市場サマリー
昨日、ドル指数は0.50%下落し、102.61で取引を終えました。主要な非米通貨は上昇し、ユーロドルは0.58%上昇して1.0994、ポンドドルは0.78%上昇して1.2865となりました。ドルカナダドルは0.28%下落して1.3705、ドル円は0.25%下落して146.83でした。国際現物金価格は0.29%下落し、2,464.80ドル/オンスで終えました。
米ドル指数
8月に入ってから為替市場は大きく揺れ動き、ドル指数は月初の104台から急落し、先週月曜日に102.16の最低値を付けた後、若干の反発を見せ、現在は103台に戻っています。
最近の為替市場の動向を主導しているのは2つの要因です。1つ目は、経済データに基づく市場の感情の変動、2つ目は主要な中央銀行、特に米国と日本の中央銀行の最新の政策表明です。8月初旬のドル指数の急落は、アメリカのISM製造業指数や7月の非農業部門雇用者数が予想を大きく下回り、米国経済のリセッションへの懸念が高まり、それに伴ってFRBの利下げ予想が強まったことによるものです。この結果、ドルが弱含みとなりました。さらに、日本銀行が15ベーシスポイントの予想外の利上げを行い、植田総裁が予想以上のタカ派姿勢を示したこともあり、円キャリートレードが逆転し、円高が進んでドルが押し下げられました。その後、ドル指数は反発し、アメリカの7月ISM非製造業指数や当初の失業保険申請件数が予想よりも良好で、米国経済がすぐにリセッションに陥るという懸念が一時的に和らいだことが背景にあります。また、FRBや日本銀行の高官が市場を安心させる発言をしたことも反発の一因となりました。
今週の最初の2営業日では市場は小幅な動きに留まっており、今夜発表されるアメリカの7月CPIデータと明日発表される日本の第2四半期GDPデータが注目されています。投資家はこれらのデータが最近の2つの主要な市場の動向にどのように影響するかを注視しています。ただし、FRBの9月のFOMC会合までには、次の月の非農業部門雇用者数やインフレデータが発表される予定で、これらのデータが政策の判断材料となる可能性が高いため、市場は9月のFOMC会合まで広範なレンジ内での揺れ動きが続くと予想されています。レンジは102-104.8と見られています。
ポンド/米ドル
最近の一週間では、弱い経済データがユーロ全体のパフォーマンスを圧迫し、ユーロドルは先週一時的に1.09を下回り、週間では0.05%の下落を記録しましたが、昨日は1.0994で取引を終えました。
経済データ面では、先週発表されたユーロ圏の7月PMI確定値データが予想外の低下を示し、総合PMI確定値は50.2、サービス業PMI確定値は51.9と、いずれも予想を下回りました。主要国では、ドイツの7月の経済活動が明らかに減速し、総合PMI確定値は49.1となり、予想外に収縮領域に入りました。フランスでは、7月のサービス業はほぼ安定しており、PMI確定値は前回値と同じで、わずかに栄枯線を上回りましたが、総合PMI確定値は49.1で、予想と前回値の49.5を下回りました。全体として、高金利環境がユーロ圏経済に悪影響を及ぼしている状況は依然として続いており、ユーロ圏の経済リセッションリスクが完全に消えたわけではありません。そのため、短期的にはユーロの上昇動力が限られていると考えられます。
一方、金融政策では、欧州中央銀行(ECB)は7月の理事会で9月の追加利下げについて明確な指針を示しませんでしたが、最近の弱い経済データがECBの利下げ予想を強めています。現在、ECBが9月に再度利下げを行う確率は97%と見込まれ、年内の利下げ総量は約65ベーシスポイントに達すると予想されており、これがユーロのパフォーマンスをある程度抑えています。
技術面を考慮すると、ユーロドルは日足チャートでボリンジャーバンドの中間線付近で推移しており、MACD指標の赤い動能柱がやや弱まっていることから、ユーロの上昇傾向が限られていることが示唆されています。総合的に見て、短期的にはユーロドルは1.08から1.10のレンジ内での揺れ動きが続く可能性が高く、上方のレジスタンスは1.10付近にあると考えられます。