市場サマリー
昨日の外国為替市場では、ドル指数が0.09%上昇し、104.1518となりました。ユーロは対ドルで0.23%下落し1.0879、ポンドは対ドルで0.29%下落し1.2769となりました。ドルはスイスフランに対して0.61%下落し0.8902となり、国際現物金価格は1.00%下落し、2326.81ドル/オンスで取引を終えました。
米ドル指数
先週木曜日から今週月曜日にかけて発表された一連の経済データにより、ドル指数は連日下落していましたが、昨日はわずかに回復し、104.082で取引を終えました。
経済データの観点から見ると、先週木曜日に発表されたアメリカの第1四半期GDP年率成長率の修正値が1.6%から1.3%に下方修正されました。また、今週月曜日に発表されたISM製造業PMIは48.7で、前月の49.2および49.6を下回り、アメリカ経済の弱含みを示しています。
さらに、先週金曜日に発表された4月のコアPCE物価指数の月次変動率は0.2%で、予想および前月の0.3%を下回りました。これらのデータは、アメリカ経済のインフレ圧力の緩和と高金利が経済に与える負の影響を示しており、今後の経済弱含みとインフレ緩和のトレンドが続けば、ドル指数は大幅な下落を見せる可能性があります。
ポンド/ドル
ドル指数の連日下落に伴い、ユーロは対ドルで連日上昇していましたが、昨日は小幅に下落し、1.0879で取引を終えました。
金融政策に関しては、欧州中央銀行(ECB)が明日議事会を開催する予定です。最近のECB高官の発言から、今回の会議で今年初の利下げが発表される見込みですが、今後の利下げのペースについては明確な約束がない可能性があります。市場はECBが今回の会議後に25ベーシスポイントの利下げを行うと予想しています。
経済データについては、先週金曜日に発表されたユーロ圏の5月CPI速報値が4月の2.4%から2.6%に上昇し、予想の2.5%を上回りました。5月のコアCPIも2.7%から2.9%に上昇しています。製造業PMIの最終値は47.3で速報値の47.4をわずかに下回りましたが、昨年3月以来の最高値となりました。これらのデータとECB高官の発言から、インフレの上昇と経済の弱い回復は、6月の初回利下げを避けられないものの、ECBが今後の利下げペースを遅らせる可能性が高いです。
市場の関心は、今後の利下げのタイミングとその幅に移っています。ユーロ圏とアメリカの経済データの比較およびそれによる金融政策の変化が、今後のユーロ/ドルの動向に影響を与えるでしょう。ユーロ圏の経済が弱い回復傾向を維持し、インフレの緩和が停滞するならば、ユーロの利下げは市場予想を下回り、ユーロ/ドルは反発する可能性があります。逆に、ユーロとドルの金利差がさらに拡大すれば、ユーロ/ドルは今年の低水準を割り込む可能性があります。