
「サポートラインとレジスタンスラインって、どうやって引くのが正解なの?」
「そもそも、どこでエントリーすればいいのか分からない…」
こんな悩みを抱えているトレーダーは多いはずです。テクニカル分析を学び始めたばかりの人も、経験を積んだ人も、「このラインは本当に機能するのか?」と疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
実は、サポートラインとレジスタンスラインは単に「過去の高値・安値を結ぶだけ」では不十分。市場の参加者が意識している価格帯を見極めることが、精度の高いラインを引くポイントです。
この記事では、サポートラインとレジスタンスラインの基本から、実践的な引き方、エントリー戦略までを徹底解説。
サポートラインとレジスタンスラインとは?
サポートラインとレジスタンスラインは、相場の動きを予測する上で欠かせない概念です。どちらも「価格が反発しやすい水準」を示しますが、それぞれ役割が異なります。
- サポートライン(支持線):価格が下落した際に支えとなるライン。買い圧力が強まるポイント。
- レジスタンスライン(抵抗線):価格が上昇した際に抑えられるライン。売り圧力が強まるポイント。
たとえば、1ドル=150円付近で何度も価格が下落を止められているなら、その水準がサポートラインとして機能している可能性が高い。一方、1ドル=155円付近で何度も上昇が抑えられているなら、そこがレジスタンスラインになるでしょう。
サポートラインとレジスタンスラインの基本
サポートラインとレジスタンスラインが機能する背景には、多くの投資家の心理があります。
- サポートライン付近では買い注文が増える:「この価格なら買いたい」という投資家が多いため。
- レジスタンスライン付近では売り注文が増える:「この価格では売りたい」と考える投資家が多いため。
サポートラインとレジスタンスラインの役割
これらのラインは、次のような役割を持っています。
- 価格の転換点となる:「買いが強ければ反発」「売りが強ければ反落」するため。
- エントリーポイントの目安になる:ライン付近で反発するなら買い、跳ね返されるなら売りを考える。
- リスク管理に使える:損切りや利益確定の目安として活用できる。
特に、相場がレンジ(一定の価格帯で上下する動き)のときは、サポートラインとレジスタンスラインが明確に機能しやすくなります。一方、強いトレンド相場では、ラインを突破する動き(ブレイクアウト)が発生することもあるため、注意が必要です。
サポートラインとレジスタンスラインの引き方
サポートラインとレジスタンスラインを正しく引くことは、トレードの精度を高める上で非常に重要です。適当に引いたラインでは、相場の動きを正しく予測できず、エントリーポイントを見誤る原因になります。
基本的に、ラインを引く際は 「多くの投資家が意識する価格帯」 を基準にすることが大切です。過去に何度も反発・反落しているポイントを探し、そこを結ぶことで、より精度の高いサポートライン・レジスタンスラインを引くことができます。
正しいラインの引き方とは?
ラインを引く際の基本的な手順は以下の通りです。
- 過去の高値・安値を確認する
- チャートの時間足(1時間足、4時間足、日足など)を確認し、明確な高値・安値を探します。
- 直近の価格変動との関係を考える
- 現在の価格が、その高値・安値にどのように反応しているかを確認します。
- 複数の時間足で検証する
- 1つの時間足だけでなく、長期・短期の視点でラインの有効性を確認します。
- ラインが機能しているかを検証する
- 過去に何度も反発・反落しているかをチェックします。
実践的なラインの引き方のポイント
過去の高値・安値を活用する
サポートラインとレジスタンスラインは、単に「最新の安値・高値」に引けばいいわけではありません。過去に何度も価格が反応している水準を重視しましょう。
例えば、1ドル=150円付近で過去に3回以上価格が反発しているなら、その水準はサポートラインとして強い可能性があります。同じように、1ドル=155円付近で何度も反落しているなら、レジスタンスラインとして機能するかもしれません。
トレンドラインと組み合わせる
トレンド相場では、サポートラインやレジスタンスラインだけでなく、 トレンドライン も併用するとより精度が増します。
- 上昇トレンドでは、安値を結んだライン(サポートライン)が有効
- 下降トレンドでは、高値を結んだライン(レジスタンスライン)が有効
このように、トレンドラインと水平ラインを組み合わせることで、より正確なエントリーポイントを見つけることができます。
移動平均線やチャネルラインと併用する
移動平均線(MA)やチャネルライン(一定の範囲で上下する価格帯)とサポート・レジスタンスを組み合わせると、より確実なポイントが見えてきます。
例えば、200日移動平均線 は、多くのトレーダーが意識する指標の1つです。この移動平均線付近で価格が反発するなら、それがサポートラインとして機能している可能性が高いでしょう。

