FXのフォールスブレイクアウト|ダマシを見抜く判断基準と戻る割合の実測

フォールスブレイクアウト(ダマシ)の見抜き方と対策の解説アイキャッチ

フォールスブレイクアウトは、価格が重要な線を抜けたように見えて、すぐ元に戻る動きです。Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足(2016年1月〜2026年10月)を測ると、終値が直前20本の高値・安値を初めて抜けた17,708件のうち、12本以内に終値が線まで戻ったのは68.4%でした。3本以内は48.2%、6本以内は59.2%です。無作為に選んだ足と同じ幅で仮の線を置いた場合は、それぞれ41.6%、54.2%、66.0%でした。抜けた幅が大きいほど、戻る割合は下がりました。

目次

フォールスブレイクアウトとは|終値で線を抜けたあとに戻る動き

USD/JPYの1時間足で、終値が直前20本の高値を抜けたあとに線まで戻った例と、12本あとまで戻らなかった例を並べたローソク足チャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足で、終値が直前20本の高値を抜けた2つの例。

この記事での定義

フォールスブレイクアウト(false breakout)は、サポートやレジスタンスの線を抜けたあと、元の側へ戻る動きです。日本語では「ダマシ」、英語ではfakeoutとも呼ばれ、同じ現象を指します。ダマシ全般の考え方はFXのダマシに、ブレイクアウトの基本はブレイクアウトにまとめています。

この記事では、線を「直前20本の高値(安値)」と決めました。終値がその線を初めて上(下)に抜けた足を1件と数え、そのあと終値が線と同じかそれより内側に戻ったものを「戻った」としています。続けて抜けた足は、最初の1本だけを数えました。

戻った例と戻らなかった例

図の上は、日本時間2026年9月22日15時のUSD/JPYです。終値157.611円が、直前20本の高値157.567円を抜けましたが、2本あとの終値が線の下まで戻り、12本あとの終値は157.497円でした。図の下は、2026年7月21日20時で、終値162.732円が高値162.699円を抜け、12本あとまで終値は線の外にあり、12本あとは163.188円でした。

2つの例は、抜けた幅がどちらも直前20本の平均の値幅(高値と安値の差)の0.5倍以下の、小さめの抜けです。抜けた時点では、この2つを見分ける材料がありません。次の節から、17,708件で、どれくらい戻ったかを数えます。

アドバイス

終値で線を抜けたあと、線まで戻ったものをフォールスブレイクアウトと数えたよ。図の2つは、同じ小さめの抜けでも、戻った例と戻らなかった例に分かれたね。

フォールスブレイクアウトはどれくらい戻るか|17,708件の測定

終値で線を抜けた足のあと、1本以内から12本以内に終値が線まで戻った割合を、無作為の線の範囲と並べた点のグラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、抜けたあとに戻った割合。

戻った割合

測ったのは、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足です。件数は、USD/JPYが3,619件、EUR/USDが3,405件、GBP/USDが3,452件、EUR/JPYが3,550件、AUD/JPYが3,682件で、合計17,708件でした。上へ抜けたものが9,479件、下へ抜けたものが8,229件です。前の20本が途切れず続き、あとの12本もある足だけを対象にしました。

抜けた足のあと、1本以内に戻ったのは29.1%、3本以内は48.2%、6本以内は59.2%、12本以内は68.4%でした。12本以内に戻らなかったのは、残りの31.6%です。戻った割合の増え方は、本数が増えるほどゆるやかになります。

無作為の線と比べる

戻る割合は、線の位置と関係なく高い可能性があります。そこで、無作為に選んだ足の終値から、実際と同じ抜けた幅(直前20本の平均の値幅の何倍か)だけ内側に仮の線を置き、同じ向き・同じ件数で数えました。これを400回繰り返し、平均と、5〜95%の範囲を出しています。

無作為の線で戻った割合の平均は、1本以内が23.5%、3本以内が41.6%、6本以内が54.2%、12本以内が66.0%で、12本以内の範囲は65.4〜66.5%でした。実際の割合は、12本のどこでも範囲より上です。ただし差は、6本以内で5.0ポイント、12本以内で2.4ポイントです。無作為の線でも66.0%が戻るので、実際の線との差は小さいものでした。

アドバイス

抜けたあと12本以内に戻ったのは68.4%。無作為の線は66.0%で、差は2.4ポイントだったよ。

フォールスブレイクアウトを見抜く手がかり|抜けた幅・ティック数・上位足・時間帯

抜けた幅・ティック数・4時間足で分けた区分ごとに、6本以内に戻った割合を無作為の線と並べた点のグラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、区分ごとの6本以内に戻った割合。

抜けた幅で分ける

抜けた幅は、終値が線を越えた幅を、直前20本の平均の値幅で割った倍率です。17,708件を、件数がほぼ同じになる3つに分けました。小さい(0.22倍未満)が5,903件、中ぐらい(0.22倍以上0.61倍未満)が5,902件、大きい(0.61倍以上)が5,903件で、合計は17,708件です。

