
「FXで安定して利益を出したいけど、なかなか思うように勝てない…。」
戻り売りは、下降トレンド中に一時的な価格上昇(戻り)が発生したタイミングを狙って売りを仕掛ける戦略のこと。トレンドに逆らわずに取引できるため、初心者でも比較的成功しやすい手法として知られています。
とはいえ、「どこでエントリーすればいいの?」「損切りや利確のルールは?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
戻り売りは、適切なエントリーポイントとリスク管理を理解していないと、大きな損失を招くリスクもあるのです。
この記事では、戻り売りの基本からエントリーの具体的な判断基準、リスク管理のポイントまで、実践的な知識をわかりやすく解説します。
戻り売りとは?基本概念とメリット
戻り売りとは、下降トレンド中に一時的に価格が上昇(戻り)したタイミングを狙い、売りエントリーを行う手法です。トレンドの流れに沿った取引ができるため、勝率を高めやすいのが特徴です。

- では、なぜ戻り売りが有効なのか?
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それは、多くの市場参加者が「トレンドは継続しやすい」と考えているからです。
下降トレンドの最中、価格が一時的に上昇すると「高値で売りたい」と考えるトレーダーが増え、再び売り圧力が強まります。こうした市場心理を利用するのが戻り売りの戦略なのです。
また、戻り売りには以下のメリットがあります。
- トレンドに逆らわないため、勝率が上がりやすい
- 順張り(トレンドフォロー)の手法なので、相場の流れに乗る形で取引ができます。
- エントリーポイントが明確になりやすい
- 戻りのタイミングを見極めることで、売るべきポイントが明確になります。
- 損切りポイントを決めやすい
- 直近の高値を基準に損切りラインを設定できるため、リスク管理がしやすくなります。
しかし、戻り売りを成功させるためには、適切なエントリーポイントの見極めが欠かせません。

次のセクションでは、「戻り売りのエントリーポイントと判断基準」について詳しく解説していきます。
戻り売りが有効な理由
戻り売りが有効な理由は、以下の点に集約されます。
高リスクリワード比:価格が一度戻ってから売ることで、エントリー時点でリスクを限定しやすく、利益を伸ばす余地が大きくなります。戻りの幅が大きければ大きいほど、成功時の利益幅も増えます。
トレンドに逆らわない:下降トレンドの中で一時的な反発は頻繁に見られるため、この「戻り」を利用して売りのポジションを取ることで、リスクを抑えつつ大きな利益を狙えます。
エントリータイミングが明確:上昇トレンドでの押し目買いと同様、戻り売りは明確なサポートやレジスタンスを使ってエントリーポイントを決めることができ、無駄なエントリーを避けられます。


戻り売りのエントリーポイントと判断基準
戻り売りで最も重要なのが「どこで売るか」です。適切なエントリーポイントを見極めることで、リスクを抑えつつ利益を狙うことができます。
主な判断基準として、以下の3つの方法を紹介します。
① 移動平均線を使ったエントリー戦略
移動平均線(Moving Average)は、過去の一定期間の価格を平均化したもので、トレンドを視覚的に捉えやすくする指標です。戻り売りでは、移動平均線がレジスタンス(抵抗線)として機能するポイントを狙います。


エントリーのポイント
- 価格が移動平均線に接近し、再び下降し始めたタイミング
- 短期線(5日 or 20日)と長期線(50日 or 100日)がデッドクロスを形成した後の戻り
例えば、50日移動平均線(MA50)に価格がタッチしてから反発し始めたら、売りエントリーを検討できます。この方法はシンプルでありながら、多くのトレーダーに支持されているテクニックです。
② フィボナッチリトレースメントを活用する方法
フィボナッチリトレースメントは、相場の戻り幅を測るためのツールです。多くのトレーダーが意識するため、反発しやすい価格帯を予測できます。


エントリーのポイント
- 38.2%、50%、61.8%のいずれかの水準で価格が反発したタイミング
- 戻りの勢いが弱まり、再び下降を始めた瞬間
たとえば、直近の高値から安値にフィボナッチを引き、戻りが61.8%の水準に達したときに売りエントリーを仕掛けるのが一般的な手法です。
③ レジスタンスラインを利用したエントリー
レジスタンスライン(抵抗線)は、過去に価格が反発したポイントを結んだ線です。戻り売りでは、このラインを目安にエントリーするのが有効です。


エントリーのポイント
- 過去に何度も反発した価格帯で売りを仕掛ける
- サポートがレジスタンスに変わる「サポレジ転換」を狙う
戻り売りでのリスク管理と損切り設定
FXでは利益を狙うこと以上に、「損失を最小限に抑える」ことが重要です。戻り売りでも、適切なリスク管理を行わなければ、一度の失敗で大きな損失を抱えてしまう可能性があります。



