市場サマリー
昨日の外国為替市場では、米ドル指数が0.04%上昇し、103.82で終了しました。ユーロは対米ドルで0.06%下落して1.0844で終了し、ポンド対米ドルは1.2684で前日と変わらず終了しました。国際通貨指数も対米ドルで0.06%下落し、1.0844で終了しました。金スポットは0.04%下落し、1オンスあたり2,030.23ドルで取引を終えました。
米ドル指数
米国の経済指標や連邦準備理事会(FRB)による利下げ見通しの修正が続いており、米国の金利が長期間高水準にとどまる可能性が高まっています。これが米国ドルの上昇につながっています。ドル指数は2月以来上昇していましたが、中旬に安値をつけ、3か月ぶりの高値に達した後、反落し始め、現在は値を保っています。
政策の面では、FRBは今年のある時点で利下げを開始すると予想されていますが、まだ継続していることが分かります。市場の予想では、5月の利下げ確率は20%程度に低下し、6月か7月の利下げ開始への期待は高まっています。年間を通じて3〜4回の利下げが見込まれ、金利は80ベーシスポイント程度になると見られています。データ面では、2月の米国PMIデータが依然として好調であり、製造業がサービス業よりも早く拡大していることや、インフレデータが上昇し始めたことが示されています。米国経済が好調に推移し、インフレが依然として存在している中、FRBの政策転換のタイミングが不透明なため、米ドル指数は短期的には高い水準を維持すると予想されます。
ポンド
最近は米ドルの弱含みもあり、ユーロは若干反発しています。経済指標に関しては、ユーロ圏の2月のPMI統計がまちまちで、サービス業PMIは6カ月連続のマイナスに終止符を打ちましたが、製造業が景気回復の足を引っ張っている状況が続いています。特に、ユーロ圏最大の経済国であるドイツの製造業活動はさらに縮小し、PMI統計は42.3にとどまりました。ユーロ圏企業の経営状況は改善しており、欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏経済が底入れし、軟着陸できる可能性があると述べています。
ECBは利下げの議論は時期尚早であるとしています。市場の予想では、今年の利下げは約100ポイントと見込まれており、最初の利下げ時期は6月が最も可能性が高いとされています。欧米経済の相対的な強さやユーロ圏のインフレ率、ECBの政策スタンスがユーロの動向に引き続き影響を与える見通しです。ユーロは今後も低水準で推移する可能性が高いと見られています。