市場サマリー
昨日の外国為替市場では、ドル指数が0.49%上昇し、105.13となりました。ユーロは対ドルで0.51%下落し、1.0800となりました。ポンドは対ドルで0.48%下落し、1.2700となりました。
一方、国際現物金は0.99%下落し、2337.88ドル/オンスとなりました。
米ドル指数
5月全体を通して、ドル指数は震えながら下落しました。先週は、予想を上回る経済データとFRBのタカ派的な会議議事録の影響でドル指数が小幅に反発しましたが、その上昇は限定的でした。今週は主要なデータ発表が少なく、ドル指数は104.8付近で小幅な変動を見せています。
経済データの観点から見ると、先週発表された5月の米国製造業、サービス業、総合PMIがいずれも予想を上回り、特に総合PMI指数は54.4に達し、約2年ぶりの高水準となりました。これは、第2四半期前半の経済活動が顕著に加速していることを示しており、需要の強さがインフレの抑制を困難にしていることを示唆しています。
金融政策の面では、FRBが先週発表した5月の政策会議議事録により、インフレ率が2%の目標に達するまでには予想以上に時間がかかる可能性が示され、初回の利下げは11月以降になる可能性が高いことが明らかになりました。このため、FRBが急いで利下げを行わないという政策立場が、ドル指数の支えとなり続けるでしょう。
今後については、米国の経済基盤が安定しており、インフレデータがFRBの政策目標に達するまでにはまだ時間がかかることから、FRBの利下げの道筋は依然として不明確です。今週は金曜日に発表される米国の核心個人消費支出(PCE)物価指数に注目する必要があります。ドル指数は引き続き区間内での震え動きを続けると予想されます。
ポンド/ドル
5月全体を見ると、ユーロ圏の経済データが改善し、ドル指数が下落する中で、ユーロは全体的に上昇傾向を示しました。
基本的な面から見ると、先週発表されたユーロ圏の5月のサービス業PMIは53.3で前月と同じ水準を維持し、製造業PMIの速報値は47.4で、依然として景気の分岐点を下回っているものの、予想値と前月値を大幅に上回り、約15ヶ月ぶりの高水準となりました。サービス業の安定したパフォーマンスと製造業の回復が総合PMIを51.7から52.3に押し上げ、約1年ぶりの最高値を記録しました。全体として、ユーロ圏経済は上昇傾向を示しており、ユーロのパフォーマンスを支えています。
しかし、金融政策の面では、欧州中央銀行(ECB)の6月の利下げはほぼ確定的であり、市場は下半期にさらに1〜2回の利下げが行われると予想しています。一方、FRBの利下げ予測が遅れる中で、米欧間の金融政策の分岐がユーロのパフォーマンスを抑制する可能性があります。
今後については、ユーロ圏の経済データ、ドル指数の動向、そして米欧の金融政策予測がユーロの動向に影響を与える主要な要因となります。今週は、米国の4月の核心PCE物価指数に特に注目する必要があります。このデータが予想を上回る場合、FRBの利下げ予測がさらに弱まり、ユーロは圧力を受ける可能性があります。短期的には、ユーロは1.08の水準で震え動きを続けると予想されます。