
RSIとは

RSI(Relative Strength Index)は市場の「強さ」や「弱さ」を示す指標のことです。
技術分析という手法で使われるこの指標は、価格の動きが速いか遅いか、また市場が「熱すぎる」か「冷えている」かを判断するためのものです。
RSIの考案者はJ.ウェルズ・ワイルダーという方で、もともとは株の価格を分析するために使われていました。しかし、今ではFX(外国為替取引)をはじめ、さまざまな市場でこの指標が利用されています。
RSIは市場の動きを理解するのに役立つツールの1つです。過去の価格の動きをもとに、これからの動きを予測するのに使われるのが、「技術分析」という手法です。
RSIの計算方法
RSIの計算式は以下の通りです。
- RSI = 100 – (100 / (1 + RS))
- RS = 平均上昇幅 / 平均下落幅
一定の期間内での価格の上昇幅と下落幅の平均を比較しています。具体的には、価格が上昇した日の平均上昇幅と、価格が下落した日の平均下落幅の比率を求めることで、RSIを計算します。
RSIの見方
RSIは、相場の強さや方向を示す指標の一つです。
具体的には、0から100の間の値を示します。この数値を使って、相場がどのような状態にあるのかを判断することができます。
以下に、RSIの解釈方法を簡単に説明します。
RSIの見方

70以上
この数値を超えると、相場が「オーバーボート」と呼ばれる状態になっていると考えられます。
オーバーボート (Overbought)とは相場が過熱している状態のことをいい、多くの人が買っているため、価格が上がりすぎていると考えられます。その結果、反発して価格が下がる可能性が高まるとされています。

30以下
この数値を下回ると、「オーバーソールド」という状態になっていると言われます。
オーバーソールド (Oversold)とは 相場が過度に売られている状態のことをいい、多くの人が売っているため、価格が下がりすぎていると考えられる。その結果、反発して価格が上がる可能性が高まるとされています。
30~70の範囲は「ノーマルレンジ」と呼ばれ、相場が安定していることを示しています。
RSIの特徴
直感的に理解しやすい
RSIは簡単な計算式で得られるため、相場の強さや、過熱(価格が高くなりすぎ)や過冷(価格が低くなりすぎ)の状態を直感的に判断することができます。
トレンドの方向は示さない
RSIは相場の強さを示すものであり、価格が上昇するのか、下降するのかというトレンドの方向を示すものではありません。そのため、RSIだけを使って相場の動きを判断するのではなく、他の指標や情報と一緒に考慮することが大切です。
ボラティリティの高い市場での使用に注意
価格の変動が激しい市場では、RSIの値が頻繁に変わるため、正確な判断が難しくなることがあります。

RSIの使い方
過熱過冷領域の反転シグナルとしての利用
RSIが特定の数値を超えたり、下回ったりすることで、相場が反転する可能性があることを示すシグナルとして利用します。例えば、RSIが70以上になると過熱、30以下になると過冷と判断されます。
サポート・レジスタンスとの組み合わせ
サポートは価格が下がりにくいとされるライン、レジスタンスは価格が上がりにくいとされるラインを指します。RSIとこれらのラインを組み合わせることで、より確実な取引のタイミングを見つけることができます。

トレンドの強弱判断
RSIの数値を見ることで、相場のトレンドが強いのか、弱いのかを判断することができます。
ダイバージェンス(乖離)の検出
ダイバージェンスとは、価格とRSIの動きが異なることを指します。これを検出することで、相場の反転や変動の兆しを見つけることができます。
RSIと他のインジケーターの組み合わせ
ボリンジャーバンド


RSIが70以上(オーバーボート)で、価格がボリンジャーバンドの上限に近づくと、売りのタイミング。
RSIが30以下(オーバーソールド)で、価格がボリンジャーバンドの下限に近づくと、買いのタイミング。

移動平均線


RSIが70を超えるとき、価格が移動平均線を下回れば売りのサイン。
RSIが30を下回るとき、価格が移動平均線を上回れば買いのサイン。

MACD


RSIが70を超え、MACDが下向きになれば強い売りのサイン。
RSIが30を下回り、MACDが上向きになれば強い買いのサイン。

これらの指標を組み合わせることで、より確実な取引のタイミングを掴むことができます。
RSIの注意点
RSIは、相場の強さや過熱度を示す指標の一つですが、正確に取引のタイミングを捉えるためにはいくつかの注意点が必要です。
固定的な基準に縛られない
RSIの数値だけに固執せず、市場の状況に応じて使い方を調整することが大切です。例えば、一般的にはRSIの70や30を基準にしますが、市場の動きによっては80や20を基準にすることもあります。
トレンドの方向は示さない
RSIは相場の強さを示すもので、価格が上昇するのか、下降するのかというトレンドの方向を示すものではありません。そのため、RSIだけを頼りに取引をするのはリスクが高いです。
ダイバージェンスに注意
ダイバージェンスとは、RSIと価格の動きが異なることを指します。例えば、価格が新しい高値を更新しているのにRSIがそれに追従しない場合などです。このような乖離が見られる時は、相場の反転や変動の兆しを注意深く観察することが必要です。
過去の高値や安値付近での取引には慎重に
価格が過去の高値や安値に近づくと、一度は反発することが多いですが、その後に価格がさらに上昇したり下降したりするブレイクアウトする可能性もあります。このような場面では特に慎重に取引を行うことが求められます。
ボラティリティの高い市場での使用には注意
ボラティリティとは、価格の変動の大きさを示すものです。価格の変動が激しい市場では、RSIの数値も頻繁に変わるため、正確な判断が難しくなることがあります。
まとめ
FX取引を始めたばかりの方々に、RSIという指標の基本的な使い方を簡単にご紹介しました。
RSIは相場の強さや動きを示すツールとして非常に役立ちます。しかし、実際に効果的にRSIを活用するためには、実際のチャートでの取引経験がとても大切です。
この記事を読んで、RSIについての基本的な知識を得ることができたら、次は実際のチャートで始めてみてください。