USD/JPY
5月29日(水曜日)、米ドル/円は連続して2日目の上昇を見せ、0.27%上昇して157.60で取引を終えました。同日、日本銀行の審議委員である安達誠司氏は、円安がインフレに大きな影響を与える場合、日銀が金利を引き上げる可能性があると述べました。
しかし、彼は現在のところそのような事態は考えにくいとも発言し、当面は緩和的な政策を維持し、段階的な政策調整にとどめる姿勢を示しました。
この発言は円の弱含みを止めるどころか、むしろ安心して利差取引を進める材料となり、ドルの上昇を後押ししました。さらに、金曜日に発表される米国のインフレデータを前に、不確実性からドル買いが続いています。
取引者たちは、米国の核心個人消費支出価格指数(PCE)の発表を前に、ドル/円を慎重に押し上げる展開が続くと予想されます。日足チャートでは、米ドル/円はボリンジャーバンドの上限に向けてゆっくりと上昇しており、技術指標は平坦で方向性が明確ではありません。上方の初期抵抗線は158、下方の初期支援線は156.60です。
AUD/USD
5月29日(水曜日)、豪ドル/米ドルは大幅に下落し、0.55%減の0.6611で取引を終えました。同日、オーストラリアの4月のインフレ率が予想の3.4%を上回り、5か月ぶりの高水準である3.6%となりました。このデータを受けて、市場はオーストラリア中央銀行の利下げ予測を後ろ倒しし、現在は2025年9月に初めて緩和政策が実施されると見込んでいます(以前の予測は7月)。
しかし、豪ドルはこの結果に反応して上昇することはありませんでした。これは、米国債の入札不調により利回りが4週間ぶりの高水準に上昇し、豪ドル/米ドルに重圧をかけたためです。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期と幅に対する懸念もドルを支えています。現在の注目は、金曜日に発表される米国の4月核心個人消費支出(PCE)物価指数に集まっています。
このデータが軟調であれば、オーストラリアの頑固なインフレと長期にわたる高金利政策が豪ドルの下落を抑える助けとなるかもしれません。現在、下方の初期支援線は0.66、次に0.6580が続きます。上方の初期抵抗線は0.6660、次に0.6693となります。