6本以内に戻った割合は、小さいが74.7%、中ぐらいが64.2%、大きいが38.6%でした。無作為の線は、72.7%、58.8%、31.2%で、実際との差は2.0、5.4、7.4ポイントです。大きく抜けた足ほど戻りにくく、実際の線との差は大きい区分ほど広がりました。

ティック数で分ける

FXには取引所の出来高がないので、その1時間足の中で価格が更新された回数(ティック数)を、出来高の代わりに使いました。その足のティック数を、直前20本の平均で割った倍率で、同じく3つに分けています。少ない(1.05倍未満)、ふつう(1.05倍以上1.62倍未満)、多い(1.62倍以上)で、どれも5,902〜5,903件です。

6本以内に戻った割合は、少ないが67.6%、ふつうが59.2%、多いが50.8%でした。無作為の線は、63.1%、55.6%、44.0%です。ティック数の多い足で抜けたものほど、戻る割合は低くなりました。ただし、抜けた幅とティック数は別々に分けたので、2つが重なっている可能性があります。

4時間足でも抜けているか

4時間足は、1時間足を4本ずつまとめた足です。抜けた足の終値が、直前20本の4時間足の高値(安値)も抜けていたものは8,079件、抜けていなかったものは9,629件で、合計17,708件でした。6本以内に戻った割合は、抜けていたものが57.0%、抜けていなかったものが60.9%で、無作為の線は51.6%と56.5%です。

実際と無作為の線との差は、抜けていたものが5.4ポイント、抜けていなかったものが4.4ポイントで、ほぼ同じでした。4時間足でも抜けているかどうかでは、戻る割合に大きな差は出ませんでした。

抜けた足の日本時間を3〜9時・9〜15時・15〜21時・21〜3時の4つに分けて、6本以内に戻った割合を無作為の線と並べた点のグラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、時間帯ごとの6本以内に戻った割合。

時間帯で分ける

抜けた足の始まりの日本時間で、4つの時間帯に分けました。3〜9時は3時台から8時台に始まる足で、2,792件です。9〜15時が4,048件、15〜21時が5,614件、21〜3時が5,254件で、合計17,708件になります。

6本以内に戻った割合は、3〜9時が63.0%、9〜15時が60.4%、15〜21時が60.9%、21〜3時が54.3%でした。無作為の線は、58.8%、56.4%、53.7%、50.8%で、実際との差は、4.2、4.0、7.2、3.5ポイントです。21〜3時は、実際の割合も無作為の線も、ほかの時間帯より低くなりました。

アドバイス

6本以内に戻る割合は、抜けた幅が小さいと74.7%、大きいと38.6%だったよ。4時間足でも抜けているかでは、57.0%と60.9%だったね。

フォールスブレイクアウトは終値を待てば避けられるか|ヒゲと待った本数で測る

高値か安値が線を越えた足の本数と、そのうち終値も線の外だった足・終値は線の内側だった足の本数と割合をまとめた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、線を越えた足のうち終値で確定した足の数。

ヒゲだけで越えた足

5通貨の1時間足244,665本(前の20本が途切れず続く足)のうち、高値か安値が線を越えた足は53,111本ありました。そのうち、終値も線の外だった足は26,137本(49.2%)で、終値は線の内側に戻り、ヒゲだけが線を越えた足は26,974本(50.8%)です。続けて越えた足も、1本ずつ数えています。

高値や安値が線に触れただけの足のおよそ半分は、終値が線の内側でした。そのため、この記事の17,708件は、終値で確定した足だけを数えています。終値が線を越えるまで待つと、ヒゲだけで終わった足は数に入りません。

抜けたあと、線の外にとどまった足

抜けたあと1本・3本・6本のあいだ終値が線の外にとどまった足が、そのあと12本以内に戻った割合を無作為の線と並べた点のグラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、待ったあとに12本以内へ戻った割合。

抜けた足のあと、1本・3本・6本のあいだ、終値が線の外にとどまっていた足だけを取り出し、そのあと12本以内に戻った割合を数えました。対象は、1本待つが12,559件、3本待つが9,167件、6本待つが7,231件です。

戻った割合は、1本待つが55.4%、3本待つが38.9%、6本待つが22.6%でした。無作為の線は、55.5%、41.7%、25.6%で、範囲は、54.8〜56.2%、40.9〜42.5%、24.7〜26.4%です。1本待つは範囲に入り、3本待つと6本待つは範囲の下でした。長く線の外にとどまった足ほど、そのあとに戻る割合は低くなります。ただし、この数字は、すでに3本または6本とどまったあとから数えた割合です。

アドバイス

高値や安値が線を越えた足のうち、終値が線の内側だったのは50.8%だったよ。3本待って線の外にいた足が、あと12本以内に戻った割合は38.9%だったね。

フォールスブレイクアウトの通貨ごとの違いと測っていないこと

USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYそれぞれの件数と、3本以内・6本以内・12本以内に戻った割合をまとめた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。1時間足で、通貨ごとに抜けたあと戻った割合。

