基礎知識
スイングトレードとは、短期的な値動きではなく、数日から数週間程度の中・長期的な相場の上下動きを利用して売買を行う手法のことを言います。
- スイング手法の仕組みについて
- トレンド分析方法
- トレード戦略
- スイング手法のメリット
スイングとは
数日から数週間程度の比較的長い期間、ポジションを保有し続ける取引スタイルのことです。短期間の小さな値動きではなく、ある程度の大きな価格変動から利益を得ることを狙います。
具体的な手順として、まず月足や週足などの長い時間足でチャートを分析し、相場の大きな流れ(トレンド)を把握します。
そして、そのトレンド方向へ売買注文を出し、数日から数週間の間ポジションを保有しながら、利益確定のタイミングを狙います。
スキャルピングやデイトレなどと違い、1取引の利益は格段に大きくなります。その分、リスクも大きくなります。
トレンド分析方法
スイング手法でトレードを行う場合の簡単なトレンド分析方法をご紹介します。
- 移動平均線
- 平均足
移動平均線
移動平均線の傾きで相場の大まかな流れ(トレンド方向)が分かり、さらに価格との位置関係で現在の強弱が分かります。
例えば、移動平均線が右上がりで価格もその線の上側にある場合は、しっかりとした上昇トレンドが継続中と判断できます。
逆に移動平均線が下がっていて価格もその下側にあれば、下落トレンドが始まっていると見られます。
このように、単純な移動平均線の動きと価格との関係から、現在の相場環境を把握することができます。
関連記事
FX取引において、移動平均線は欠かせない重要なツールです。価格の動きを平滑化し、トレンドの把握や売買のタイミングを見極めるために多くのトレーダーが活用しています。
Read More平均足
平均足とは、価格の動きをトレンドの流れとして視覚的に捉えやすくしたチャートのことです。
従来のローソク足チャートは時間経過で価格を表しますが、平均足チャートは価格の動きそのものを連続したボックス(陽線または陰線)で表現します。価格が上がれば青や白の陽線ボックスが連続し、下がれば赤や黒の陰線ボックスが連続して表示されます。
このように、同じ色のボックスが続く間はトレンドが持続していると見なせます。一方、ボックスの色が切り替わると、トレンドの転換サインとなります。平均足なら一目でトレンドの継続と転換がわかりやすいのが大きな利点です。
また、平均足ではローソク足のようなギャップ(窓)が発生しません。新しいボックスは必ず前のボックスの中心価格から始まるようになっているためです。
平均足を使えば、チャートを見るだけでトレンドの強弱や転換タイミングがスムーズに捉えられます。
移動平均線と平均足を組み合わせる
上記2つの分析方法を組み合わせて同時に表示させると、より分析がしやすくなります。
取引で重要な経済指標
スイングでの取引は長期的になります。長期的になるということは、あらゆる経済指標の影響を受けやすいということです。
ここで、スイングに重要な影響をもたらす指標をいくつかご紹介します。
- 消費者物価指数(CPI)
- 米国雇用統計
- 米国大統領選挙
- 戦争や内戦
各国の消費者物価指数(CPI)
CPIは物価の上昇率を表す指標で、各国のインフレ率を示します。インフレ率が高ければ、将来的に金利が上がる可能性が高まるため、通貨高になる傾向があります。逆にデフレ則々とすれば、金利は据え置かれ或いは引き下げられ、通貨安になりがちです。
米国雇用統計
米国雇用統計は、毎月第1金曜日に発表される米国の雇用関連の重要な経済指標です。新規雇用者数や失業率の数値が公表されます。雇用が好調であれば経済が活発であることを示し、米ドル高となる傾向があります。逆に雇用が悪化すれば景気後退の恐れがあり、米ドル安になりがちです。
米国大統領選挙
米国大統領選挙は4年に1度行われ、結果によって今後の米国の政策方針が大きく変わる可能性があります。経済政策や通商政策、安全保障政策などによって、市場に大きな影響が出る可能性があるため、為替相場への影響も大きくなります。
戦争や内戦
戦争や内戦、クーデターなどの地政学的なリスクが高まれば、当該国や地域の通貨は売られ安くなる傾向にあります。逆に平和な状況が続けば通貨は買われ高くなります。地政学リスクは短期的に為替相場に大きな変動をもたらします。
スイング取引に向いてる人
長期間で利益を確保したい人
スイングは、長期間で利益を確保したいと考えている人に向いている取引手法です。1取引につき数日から数週間と時間をかけた値動きで利益を狙うので、一日中チャートを眺めている必要は比較的ございません。仕事で忙しい人や、長期的な価格変動によるスワップポイントでの利益を狙っている方などにおすすめです。
細かく少額な取引をしたくない人
多少のリスクは覚悟で、デイトレなどより1取引ごとにハイリターンを狙いたい人にはおすすめです。
資金に余裕ができ、トレンド分析にも自信がついてきたら、少しリターンを増やす為のトレード戦略を練ってみましょう。
実際の長期でのトレードは、短期とは感覚が大きく異なってくるので多少の経験値は必要です。
取引コストを抑えたい人
スイングでのトレードは取引回数が少なく、スプレッドによる取引コストを抑えられます。
取引ごとにスプレッドによるコストがかかるので、取引回数が多い取引手法であるほど取引コストがかさみます。取引数による資金の負担を考えれば、取引回数が少ないスイングは取引コストを抑えられるのです。
スイングEA解説
ここからは、実際にデイトレEAの運用方法を解説していきます。
EAの選び方
スイングのEAを選ぶ上では、まずスイングトレードの特性を理解する必要があります。
スキャルピングやデイトレと違い、日を跨ぐ可能性(週末を跨ぐ可能性)があったり、ポジションの保有時間が長くなるためスワップポイントの管理が必要となってきます。
加えて、ポジションの長期保有により急激なトレンドの変化に巻き込まれる可能性もあります。
長期保有によるリスクへのヘッジが考慮されているかを確認してみましょう。
また、ロジックとして組み込まれている、トレンドを察知するフィルターが、普段自分が使っていて馴染みのある分析方法を用いているEAを探すのもおすすめです。
EAの使い方
何度も言いますが、スイング手法は長時間ポジションを保有します。
大きな相場の変動があった場合、大きな損失が生まれるリスクが出てきます。
そう言ったリスクを回避するためにも、複数の通貨ペアの分散運用がおすすめです。
1つの通貨ペアの相場がトレンドでポジションに対し逆行してしまった場合に、資産を分散して他の通貨ペアを保有しておけば、
損失が格段に抑えられるという仕組みです。
また、スイング手法はスワップポイントの影響も受けます。
マイナススワップなども考慮し、資産管理やリスク管理を行いましょう。
まとめ
スイングトレードはトレンドを分析したり、テクニカル分析をしたりFXの面白さが一番シンプルに実感できるトレード手法と考えられます。
中には、独自の解析方法を使ったりして取引を行う方もおり、勉強すればするほど奥が深くなってくるので、慣れてきたら解析方法を研究するのもおすすめです。