市場概要
昨日、ドルインデックスは101.37で始まり、101.18で終値を迎え、0.19%下落しました。主要な非米ドル通貨の中では、ユーロ/ドルは0.18%上昇し1.1150、ポンド/ドルは0.43%上昇し1.3090で取引を終えました。ドル/円はほぼ横ばいで、145.29で取引終了しました。国際現物金の終値は2511.86ドル/オンスで、日中の下落率は0.07%でした。
ユーロ/ドル
市場のリスク志向の影響を受けている欧州系通貨の一つであるユーロは、最近好調なパフォーマンスを示しています。先週の週足では1.03%の上昇を見せ、前の高値を突破して1.11の水準を超えました。今後もユーロは堅調な推移を維持する可能性が高いでしょう。
経済指標を見ると、最新のデータはやや弱含んでいます。ユーロ圏の8月の経済景気指数は17.9と、前回の43.7を大幅に下回りました。特にドイツの経済は引き続き弱い動きを見せており、ドイツの8月経済景気指数は41.8から19.2に、経済現況指数は-68.9から-77.3に低下しています。これらの経済指標の悪化はユーロの上昇余地を制限する可能性がありますが、欧米中央銀行の金融政策の分岐がユーロを支える重要な要因であることに変わりはありません。
市場はすでに欧州中央銀行(ECB)が9月に25ベーシスポイントの利下げ、年内に合計65ベーシスポイントの利下げを行うと予想しています。一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がジャクソンホール会議でより明確な利下げシグナルを発することが予想されています。ECBの方針は比較的慎重であるため、ユーロの堅調な動きは短期的には継続する可能性が高いです。
チャート上では、ユーロ/ドルは5日移動平均線の上にしっかりと位置しており、短期的な強気トレンドが明確です。中長期的なレンジは1.09から1.13の間と見られます。
ポンド/ドル
最近の米国のインフレデータの低下が米国の景気後退への懸念を引き起こし、ドルインデックスが下落したため、非米ドル通貨、特に欧州系通貨が強く上昇しました。ポンドは1.30の重要な抵抗線を突破し、その上で推移しています。今後もFRBの利下げサイクルが開始される中で、ポンドは引き続き強気の動きを見せる可能性があります。
現在、市場の焦点はFRBの金融政策の見通しにあります。米国の生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)、特にコアインフレが低下し続けており、コアCPIは前年比で3.2%の上昇となり、4カ月連続で減少を記録しています。同時に、最近のFRBの関係者は雇用市場の潜在的な弱さに対して態度を軟化させており、9月の利下げの準備ができていると表明しています。米国のファンダメンタルズは、FRBの利下げサイクル開始を支持する形となり、ドルインデックスの押し下げ要因となっています。
一方、英国の最新の失業率データは予想と前回値を下回り、英国の労働市場が一定の弾力性を持っていることを示しています。さらに、GDPや小売データの改善は、英国経済が回復に向かっている可能性を示唆しています。今後、市場のリスク志向がさらに高まれば、ポンドが一段と強含む可能性もあります。
チャート上では、ポンド/ドルは1.2680のサポートラインを支えに強く反発しており、各移動平均線が多頭配列となっていることからも、強気のムードが優勢であることが示されています。上方の抵抗線は1.3120と見られ、これを突破すればさらなる上昇余地が開ける可能性があります。