市場サマリー
昨日の外国為替市場では、米ドル指数が105.72から105.81へとわずかに上昇し、0.09%のプラスで取引を終えました。主要な非米ドル通貨は全般的に下落し、ユーロは対ドルで0.06%下落し1.0741、ポンドは対ドルで0.04%下落し1.2650で取引を終了しました。
一方、ドル/円は0.41%上昇し161.46で取引を終えました。また、国際現物金は0.23%上昇し、最終的には2331.49ドル/オンスで引けました。
米ドル指数
米ドル指数は一時的な下落と上昇を経て、最終的に横ばいで週末を迎えましたが、今週に入ってからは高位での揉み合いが続いています。昨日の終値は105.81でした。今後も、米ドル指数は高位での震え動きが続く可能性が高いです。
基本的な経済指標を見ると、先週木曜日に発表されたアメリカの重要な経済データには好不調が混在していました。5月の耐久財受注は前月比0.1%増加し、予想を上回ったものの、前月の0.2%からは減少しました。また、4月のデータも前月比0.7%から0.2%に修正されています。同時に、2024年第1四半期のGDP成長率は予想通りの1.4%で、前回の1.3%を上回りましたが、個人消費支出の増加率は2%から1.5%に下方修正されました。
貨幣政策の面では、連邦準備制度(FRB)が注目する5月のPCE(個人消費支出)物価指数が前年同月比2.8%から2.6%に低下したことから、9月にFRBが利下げを開始するとの市場の期待が高まりました。しかし、米国経済が緩やかな成長を示しているものの、全体的には依然として強い韌性を持っているため、米ドル指数のパフォーマンスを支える可能性があります。
ユーロ/米ドル
先週、ユーロは米ドル指数の動きに追随し、週次で0.24%の上昇を見せましたが、昨日は1.0741で取引を終えました。今後を見据えると、ユーロは依然として大きな下方圧力に直面しています。
短期的には、欧州の政治的な動向と欧州中央銀行(ECB)の政策対応がユーロの動きを左右する重要な要因となるでしょう。市場は、ECB総裁のラガルド氏が今週、ポルトガルで開催される年次シンポジウムで、地政学的リスクに対する慎重な対応を示す可能性があると予想しています。先週、フランスとドイツの国債利回りの差が歴史的に拡大し、フランスの資産が売りに出されたことから、市場のリスク回避の感情が高まり、ユーロに対する圧力が増加しました。このため、ユーロは短期的に、地政学的リスクが解消されるまでの間、慎重な姿勢を維持する可能性が高いです。
貨幣政策の面では、ECBが先行して利下げを開始し、欧米の金利差が依然として相対的に高い状態が続いているため、ユーロの上昇は制約されています。総じて、ユーロが直面する不確実性は多く、短期的には上昇することが難しいと考えられます。