
「移動平均線って、何本もあると逆にわかりにくくない…?」
そんな風に感じたこと、ありませんか?
投資初心者から中級者まで、多くのトレーダーが一度は迷い込むのが「どのテクニカル指標を使えばいいのか?」という沼。特に移動平均線(MA)は、短期・中期・長期と複数使うことで分析力が高まる一方、画面がごちゃごちゃして「結局どれを信じればいいの?」という状態に…。
そして、そんな悩みを一気に視覚的に解決してくれるのが「レインボー移動平均」なんです!
名前からしてちょっと派手な印象かもしれませんが、これは単なる飾りではなく、実はトレンドの強さや変化を“色”で見抜くための高機能インジケーター。
本記事ではレインボー移動平均の特徴から具体的な使い方、設定方法まで徹底解説していきます!
レインボー移動平均とは?特徴と基本構造を解説
レインボー移動平均(Rainbow Moving Average)とは、複数の移動平均線を色分けして重ね表示し、相場のトレンドを視覚的にとらえやすくするインジケーターです。

構成は多くの場合、「EMA(指数移動平均)」をベースにしており、9期間から100期間までのラインを段階的に描画します。たとえば、TradingViewではPine Scriptを使って22本のEMAをカラフルに描くのが定番手法。また、Thinkorswimでは再帰的にMAを生成し、重みをつけることでさらに滑らかな曲線を描くバージョンも存在します。
レインボー移動平均の使い方|順張りから逆張りまで
レインボー移動平均は、トレンドの把握からエントリー判断、さらにはリスク回避の補助としても活用できるマルチなインジケーターです。
トレンドの判断に使う方法
逆に、価格がすべての移動平均線を下回っており、リボンが下向きに広がっている場合は、強い下降トレンドのサイン。こうした形状を視覚的に把握できるのがレインボー移動平均の強みです。
ブレイクアウト手法に応用する方法
レインボーリボンが狭まり、収束している場面はボラティリティ(価格変動)が低下している合図。このようなときに、価格がリボンの上下どちらかを突き抜けると、ブレイクアウトの可能性が高まります。
たとえば、下方向からリボンを突き抜けて上抜けした場合、直後のローソク足の始値でエントリーする戦略がよく使われます。この方法は、「勢いが加速するタイミングを捉えたい」トレーダーにとって、極めて有効な手法です。

ダマシを回避するための補助指標の活用
ただし、リボンの動きだけに依存すると、「ダマシ」と呼ばれる偽のブレイクに引っかかるリスクもあります。そこで有効なのが、RSI(相対力指数)やMACDとの併用です。
たとえば、レインボーMAが上昇の兆しを見せたときに、RSIが50を上回っていれば、「買いの勢いが実際に強まっている」という根拠になります。また、MACDのゴールデンクロスが同時に発生すれば、より信頼性の高いエントリー判断が可能です。
レインボー移動平均の設定方法(TradingView・MT4/MT5)
レインボー移動平均を最大限に活かすには、プラットフォームごとの設定方法を把握することが重要です。ここではTradingViewとMT4/MT5それぞれの導入手順とカスタマイズ例をご紹介します。
TradingViewでのインジケーター追加手順
まず、TradingViewではレインボー移動平均をPine Scriptでカスタム設定するのが主流です。検索窓に「Rainbow Moving Average」と入力すると、ユーザー作成の公開スクリプトが多数ヒットします。その中でも人気が高いのは、「EMA 22 Rainbow」「MA Ribbon」といった名前のスクリプトです。
追加方法は以下の通りです。
- チャート画面で「インジケーター」をクリック
- 「Community Scripts」から「Rainbow Moving Average」を検索
- 気に入ったスクリプトを追加してカスタマイズ
Pine Scriptに慣れている方であれば、22本のEMAを色分けし、パラメータを自由に調整することも可能です。例えば、期間を「9〜100」に設定し、色をグラデーションで段階的に設定すると、視覚的に非常に美しいリボンが完成します。
MT4/MT5での導入とおすすめテンプレート
MT4やMT5では、インジケーターの種類が限られているため、外部の「カスタムインジケーター」を導入する必要があります。多くのFXフォーラムや配布サイトで、「Rainbow.mq4」などのファイルが提供されています。設定手順は以下の通りです。
- ダウンロードしたインジケーター(.mq4/.ex4)を「Indicators」フォルダにコピー
- MT4/5を再起動し、「ナビゲーター」からRainbowをチャートにドラッグ
- MAの本数や期間、色を任意で設定
おすすめは、短期EMAを赤系、中期を黄色系、長期を青系〜紫系で配色するパターンです。これにより、トレンドの時間的な階層を直感的に把握しやすくなります。
レインボー移動平均のメリット・デメリットとは?
