市場サマリー
前回の取引日では、ドル指数が0.14%上昇し104.44で取引を終えました。ユーロは対ドルで0.34%下落し1.0854、ポンドも対ドルで0.2%下落し1.2907で終値を迎えました。
米ドル指数
先週、美連儲の数名の高官が再度ハト派的なシグナルを発しましたが、市場では美連儲の利下げ期待が依然として高まっています。しかし、リスク回避の姿勢が強まる中、ドルに対する支援が見られ、ドル指数は下落後に再び上昇し、104を上回りました。今週の始めから、ドル指数は104.40付近での狭いレンジでの動きが続いています。
アメリカの6月の小売売上高は前月比で0%の成長を示し、予想の-0.3%を上回りました。一方、労働市場に関しては、先週の新規失業保険申請件数が24.3万人となり、予想と前月の値を上回りました。全体として、アメリカの労働市場はさらなる冷え込みを示しているものの、経済状況は依然として安定しており、ドルをある程度支える可能性があります。
先週のパウエル議長やウォーラー理事の発言は利下げへの地ならしを行っており、FRBが利下げサイクルを早期に開始するという市場の期待を高めました。その結果、投資家のドルへの信頼が低下しています。現在、市場はFRBが今月利下げする可能性は低いと見ており、9月の25ベーシスポイントの利下げをほぼ完全に織り込んでいます。
ポンド/米ドル
ポンドは過去2週間で強い上昇を見せ、先週水曜日には1.3044の高値に達し、昨年7月下旬以来の高水準となりました。しかし、ドル指数が反発する中でポンドも高値から戻り、現在は1.29付近で取引されています。
ポンドの動きは主に英国の経済データ、英国央行の金融政策、そしてドル指数の動向に影響されています。経済データを見ると、先週発表された英国のインフレ率と雇用統計は市場予想に合致しましたが、最新の小売売上高は振るわず、6月の調整後の小売売上高は前月比-1.2%となり、前回の2.9%や予想の0.4%を大きく下回りました。この不振がポンドの値動きを圧迫しています。
インフレ率が2%で維持され、賃金の伸びも依然として強いため、英国央行の利下げが8月から9月に延期されると広く見られています。この利下げ延期の見通しはポンドにとってプラス材料となる可能性があります。
また、今週はアメリカの第2四半期GDP速報値や6月のPCE、7月のPMIなどの経済指標が発表されます。市場がFRBの利下げ期待を高めると、ポンド/ドルに上昇余地が生じる可能性があります。