市場サマリー
昨日の外国為替市場では、ドル指数が0.57%下落し、104.68で取引を終えました。一方、ユーロは対ドルで0.62%上昇し、1.0807で終了しました。ポンドも対ドルで0.43%上昇し、1.2795で取引を終えました。国際現物金価格は0.32%上昇し、1オンスあたり2322.55ドルで終了しました。
米ドル指数
ドル指数の動向は、主にアメリカ経済の全体状況と連邦準備制度(FRB)の政策対応に影響されます。最近のデータでは、5月のアメリカ消費者物価指数(CPI)が前月比で横ばいとなり、予想されていた0.1%の上昇を下回りました。また、コアCPIは前月比で0.2%上昇し、これも予想の0.3%を下回る結果となりました。
FRBの政策に関して、最新のドットプロット(利上げ・利下げの予測を示す図)では、2023年内にFRBが利下げを行う可能性は1回にとどまり、しかもその時期は12月にずれ込む可能性があることが示唆されました。CMEのFedWatchツールによると、9月の利下げの確率は63%に低下しました。このような見通しの変化により、10年期のアメリカ国債の利回りは一時的に4月以来の最低水準である4.25%に達し、これがドル指数の下落を引き起こしました。
全体的に見て、アメリカの労働市場の強さと依然として高止まりしているインフレデータは、FRBが短期間でハト派(利下げ・緩和的な政策)の立場に転じる可能性が低いことを示しています。このため、ドルは短期的に上昇圧力にさらされ続けると予想されます。
技術的に見ても、ドル指数は現在、全体としては強含みでの動きが続いており、104.00付近にサポートが見られます。上方のレジスタンスは107.00付近であると考えられます。
ポンド/ドル
ユーロはドルの主要な対抗通貨であり、昨日は0.62%の上昇を見せ、1.0807で取引を終えました。現在、各国の中央銀行が利下げサイクルに入ろうとしている中で、FRBと欧州中央銀行(ECB)の利下げのタイミングは特に重要です。先週、ECBは予想通り25ベーシスポイントの利下げを実施しましたが、この動きによりユーロは大幅な上昇の動きを見せることが難しくなっています。
さらに、極右政党が欧州議会選挙で優位に立ったことが、フランスのマクロン大統領に臨時選挙の要求を促す形となり、政治的不安定要因がユーロに圧力をかけています。
技術的に見て、ユーロ/ドルは広いレンジでの動きが続いており、上方のレジスタンスは1.10付近に、下方のサポートは1.06付近に位置しています。