レインボー移動平均の最大の魅力は「視認性の高さ」と「複合的な情報量」を同時に得られる点です。一方で、弱点も存在します。使い方を誤ると混乱を招くこともありますので、ここではメリットとデメリットを整理して解説します。
視覚的なトレンド把握がしやすい
色分けされた複数の移動平均線が帯のように連なって表示されることで、トレンドの方向性や強さを瞬時に把握できます。特にリボンが扇状に広がっている場合はトレンドの勢いが強く、リボンが収束しているときは「相場の転換点」や「レンジ相場への移行」が視覚的に表現されます。
さらに、価格がリボンの上にあるときはサポートラインとして、下にあるときはレジスタンスラインとして機能することが多く、トレンドフォローにもカウンタートレードにも活用可能です。
デメリットと注意点
一方で、注意が必要なのは以下の点です。
- 情報過多による混乱
22本もの移動平均線が表示されるため、初見では「ゴチャゴチャして見づらい…」という印象を受けるかもしれません。特にスマートフォンや小型モニターでは、細かいラインが重なってしまい識別しづらくなります。 - 遅延性(ラグ)
移動平均線は過去の価格から算出されるため、価格変動に対する反応が遅れるという特性があります。特に中長期のEMAでは、すでにトレンドが変化した後にしかシグナルが出ないこともあり、早期エントリーを狙うトレーダーには不向きな場面も。 - 過信しすぎないことが肝心
リボンの動きが示すのは過去の傾向に基づく「平均的な動き」であり、未来の価格を保証するものではありません。そのため、RSIやボリバン(ボリンジャーバンド)など他指標との併用が推奨されます。
よくある質問
こんな人におすすめ!レインボー移動平均が活きる相場環境
レインボー移動平均は、すべての相場で万能というわけではありません。特定の市場環境において、その真価を最大限に発揮します。ここでは、どんな相場で使うと効果的か、また注意すべきシーンについても解説します。
トレンドが明確なときに最大の威力を発揮
レインボー移動平均の一番の強みは、「トレンドの方向と強さを視覚的に示せる」点。特に、米ドル/円やナスダック、ビットコインなど、一定期間にわたって一方向に動きやすい市場では、圧倒的な分析力を発揮します。
例えば、リボンが右上がりで色の帯が広がっている状態は、トレンドが加速している証拠。このときに順張り(トレンドに沿った売買)を行うことで、よりリスクの低いトレードが可能となります。
ボラティリティの高い市場との相性が良い
価格の動きが激しく、急激な上下が頻繁に起きる市場――たとえば暗号資産や成長株、CFD市場などでは、価格変動の前兆を見逃さないインジケーターが必要です。
レインボー移動平均は、リボンの収縮から拡散への変化によって、「トレンド発生前の静けさ」から「急騰・急落」への移行を予測するのに役立ちます。つまり、エントリーポイントを絞り込むツールとしても優秀なのです。
レンジ相場では注意が必要
ただし、リボンの強みが発揮できないのがレンジ(横ばい)相場。価格が上下に細かく動くだけで、方向感のない状態では、移動平均線が重なり合い、「ノイズが多くて意味をなさない」状況になることもあります。
こうした場面では、レインボー移動平均単体ではなく、RSIやボリンジャーバンドなどの「相場の勢い」や「価格の偏り」を示すインジケーターと併用し、フィルターとして使うのが有効です。



