市場サマリー
昨日の外国為替市場では、ドル指数が0.53%下落して104.45となりました。一方、ユーロはドルに対して0.35%上昇し1.0868、ポンドは0.52%上昇して1.2916となりました。国際現物ゴールドは1.84%上昇し、2414.65ドル/オンスで取引を終えました。
米ドル指数
最近のアメリカの経済指標は、経済成長の減速を示しています。6月の製造業指数は48.5で、予想の49.1を下回りました。また、6月のサービス業指数も48.8と、予想の52.6を大幅に下回りました。非農業部門の雇用者数は予想をわずかに上回りましたが、前月の数値は大幅に下方修正されました。失業率も予想外に4.1%に上昇し、賃金の伸びも減少しました。これらの経済データの悪化により、ドル指数は106以上の高値から調整を始めました。
昨日発表された6月のアメリカのCPI(消費者物価指数)は前年比3%上昇と予想の3.1%を下回り、前月比では0.1%下落して予想の0.1%上昇を下回りました。これは2020年5月以来初めてのマイナスとなります。インフレデータの予想以上の低下により、市場はFRBが9月に利下げする確率を95%と見込んでおり、これがドル指数の加速下落を引き起こし、一時104.07まで下落しました。
ポンド/米ドル
ユーロは最近安定して反発し、ユーロ/ドルは一時1.09の節目に達しました。この反発の要因は主に二つあります。一つは、フランス議会選挙の政治的不確実性が緩和され、フランス政府が極端な政策を打ち出すことへの市場の懸念が和らいだことです。もう一つは、アメリカの経済およびインフレデータの悪化により、ドル指数が大幅に下落し、ユーロ/ドルが急速に上昇したことです。
今後の見通しとしては、ユーロ圏の経済はやや弱含んでおり、6月の製造業PMIは年内最低水準に下落し、サービス業PMIも予想および前月を下回りました。7月のデータが引き続き弱い場合、ユーロの上昇余地は制限される可能性があります。現在、金利スワップ市場は欧州中央銀行(ECB)とFRBが下半期に2回ずつ利下げする可能性を見込んでおり、経済の基本面と利下げ予想の差異が大きくないため、ユーロ/ドルはレンジ相場を維持する可能性があります。