サポートラインとレジスタンスラインの活用方法
サポートラインとレジスタンスラインを正しく引けたら、次はそれをどのようにトレードに活かすかが重要です。多くの投資家が意識するポイントを見極め、適切なエントリーとリスク管理を行うことで、勝率を上げることができます。
主な活用方法としては、以下の2つが挙げられます。
- 反発を狙ったエントリー戦略(レンジ相場向き)
- ブレイクアウト戦略の活用(トレンド相場向き)
それぞれ詳しく解説していきます。
反発を狙ったエントリー戦略
サポートラインでは買い、レジスタンスラインでは売る。 これは、相場がレンジ状態(一定の価格帯で上下する動き)のときに有効な戦略です。
サポートラインでの買いエントリー
サポートライン付近では、過去に価格が反発した実績があるため、多くの買い注文が入りやすくなります。このポイントでロング(買い)を仕掛けることで、リスクを抑えつつ利益を狙うことができます。
エントリーの条件
- 過去に何度も反発しているサポートラインである
- 出来高が増えており、買いの勢いが強まっている
- RSI(相対力指数)が30付近(売られすぎ)で反発の兆候がある
損切りの目安
- サポートラインを明確に割ったら損切り(ダマシに注意)
レジスタンスラインでの売りエントリー
レジスタンスライン付近では、多くの売り注文が入りやすいため、ショート(売り)を狙うポイントになります。
エントリーの条件
- 過去に何度も反落しているレジスタンスラインである
- 出来高が増えており、売り圧力が強まっている
- RSIが70付近(買われすぎ)で反落の兆候がある
損切りの目安
- レジスタンスラインを明確に超えたら損切り
ブレイクアウト戦略の活用
サポートラインやレジスタンスラインは、必ずしも「反発」するとは限りません。むしろ、強いトレンドが発生したときには、ラインを突き抜ける 「ブレイクアウト」 が起こります。

ラインを超えたときのエントリー判断
ブレイクアウトが起こると、価格はその方向に勢いよく動くことが多いため、順張り(トレンドフォロー)の戦略が有効になります。
エントリーの条件
- 長期間意識されていたラインを明確に突破した
- 出来高が急増し、強いトレンドの兆候がある
- 直後に押し目(買い戻し)が入る場合があるので確認
偽ブレイクアウト(ダマシ)に注意
ブレイクアウト後にすぐ戻る「ダマシ(フェイクアウト)」が発生することもあります。これを避けるためには、以下の点を確認しましょう。

サポレジ転換とは?
サポートラインがレジスタンスラインに、またはその逆になることを 「サポレジ転換」 と言います。
例:サポートがレジスタンスに変わるケース
- 価格がサポートラインを下抜ける
- その後、再びラインまで戻るが、今度は「抵抗」として機能し、反落
このパターンが確認できた場合、強いトレンドが発生しやすいため、積極的に順張りでエントリーするのが有効です。
サポートラインとレジスタンスラインの注意点
サポートラインとレジスタンスラインは、相場分析において強力なツールですが、万能ではありません。機能しないケースや誤認識によるトレードミスを防ぐために、注意すべきポイントを理解しておくことが重要です。
ラインが機能しない場合の対処法
「何度も機能していたサポートラインが、ある日突然破られてしまった…」
「レジスタンスラインを信用して売りエントリーしたのに、あっさり突破された…」
こんな経験はありませんか?
サポートラインやレジスタンスラインが機能しない主な原因として、以下の3つが考えられます。
- 市場のボラティリティが高い(値動きが荒い)
- 重要な経済指標の発表や要人発言があると、通常のテクニカル分析が通用しにくくなる。
- 例:雇用統計発表時のドル円など。
- 長期間意識されていなかったライン
- 直近の相場であまり機能していないラインは、信頼性が低い可能性がある。
- 機関投資家の仕掛け(ダマシ)
- 一度ブレイクしたように見せて、すぐに戻す「フェイクアウト」が起こることがある。
- 個人投資家を振るい落とすための動き。
対処法
- 経済指標の発表スケジュールを把握し、重要イベント前のエントリーを避ける。
- 直近の相場で意識されているラインかどうかを確認する。
- ダマシを回避するために、ブレイク後のローソク足の確定を待つ。
失敗しないためのポイント
サポートラインやレジスタンスラインを効果的に活用するために、以下の点に注意しましょう。
複数の時間足で確認する
- 短期(5分足・15分足)だけでなく、中期(1時間足・4時間足)、長期(日足・週足)のラインもチェック。
- 上位足のラインほど、意識されやすくなる。
- 例:「1時間足ではサポートラインだけど、日足では明確なラインではない」→ 信頼度が低い可能性あり。
取引量(出来高)を考慮する
- 出来高の増減をチェックすることで、ラインの強さを判断。
- 例:「サポートライン付近で出来高が増えている」→ 買い勢力が強まっている可能性が高い。
- 出来高が少ない状態でのブレイクはダマシの可能性があるため注意。
まとめ:ライン分析を活かして勝率を上げよう
サポートラインとレジスタンスラインは、相場の転換点やエントリーポイントを見極めるための重要なツールです。しかし、単に「高値と安値を結ぶだけ」ではなく、多くのトレーダーが意識する価格帯を見極めることが成功への鍵となります。
ここまでのポイントをおさらいすると…
- サポートラインは買い圧力が強いポイント、レジスタンスラインは売り圧力が強いポイント。
- ラインを引く際は、過去に何度も反発・反落している価格帯を重視する。
- 反発狙いのエントリーはレンジ相場向き、ブレイクアウト戦略はトレンド相場向き。
- ダマシを防ぐために、出来高や複数の時間足をチェックすることが重要。
サポートラインとレジスタンスラインは、単体で使うよりも、移動平均線やRSI、出来高と組み合わせることで、より精度の高いトレードが可能になります。
最も大切なのは、機械的にラインを信じるのではなく、常に市場の動向をチェックし、状況に応じて柔軟に対応すること。 この記事で学んだことを実践しながら、相場の動きに慣れていきましょう!