1. 世界の経済動向
金曜日の市況は引き続きリスクセンチメントが弱い状態が続いています。アジアのほとんどの株が低調推移しており、ウォールストリートは前日には堅調な動きでした。中国の製造業PMIは11月に予想外に50.7に上昇しましたが、他のアジア地域では世界的な需要の低迷から工場活動が低調なままとなっています。
2. アメリカの経済指標とドルの動向
アメリカのS&P 500先物契約は比較的穏やかな動きを見せています。投資家はアメリカ連邦準備制度(Fed)の利下げ期待を考慮しています。木曜日に発表されたアメリカの個人消費者支出価格指数(PCE)は、10月に年率3.0%上昇し、前三ヶ月の3.4%から緩やかな伸びとなりました。インフレは前月には伸びず、市場の予想を下回りました。
3. パウエル議長の発言に注目
ニューヨーク連邦準備銀行のJohn Williams総裁は木曜日に「現時点での私の評価では、我々はインフレ率が高すぎず、経済が弱まりすぎているというリスクのバランスにある。」と述べ、Fedの利上げ目途について言及しました。ドルはこれに伴い再び下落し、米国債の利回りも下がっています。
4. 通貨市場の動き
現在、米ドル指数は103.30近辺で推移しており、10年債利回りは4.33%近くで推移しています。ユーロはドルに対して強い動きを見せており、EUR/USDは1.0900を維持しています。英ポンドもBoEのホーク派のコメントを受けて1.2650に回復しています。オセアニア通貨は中国の強い製造業PMIやドルの弱さを受けても慎重な雰囲気が広がり、AUD/USDは0.6600を挑戦し、NZD/USDは0.6150近辺で横ばいです。
5. 原油と金の動向
WTI原油はOPEC+の決定に伴い76ドル近くまで回復しました。サウジアラビア、ロシア、および他のOPEC+メンバーは2024年第1四半期までの自主的な生産削減に合意しました。一方、アンゴラは同同盟から与えられた新しい生産クォータに反対しました。金価格もドヴィッシュなFedの期待から2050ドルに向けて再上昇しています。
まとめ
金曜日の市場は引き続きリスク回避の傾向が続いており、注目すべき要因がいくつかあります。特に、Fedのパウエル議長の発言やアメリカの経済指標の動向が今後の市場に与える影響に注意が必要です。