
「最近、テクニカル分析が多すぎて、何を信じて良いかわからない…」そんな声、増えていませんか?
特に「出来高」と「価格」の関係性をどう活かすかは、トレードの命運を分ける要素です。
そこで登場するのが「Price Volume Trend(PVT)」というインジケーター。PVTは、単なる価格追従ではなく、“買い”と“売り”の勢力バランスを可視化してくれる優れもの。
この記事では、そんなPVTの基礎から応用までを徹底解説します!
Price Volume Trend(PVT)とは?基本と重要性を解説
PVT指標の基本と仕組みを理解しよう

特徴は、価格が前日より上昇したか下降したかによって、その変化率に当日の出来高を掛けた値を累積していく点にあります。つまり、上昇日には買いの圧力、下降日には売りの圧力がPVTに反映されていくのです。
例えば、株価が1%上昇し、当日の出来高が100万株だった場合、PVTは「1% × 100万 = +1万」と加算されます。

逆に、1%下落で同じ出来高なら「-1万」と減算。こうして日々積み上がるPVTの動きから、価格だけでは見えにくい市場の“熱量”を読み取ることができます。
価格がじわじわ上がっているのにPVTが伸びていない…そんなときは「実は出来高が伴っていない」と読み取れます。逆もまた然りで、価格の動きよりもPVTが先行することもあり、市場の転換点を予測する手がかりにもなるのです。
出来高と価格変動の関係性
Price Volume Trend(PVT)を理解するうえで欠かせないのが、「出来高と価格変動の関係性」です。
まず大前提として、価格が上昇していても、出来高が伴っていなければその上昇は信頼性に欠けるとされます。
つまり、「薄商いの上昇=実体のない動き」と警戒されるわけです。逆に、出来高が急増しつつ価格が上昇しているなら、「買い手の勢いが増している=実体ある上昇」と見なされます。
PVTは、まさにこの“価格変動の裏にある出来高”を数値として表現します。
また、下落局面でもPVTは威力を発揮します。価格が下がっているにもかかわらず、PVTの下げ幅が小さい場合、「まだ売り圧力は弱い」「下げの本気度は低い」と読み解けます。つまり、PVTは“売られすぎ”や“反発の兆候”を見つける指標にもなるのです。
PVTの使い方と具体的なチャート分析方法
PVTインジケーターの設定方法と見方
Price Volume Trend(PVT)を実際にトレードに活用するには、まずチャートにPVTを設定する必要があります。代表的なチャートツールである「TradingView」や「MetaTrader(MT4/MT5)」などには、標準でPVTインジケーターが用意されている場合もあります。
設定方法は非常にシンプル。TradingViewの場合、画面上部のインジケーター検索窓に「PVT」または「Price Volume Trend」と入力すれば、インジケーター一覧に表示されます。
クリックしてチャートに追加するだけで、ローソク足の下にPVTのラインが表示されます。
価格が上昇しているのにPVTが横ばいだったり、逆に価格が停滞しているのにPVTが伸びている場合、それは「内部で資金が動いている=今後のトレンドを示唆している」可能性があります。
また、PVTライン自体の傾きにも注目しましょう。急角度で上昇している場合、それは強い買い圧力を示しており、反転の兆しが薄いというサインにもなります。逆にフラットなPVTは、「市場に方向性がない=レンジ相場」を示唆する傾向にあります。
重要なのは、PVT単体で判断するのではなく、「ローソク足の動き」「他の指標との組み合わせ」で総合的に分析することです。
PVTを活用した売買戦略
PVT(Price Volume Trend)は、売買タイミングを見極めるための有力なインジケーターとしても使えます。特に注目すべきは「トレンド継続の確認」と「ダイバージェンスの検出」の2点です。
たとえば、株価が上昇しており、それに伴ってPVTも上昇しているなら、これは「上昇トレンドが本物である」という裏付けになります。
この場合、押し目での買いエントリーが戦略として有効です。
逆に、価格が上がっているにもかかわらず、PVTが下がっている、あるいは横ばいになっているときは要注意。このような“逆行現象”を「ダイバージェンス(乖離)」と呼びます。これはトレンドの勢いが弱まっており、近い将来に反転する可能性があることを示唆しています。
たとえば、ビットコインのチャートで、価格が過去最高値を更新しているにもかかわらず、PVTがその水準に達していないといったケースでは、「上昇に出来高が伴っていない=勢い不足」と判断し、利確やショートの検討材料となります。
また、戦略としては、PVT単体ではなく、RSI(相対力指数)やMACD(移動平均収束拡散法)といった他のインジケーターとの併用が推奨されます。
PVTでトレンドの強さを測り、RSIで買われすぎ・売られすぎを確認、MACDでエントリー・イグジットのタイミングを判断するといった“多面的な分析”が精度を高めてくれます。