5通貨の割合

通貨ごとの件数は、3,405〜3,682件で、5通貨とも3,000件を超えています。3本以内に戻った割合は47.1〜49.3%、6本以内は57.8〜59.8%、12本以内は67.5〜69.5%でした。5通貨の差は、どの本数でも2.2ポイント以内で、通貨によって大きく変わるという結果ではありませんでした。

測っていないこと

この記事で測ったのは、直前20本の高値・安値を終値で抜けたあとに、終値が線まで戻る割合です。測ったのは1時間足だけで、15分足や日足は測っていません。ボックスレンジの上限・下限、三角持ち合いやレクタングルの線、トレンドライン、キリ番は、線に使っていません。線まで戻ったあとの値動きや、リテスト(戻ってきた線での反発)、戻りを狙った売買の損益も測っていません。

指標の発表前後や、ロンドンのフィキシングの前後に絞った数字もありません。時間帯の数字は、日本時間の4つの区切りだけです。

アドバイス

6本以内に戻った割合は、5通貨で57.8〜59.8%だったよ。測ったのは1時間足だけで、売買の損益は測っていないよ。

要点
・フォールスブレイクアウトは、重要な線を抜けたあと元へ戻る動き。この記事では、終値が直前20本の高値(安値)を初めて抜けた足を1件と数えた
・5通貨の1時間足17,708件(2016年1月〜2026年10月)で、12本以内に戻ったのは68.4%。3本以内は48.2%、6本以内は59.2%。無作為の線は66.0%、41.6%、54.2%
・6本以内に戻った割合は、抜けた幅が小さいと74.7%、大きいと38.6%。ティック数が少ないと67.6%、多いと50.8%
・4時間足でも抜けているかでは、57.0%と60.9%で、差は小さかった。時間帯は、21〜3時が54.3%で最も低かった
・高値や安値が線を越えた足の50.8%は、終値が線の内側。3本待って線の外にいた足が、12本以内に戻った割合は38.9%(無作為の線は41.7%)
・測っていないのは、15分足・日足、リテスト、売買の損益

フォールスブレイクアウトのよくある質問

フォールスブレイクアウトとダマシは違うものですか?

同じ現象を指します。英語ではfalse breakoutやfakeout、日本語ではダマシと呼びます。この記事では、終値が直前20本の高値(安値)を抜けたあと、線まで戻ったものを数えました。

ブレイクのあと、どれくらいの割合で戻りますか?

12本以内に戻ったのは68.4%でした。5通貨の1時間足17,708件の数字です。同じ幅で無作為に仮の線を置いた場合は66.0%で、差は2.4ポイントでした。

終値で確定するまで待てば、ダマシは避けられますか?

避けられるとは言えません。数えた17,708件は、どれも終値で線を抜けた足ですが、そのうち68.4%は12本以内に線まで戻りました。終値を待つと、ヒゲだけで終わった足は数に入りません。

出来高やティック数は、ダマシの見分けに使えますか?

差は出ましたが、損益は測っていません。ティック数が少ない足で抜けたものは、6本以内に67.6%が戻り、多い足は50.8%でした。FXには取引所の出来高がないので、足の中のティック数で測っています。

どの時間足で判定すればよいですか?

測ったのは1時間足だけです。15分足や日足は測っていません。1時間足で抜けたとき、4時間足でも抜けていたものの6本以内に戻った割合は57.0%、抜けていなかったものは60.9%で、差は小さい結果でした。

フォールスブレイクアウトのまとめ

Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月)で、終値が直前20本の高値・安値を初めて抜けた17,708件のうち、12本以内に線まで戻ったのは68.4%でした。無作為の線は66.0%で、差は2.4ポイントです。抜けた幅が大きいほど戻る割合は下がり、6本以内で見ると、小さいが74.7%、大きいが38.6%でした。ティック数が多い足は50.8%で、少ない足の67.6%より低くなりました。

終値で確定した足だけを数えても、3分の2近くが12本以内に戻っています。一方で、4時間足でも抜けているかどうかや、通貨の違いでは、大きな差は出ませんでした。リテストや戻りを狙った売買の損益は測っていないので、使う場合は自分のデータで確かめてください。ダマシを逆に使う組み立てはフェイクセットアップ、1本のローソク足から転換を読む方法は十字線(Doji)、EAの選び方はEAの選び方にまとめています。

この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

\シストレ.COMで実績のあるEAが使い放題!/
無料会員登録はこちら
FX自動売買でEAを探すなら
シストレ.COM 記事下バナー
実績あるEAが無料
厳格な審査を乗り越えた実績のあるEAが無料で使えます!
自由な口座選び
有料版を購入し柔軟な口座選びが可能!
フォワードテスト公開
全EAのフォワードテスト結果を公開中!
FX初心者も安心
初心者の方も安心して取引を始められます。
多様なEA選択肢
様々な種別のEAをご用意!自分の手法にあった取引が可能です。
信頼のFX会社と提携
人気のFX会社と提携中!様々なFX会社から選べます。
\1分で登録完了!EA探すならシストレ.COM!/
無料会員登録はこちら
フォールスブレイクアウト(ダマシ)の見抜き方と対策の解説アイキャッチ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

お役立ち情報をシェアする
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

目次