市場概要
前回の取引日、ドル指数は0.34%上昇し、101.723で終了しました。ユーロ対ドルは0.27%下落して1.10484、ポンド対ドルは0.29%下落して1.31293、ドル対スイスフランは0.3%上昇し0.84988、国際現物金は0.72%下落して1オンスあたり2503.2ドルで終了しました。
ドル指数
8月のドル指数は全体的に上下変動しながら下落し、一時100.51まで下がり、今年の最低値を記録しました。月末にはわずかに上昇し、101.723で終了し、7月末と比べて2.2%下落しました。
経済データでは、アメリカが先週金曜日に発表した7月のPCE物価指数の年率は2.5%で、前回値と同じ、予想値の2.6%を下回りました。食品とエネルギーを除いたコアPCE修正値も2.6%で、前回値と同じく、予想の2.7%を下回りました。最新のデータから、アメリカのインフレの反発圧力はそれほど大きくないことが示され、9月のFRBによる利下げの見通しがさらに強まりました。
しかし、先週発表された週次失業保険申請件数はやや減少し、第2四半期のGDP年率成長率の修正値も初回値より上昇しました。これにより、アメリカ経済の底堅さが反映され、9月の利下げ幅が50ベーシスポイントに達する可能性が低くなるとされ、ドル指数は8月の最終取引日で上昇しました。
政策面では、FOMCの投票委員であるサンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、先週火曜日の公開演説で、9月の利下げを妨げる要因はほとんどないとし、予想を超えて雇用が低迷した場合、50ベーシスポイントの利下げを検討すると述べました。また、アトランタ連銀のボスティック総裁も、先週金曜日の発言で、FRBが利下げを行う時期に来た可能性があることを認めました。
今後を展望すると、9月のFRBの利下げ幅やその後の利下げの道筋が市場の焦点となり、今週金曜日に発表される非農業部門雇用者数の報告や来週の水曜日と木曜日に発表される一連のインフレデータに注目が集まります。もし雇用データが予想以上に悪化し、インフレが安定していれば、50ベーシスポイントの利下げの期待が再び高まり、その場合、ドル指数がさらに下落するリスクがあります。
ユーロドル
ドルの下落に伴い、ユーロは8月にかけて上昇し、一時1.12を超えて今年の最高値を記録しましたが、月末には1.1048で終了し、月間で2.06%の上昇を見せました。
ユーロ圏は先週金曜日に8月のCPI年率の初回値が2.2%と発表され、前回値の2.6%より低く、予想通りの結果となりました。同日に発表された失業率は6.4%で、前回の6.5%よりやや低下しました。このデータから、ユーロ圏のインフレ圧力がさらに緩和され、雇用状況も多少改善していることが示されています。
しかし、先週の欧州中央銀行(ECB)の主要な幹部による公開発言では、9月の利下げに慎重な姿勢を示しており、ECB内で利下げに関するコンセンサスがまだ形成されていないことが明らかになりました。
ECBの9月の金利決定は来週木曜日に発表される予定であり、現在の市場予測ではECBが利下げを行う可能性が高いとされていますが、FRBよりも利下げの確実性は低いです。金利決定が発表される前に、8月の生産者物価指数(PPI)と購買担当者景気指数(PMI)データ、ならびにECB主要メンバーの発言に注目が必要です。経済データが利下げを支持し、ECBの態度がよりハト派に傾いた場合、ユーロの為替レートは一定の下押し圧力を受ける可能性があります。