このように、PVTはトレンドの“見えない熱量”を可視化し、売買判断の補強材料として非常に役立つ指標です。
PVTの実用比較
「PVT vs OBV 比較」徹底解説
テクニカル指標の中でよく比較されるのが「PVT(Price Volume Trend)」と「OBV(On Balance Volume)」です。

まず、OBVは「価格が上がればその日の出来高を加算、下がれば減算、変わらなければスルー」といった非常にシンプルな仕組みです。価格変動の大きさを無視し、上下の方向性だけに基づいて累積値を出すのが特徴。これにより、価格のトレンドとOBVの乖離(ダイバージェンス)から、相場の転換点を早期に察知できるとされています。
一方のPVTは、価格の変化率に出来高を掛けるため、価格の動きの強さを考慮します。このため、PVTの方が“変動の度合い”まで反映され、より繊細な分析が可能です。

たとえば、価格が1%上昇しながら出来高が大きく動いた場合、PVTは大きく跳ね上がりますが、OBVはただ「上昇したから加算」としか捉えません。この違いから、PVTの方が価格の強弱に敏感に反応する傾向があります。
OBVは方向性重視、PVTは変動率重視。シンプルな判断がしたいならOBV、詳細な強さを見極めたいならPVTという使い分けができます。
「PVT トレード戦略」応用テクニック
Price Volume Trend(PVT)を実戦で効果的に使うためには、他のテクニカル指標との組み合わせが非常に重要です。ここでは、特に注目したい「RSI」「MACD」「移動平均線」との併用戦略、さらにリスク管理のポイントについて解説します。
RSI(Relative Strength Index)の併用です。RSIは「買われすぎ・売られすぎ」を数値で示すオシレーター指標。たとえば、PVTが右肩上がりで強い買い圧力を示していても、RSIが80以上であれば「過熱気味」と判断し、押し目を待つべき局面と見なせます。逆に、PVTとRSIが両方とも強い上昇を見せているなら、買いに勢いがあるサインです。

MACD(Moving Average Convergence Divergence)との併用。MACDは短期と長期の移動平均線の差をベースにしたトレンドフォロー系の指標です。たとえば、PVTが上昇中で、MACDラインがシグナルラインを上抜ける“ゴールデンクロス”を形成した場合は、トレンドの本格化を示すと判断され、エントリータイミングとして有望です。

移動平均線とPVTの組み合わせも視覚的にわかりやすく、短期線をPVTが上抜けたら買い、下抜けたら売りという判断もしやすくなります。

そして最後に重要なのがリスク管理。PVTの動きに一喜一憂して大きなポジションを持つと、予想外の動きで損失を被るリスクが高まります。PVTが反転し始めた時に、損切りラインを明確に設定しておくこと。さらに、エントリーする前に「逆行時にどれくらいのロスを許容するか」を明文化しておくのが基本です。
まとめ:PVTは万能ではないが強力な武器になる

しかし、あくまで「相場の裏にある動きを読み解く補助ツール」であり、これ一つでトレードを完結させるものではありません。
本記事で紹介したように、PVTはトレンドの信頼性を確認したり、売買の圧力を視覚化するのに優れています。また、RSIやMACDなどの他のインジケーターと併用することで、より多角的な分析が可能になります。
一方で、PVTの値動きだけに依存すると、「逆行」「天井つかみ」「ダマシシグナル」に引っかかる危険性もあります。だからこそ、「PVTは一つの判断材料であり、常に市場全体を見ながら使う」ことが求められるのです。
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