USD/JPY
6月3日(月曜日)の早い時間帯、米ドル指数は104.13と5月中旬以来の安値を付けました。米ドル/円相場も2週間ぶりの安値となり、ニューヨーク夕方場では前日比0.7%安の156.22円と下落しました。当日発表された5月の米供給管理協会(ISM)製造業購買担当者景気指数は、前月の49.2から48.7へと低下し、3月の50.3という18カ月ぶりの高水準から後退しました。
BMOの調査レポートによれば、米国製造業は過去19カ月のうち18カ月で縮小基調にあるとのことです。ISM指数の低下に先立ち、シカゴ購買部協会景気指数や、ダラス連銀、フィラデルフィア連銀、ニューヨーク州の製造業指数でも力強さを欠いていました。4月の米建設支出は非住宅部門での落ち込みから、前月の0.2%減に続き0.1%減となり、2カ月連続で予想外の低下となりました。ISMおよび建設支出の数字を受け、LSEG のレート確率アプリでは、9月の米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ確率が前週末の55%前後から59.1%前後へ上昇しており、前々週は50%を僅かに下回っていました。
このように最近の米国の経済指標が力強さを欠いたことから、FRBが年内後半に利下げに踏み切る公算が高まり、円安圧力が和らぐ要因となっています。日足チャートでは米ドル/円がまとまった陰線で下落し、レート水準が移動平均線の中央値を下回るなど、テクニカル指標で下落示唆が強まっています。長期間の上値渡り線抵抗から高値での売り物件が膨らむリスクに備える必要があります。全体としては米ドル/円相場は依然として153-158円の区間足踏み状態が続いております。
AUD/USD
6月3日(月曜日)の豪ドル/米ドル相場は引き続き上昇し、前日比0.54%高の0.6688米ドルで終了しました。当日の米ドル指数が米国の弱い経済指標を受けて全面安となったことから、豪ドルは継続した買い支えを受けました。加えて、アジア諸国の工場活動の拡大ぶりが確認されました。5月の中国製造業PMIは、財新/スタンダード&プアーズの共同調査で51.7と2年ぶりの高水準となり、先週の政府統計の低調さをカバーしました。
日本の5月製造業活動は1年ぶりの拡大となり、韓国でも2年ぶりの高い伸び率となりました。これら3カ国は豪州の主要な鉱物資源輸出相手国であり、このようなアジア地域の工業活動の好転は、豪ドル支援材料となりました。日足チャートでは豪ドル/米ドルが3日続けて陽線で推移し、レート水準が上側のボリンジャーバンド幅に接近、テクニカル指標も上昇シグナルを強めています。前高値の0.6714米ドルを上抜けば、さらに上値を追う展開が見込まれます。一方、下方の0.6580米ドル付近にサポートラインが存在しています。