基礎知識
テクニカル分析とは、過去の値動きからパターンを分析してこれからの相場を予測する分析方法です。
この記事では、チャートを使ったテクニカル分析の方法を徹底解説します。
- テクニカル分析の基礎知識
- チャートを使った分析方法
テクニカル分析とは
先程も、述べた通り過去の相場から「値動きのパターンを分析」し、「将来の値動き」の予測に利用する分析方法です。
これは、「過去に起こった特徴的な値動きのパターンは、繰り返される。」と言う考え方をベースに編み出された分析方法になります。
実際に「トレンドに入るタイミング」や「トレンドが継続するタイミング」「トレンドが終了するタイミング」は、特徴的なパターンが見られます。
パターンを覚えることにより、格段に勝率を上げることができます。
100%確実にパターン通りに動くわけではなく、「パターン通りに動く傾向がある。」と言う意識は忘れないようにしましょう。
相場の分析方法
ここからは相場を分析するにあたり、必須となってくる「テクニカル」と「ファンダメンタルズ」の違いについて、解説します。
テクニカル
テクニカル分析とは、過去の価格変動や取引量などの市場データを分析し、変動パターンから今後の相場変動を予測する分析手法です。
この手法は、主にチャートを用いて行われます。
有名な分析方法を紹介します。
ローソク足
- ローソク足解説
- スパイクハイ
- スパイクロー
- スラストダウン
- スラストアップ
- リバーサルハイ
- リバーサルロー
- ランウェイダウン
- ランウェイアップ
- 下降ピンバー
- 上昇ピンバー
- フォールスブレイクアウト(下落)
- フォールスブレイクアウト(上昇)
- フェイクセットアップ(下落)
- フェイクセットアップ(上昇)
ローソク足
ローソク足のチャート分析をする前には、まず時間足の見方を覚えましょう。
この表示方法は一定期間内での値動き(始値、終値、高値、安値)をローソクのような形で表されたものです。
始値の方が高いと陰線、終値の方が高いと陽線と言います。
スパイクハイ
上昇相場の終盤の局面でみられます。
長い上ヒゲをつけることが多く、下落転換のサインとされています。
前の上昇トレンドが「長く」 「強い」ほど、相場転換の可能性が高まります。
スパイクロー
下落相場の終盤の局面でみられます。
長い下ヒゲをつけることが多く、上昇転換のサインとされています。
前の下落トレンドが「長く」 「強い」ほど、相場転換の可能性が高まります。
スラストダウン
前日の安値を当日の終値が下回った状態のことを言います。
スラストアップは連続して発生することが多く、多いほど下落トレンドが強いことがわかります。
スラストアップ
前日の高値を当日の終値が超えた状態のことを言います。
スラストアップは連続して発生することが多く、多いほど上昇トレンドが強いことがわかります。
リバーサルハイ
まずは上昇して前日の高値を更新します。
その後、反転して、前日の終値(安値でも可)を下回って終わるとサインが完成します。
リバーサルハイが確認されたら上昇トレンドが終了するサインとされています。
リバーサルロー
まずは下落して前日の安値を更新します。
その後、反転して、前日の終値(高値でも可)を上回って終わるとサインが完成します。
リバーサルローが確認されたら下落トレンドが終了するサインとされています。
ランウェイダウン
まずは、安値が過去3~5本のローソク足の安値を下回ります。
その後、高値が数本先のローソク足に超えられていないことがサイン発生の条件となります。
ランウェイダウンが確認されたら、下落トレンドはそのまま継続される傾向にあります。
ランウェイアップ
まずは、高値が過去3~5本のローソク足の高値を上回ります。
その後、安値が数本先のローソク足が下回っていないことがサイン発生の条件となります。
ランウェイアップが確認されたら、上昇トレンドはそのまま継続される傾向にあります。
下降ピンバー
実体部分に対し、上方向に大きくヒゲが伸びたローソク足のことを言います。
始値から高値にかけて一瞬強い上昇があったものの、その後大きく下方向に反発して終値がつくことで発生します。
これは、下落トレンドに転換されるサインとして見られます。
上昇ピンバー
実体部分に対し、下方向に大きくヒゲが伸びたローソク足のことを言います。
始値から安値にかけて一瞬強い下落があったものの、その後大きく上方向に反発して終値がつくことで発生します。
これは、下落トレンドに転換されるサインとして見られます。
フォールスブレイクアウト(下落)
天井圏で過去の高値を更新したものの、ブレイクに失敗することでサインが成立します。
このサインが見られたら、下落トレンドが発生すると言われてます。
フォールスブレイクアウト(上昇)
低値圏で過去の低値を更新したものの、ブレイクに失敗することでサインが成立します。
このサインが見られたら、上昇トレンドが発生すると言われてます。
フェイクセットアップ(下落)
レンジ相場の高値のブレイクに失敗した後、下落方向に相場が動いている状態です。
フェイクセットアップ(上昇)
レンジ相場の安値のブレイクに失敗した後、上昇方向に相場が動いている状態です。
