
向いているトレーダータイプ
- 明確なトレンドが形成される相場を狙うトレーダー
- 短期的な勝率より長期的な収益を重視するタイプ
- USDJPY(ドル円)でのトレードを好む人
- トレンド転換を捉える高度な手法に興味のある中級者以上
zigzagEnvelopesは、トレンドが明確に形成されている相場環境で威力を発揮します。一方、レンジ相場やチョッパリ相場(トレンドが不安定な相場)では苦戦する傾向があるため、相場環境の見極めが重要です。特に、主要経済指標の発表前後や重要なニュース発表前後、流動性が低い時間帯は稼働を見送ることが推奨されています。
各EAの特性を理解し、自分のトレードスタイルや目標、リスク許容度に合ったものを選ぶことが成功への近道です。また、どのEAを選ぶにしても、事前にデモ口座での検証を十分に行い、実際の動作を確認してから実口座での運用を始めることをお勧めします。
まとめ:順張りEAで成功するための実践ロードマップ
この記事では順張りEAの基本から応用、具体的な製品選択まで幅広く解説してきました。
最終的に成功するかどうかは、EAの性能だけでなく、あなた自身のリスク管理能力と相場環境の見極め力にかかっています。

この記事で紹介した知識と実践手法を参考に、着実にスキルを磨いていくことで、長期的に安定した運用を実現できるでしょう!