ここでは、リスク管理の基本となる損切り設定や利益確定の考え方を解説します。
① 損切りラインの決め方|逆指値注文の活用
損切り(ストップロス)とは、一定の損失が出た時点で自動的にポジションを決済する注文のこと。戻り売りでは、エントリー後に想定以上の上昇が起こると、大きな損失につながります。
損切りの設定基準
- 直近の高値を超えたら損切り(下降トレンドが崩れたサイン)
- フィボナッチリトレースメントの76.4%を超えたら損切り(戻りが深すぎる場合)
- ATR(平均値幅)を基準に一定幅で損切り(ボラティリティに応じた設定)
例えば、直近の高値が100円で戻り売りを仕掛けた場合、101円を超えたら損切りするといったルールを作ることで、無駄な損失を防げます。また、逆指値注文(ストップロス注文)を活用すれば、相場が急変しても自動で損切りが行われるため安心です。
② どこまで利益を狙う?リスクリワードの考え方
リスクリワードとは、「リスク(損失)に対して、どれだけのリターン(利益)を狙うか」という考え方です。戻り売りでは、1回の取引で得られる利益が損失よりも大きくなるように設定するのが理想です。
リスクリワード比率の例
- 1:1(リスク10pipsに対してリターン10pips) → 小さな勝ちを積み重ねる
- 1:2(リスク10pipsに対してリターン20pips) → 損小利大のトレードを狙う
- 1:3以上(リスク10pipsに対してリターン30pips以上) → 大きな利益を狙う
たとえば、損切り幅を20pipsに設定するなら、最低でも40pipsの利益を狙うようにすれば、勝率が50%以下でも収益がプラスになります。
③ エントリー後の値動きに応じたポジション調整
相場は常に変動しているため、エントリー後の値動きに応じてポジションを調整することも重要です。
ポジション管理のポイント
- 利益が一定のラインに達したら「トレールストップ」を活用(利確を伸ばす戦略)
- 予想と違う動きをしたらすぐに撤退する(負けを小さくする)
- 分割決済を活用してリスクを分散(半分のポジションを利確し、残りを伸ばす)
たとえば、40pipsの利益が出た時点で半分のポジションを決済し、残りの半分はトレールストップ(価格が一定幅逆行すると自動で決済)を設定することで、利益を最大化できます。
戻り売りの成功事例と失敗事例から学ぶ
戻り売りの理論を理解しても、実際のトレードで成功するためには経験が必要です。ここでは、具体的な成功事例と失敗事例を紹介しながら、勝ちやすいパターンと避けるべきミスを解説します。
① プロトレーダーの成功事例|勝率を高めるコツ
成功事例:移動平均線+レジスタンスラインの活用
あるプロトレーダーは、次のような手法で戻り売りを成功させています。
- 下降トレンドを確認(50日移動平均線の下で推移)
- 価格が一時的に戻り、過去のレジスタンスラインに接近
- 移動平均線とレジスタンスラインの両方が重なるポイントで反発
- 反発を確認した後に売りエントリーし、リスク1:リワード3で利確
このトレーダーは、テクニカル指標を組み合わせることで「勝ちやすいパターン」を作り出していました。特に、単一の指標に頼らず、複数の根拠を持つことで精度の高いエントリーを実現しています。
② 初心者が陥りがちな失敗例とその回避策
失敗例①:戻りが浅すぎるタイミングで売ってしまう


- 戻りが不十分な状態で焦ってエントリーすると、すぐに損切りになりやすい。
- 回避策:フィボナッチリトレースメントを活用し、38.2%以上の戻りを待つ。
失敗例②:損切り設定が甘く、大損してしまう


- 「まだ戻るかも」と考えて損切りを遅らせると、予想以上の損失になることがある。
- 回避策:必ず直近高値の上に逆指値を設定し、感情に左右されないトレードを徹底する。
失敗例③:トレンドの転換点で売りを仕掛ける


- 下降トレンドだと思って売ったが、実はトレンド転換の初動で、損失を出してしまう。
- 回避策:高値と安値の切り下がりを確認し、明確な下降トレンドでのみエントリーする。
成功事例からは「複数のテクニカル指標を組み合わせる」ことの重要性が、失敗事例からは「エントリーの精度を上げること」が重要であることがわかります。
まとめ|戻り売りをマスターして安定した利益を目指す
戻り売りは、下降トレンドに沿った順張りの手法であり、適切に使えば高確率で利益を狙える戦略です。本記事で紹介したポイントをおさらいしましょう。
① 戻り売りの基本と有効性
- 下降トレンド中の一時的な上昇(戻り)を狙って売りエントリーする手法
- 市場参加者の心理を利用することで、高確率で利益を得られる
② 効果的なエントリーポイントの見極め方
- 移動平均線:デッドクロス後の戻りや、移動平均線への接近を狙う
- フィボナッチリトレースメント:38.2%・50%・61.8%の水準での反発を活用
- レジスタンスライン:過去の高値やサポレジ転換ポイントを意識する
③ 損切り設定とリスク管理
- 損切りは直近の高値を超えたら実行する
- リスクリワード比率を1:2以上に設定することで、利益を最大化
- トレールストップや分割決済を活用して、利益を伸ばす戦略も有効
④ 成功事例と失敗事例から学ぶべきポイント
- 成功の鍵:複数のテクニカル指標を組み合わせ、根拠のあるエントリーを行う
- 失敗を防ぐコツ:戻りが不十分なエントリーを避け、損切り設定を徹底する
戻り売りは、単なる「売りエントリーのタイミング」ではなく、市場の流れを読み取り、リスクを管理しながら取引を進める戦略です。本記事で学んだ知識を活かし、実際のトレードで試してみましょう!