通常レンジ相場が形成されている時、ブレイクの方向にトレンドが発生するのが一般的ですが、レンジへの意識が薄まらず
「レンジへ戻す力」と「トレンドに乗ってしまった売買を修正しようとする力」が重なり、このように相場が推移します。
ライン
- ダブルボトム
- ダブルトップ
- トリプルボトム
- トリプルトップ
- 逆ヘッド&ショルダー
- ヘッド&ショルダー
- ソーサーボトム
- ソーサートップ
- 上昇フラッグ
- 下落フラッグ
- 上昇ペナント
- 下落ペナント
- 上昇ウェッジ
- 下落ウェッジ
- 上昇三角保ち合い
- 下落三角保ち合い
- 上昇レクタングル
- 下落レクタングル
ダブルボトム
安値を付けて反発した後、再度下落したものの、1度目の安値より上の価格で反発することによって、上昇していくサインとなります。
一番底の次の高値がネックラインとなり、最後の反発の上昇での買いポイントとなります。
ダブルトップ
高値を付けて反発した後、再度上昇したものの、1度目の高値より下の価格で反発することによって、下落していくサインとなります。
一番天井の次の安値がネックラインとなり、最後の反発の下落での売りポイントとなります。
トリプルボトム
ダブルボトムが成立しなかった時に再度反発することによって、このサインが完成し、上昇していくサインとなります。
一番底の次の高値がネックラインとなり、最後の反発の上昇での買いポイントとなります。
トリプルトップ
ダブルトップが成立しなかった時に再度反発することによって、このサインが完成し、下落していくサインとなります。
一番底の次の高値がネックラインとなり、最後の反発の下落での売りポイントとなります。
逆ヘッド&ショルダー
2番底が大きく飛び出したトリプルボトムとなります。
基本的な特徴はトリプルボトムと同じですが、より強い上昇のサインとなります。
ヘッド&ショルダー
2番底天井が大きく飛び出したトリプルトップとなります。
基本的な特徴はトリプルトップと同じですが、より強い下落のサインとなります。
ソーサーボトム
安値圏で緩やかな下降中に横ばいのトレンドに入ります。徐々に安値が切りあがり、一度大きな上昇が現れます。
その上昇から、再び短期的な保ち合いに入り、ネックラインを突破した段階でサインが完成し、上昇トレンドへ入ります。
ソーサートップ
高値圏で緩やかな上昇中に横ばいのトレンドに入ります。徐々に高値が切り下がり、一度大きな下落が現れます。
その下落から、再び短期的な保ち合いに入り、ネックラインを突破した段階でサインが完成し、下落トレンドへ入ります。
上昇フラッグ
上昇トレンド中、上値と下値が少しずつ切り下がります。
そこからしばらく揉み合い、チャネルラインを上にブレイクすると再び強い上昇トレンドが発生します。
上昇中のラインと平行のチャネルラインがまるで旗(フラッグ)に見えることから、そう呼ばれています。
下落フラッグ
下落トレンド中、上値と下値が少しずつ切り上がります。
そこからしばらく揉み合い、チャネルラインを下にブレイクすると再び強い下落トレンドが発生します。
レクタングル(上昇)
フラッグの保ち合いの部分(旗の部分)をレクタングルと呼びます。
上にブレイクして、一旦トレンドラインまで戻る動きを確認してから買いを入れるという方法で、ブレイク直後の逆行した値動きを回避できます。
レクタングル(下落)
フラッグの保ち合いの部分(旗の部分)をレクタングルと呼びます。
下にブレイクして、一旦トレンドラインまで戻る動きを確認してから売りを入れるという方法で、ブレイク直後の逆行した値動きを回避できます。
上昇ペナント
上昇トレンド中、上値と下値が少しずつ収束していきます。
そこからしばらく揉み合い、チャネルラインを上にブレイクすると再び強い上昇トレンドが発生します。
上昇中のラインと収束するのチャネルラインがまるで長三角旗(ペナント)に見えることから、そう呼ばれています。
下落ペナント
下落トレンド中、上値と下値が少しずつ収束していきます。
そこからしばらく揉み合い、チャネルラインを下にブレイクすると再び強い下落トレンドが発生します。
上昇ウェッジ
基本的に機能は上昇ペナントと変わりません。
収束先が上下どちらかに向いている場合、ウェッジと呼び方が変わります。
これらは、トレンドの継続を示唆します。
下落ウェッジ
基本的に機能は下落ペナントと変わりません。
収束先が上下どちらかに向いている場合、ウェッジと呼び方が変わります。
上昇三角保ち合い
基本的に機能は上昇ペナントと変わりません。
上下のトレンドラインいずれかが水平であることが特徴です。
下落三角保ち合い
基本的に機能は下落ペナントと変わりません。
上下のトレンドラインいずれかが水平であることが特徴です。
このように、過去のチャートのパターンから、未来の値動きを予測することができます。
覚えておくと、トレードする際の大きなアドバンテージになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。少々覚えることが多いかもしれませんが、「上昇」と「下落」の2パターンあることや、似たような分析パターンがあることに気づければ、比較的早く習得することが可能になります。
多いからと焦らずに、1つずつ正確に覚えていきましょう。